宮澤やすみの仏像ブツブツ



寺社ファン集結!仏像バンドのフラワーパーティ

2018年 4月 9日

4月8日は「花祭り」。仏像&仏教ファンの祭典の日ですね。
我が仏像バンド“The Buttz”もフラワーパーティ(花祭り)イベントを開催しました。

「今まで仏像の話ができる友人がいなくて…」
という女性も参加されてましたが、今日はのびのびと仏像談義を楽しんでいて、本当に、このイベントやって良かったと思います。

ほかの皆さんも、神社仏閣や仏像に少なからず興味のある人たちが集まったのだから、共通の話題でいやでも盛り上がりますよね。


歩きながらもブツトークに話がはずみます

4月8日は、釈迦の生誕を祝う行事「灌仏会」が行われる日。
今日訪れたお寺も花祭りのしつらえがありました。


スマホのグループ通話機能で解説しながらお寺めぐり

言い伝えによると、約2500年前のインドで、シャカのお母様である摩耶夫人(まやぶにん)が、ルンビニーという花園で産気づき、なんと右腋から釈迦を産み落としたのだそうで。
さらに、生まれてすぐに7歩歩いて、天と地を指し
「天上天下唯我独尊」
と言ったのだそうで。
だいたい、偉い聖人は産まれ方の伝説がすごいですね。

さらにさらに、釈迦の生誕を祝って龍神が「甘露の雨を降らせた」のだそうで。
これが、現在の花祭りで「甘茶」をかける習慣につながっているのでした。

こんなに伝説盛りだくさんのお釈迦様の生誕でありますが、私がやっている江戸の小唄では、こんなふうに歌います。

 おしゃかさんえ
 おしゃかさんえ
 なぜにお前は丸裸
 賽銭箱にけっつまづいて
 甘茶の中へと落っこった
 どこだーい
 ココだ~~い

これまたなんとも、江戸の庶民のユーモアのセンス、私は好きですね。


上野や江戸の歴史のカギとなる神社もご案内

さて、この日のイベントで我々The Buttzは、上野の寺社をご案内した後、
この「お釈迦さん」をバンドで演奏。
さらに、
琵琶湖の観音めぐりを歌った「長浜春秋」
親鸞の悪人正機説からインスパイアされた「悪人でいこう」
奈良の薬師寺を歌った「Sunlight, Moonlight」
おなじみの秘仏開帳ソング「ご開帳ブルース」

を演奏し、神仏歴史好きのお客さんと一緒に盛り上がりました!


The Buttzの仏像ライブ!

4月以外にも、ときどきやろうと思うので、興味ある人は次回ぜひご参加くださいませ。


居心地のよいバーで仏像トーク!
 (撮影:高平和紀)

(こんなイベントでした↓)
”仏像バンド”宮澤やすみ and The Buttz と行くシリーズ
【4/8 江戸の鬼門・上野の歴史ミステリーさんぽ+ミニライブパーティ】
http://yasumimiyazawa.com/buttz/flowerparty.html


桜に笑う? 間近で拝める南山城の国宝仏像

2018年 4月 2日

テレビのロケで京都へ。この写真見てください。旅行のポスターに使えそう?

桜満開!よいシーズンに訪れました


これは、奈良に接する「南山城」という地域の観音寺。大御堂(おおみどう)とも呼ばれます。

仏像ファンならおなじみ、国宝の十一面観音がいるお寺です。

天平時代の作というから、1270年くらい前のもの!
前記事で紹介した、葛井寺の千手観音さんと同期くらいです。
そんなに古いのに、今でもきれいなかたちで残っています。

腰がくびれた抜群のプロポーションがたまりません。
だいたい十一面さんは、体つきがセクシーでも表情は厳格なもの。

しかし、桜満開のここちよさのせいか、今日だけはやさしい表情で笑っているように見えました。

ここのお寺のいいところは、近づいて拝観できるところなんですよね。
ご住職に促されて、厨子の真ん前へ。息のかかる近さで国宝の観音さまを拝する。ゾクゾクしますね。
ふつうはできないことですよ。

この日は旅番組の収録でしたが、主役の大物俳優さんも感動してらっしゃいました。

ご住職のポリシーとして、この像はここから一歩も出さず、必ずこのお堂で拝観してもらうことにしているそうです。
だから、以前に京都国立博物館で、南山城の仏像展をやったときも、主役級であるこの像は出展されませんでした。
そのぶん、このお寺まで来たときには、間近でじっくり見てもらおうというお考えだそうです。

わざわざ出向く手間があるぶん、混雑するようなお寺ではないので、国宝観音を独り占め。贅沢な時間でした(収録の仕事もきっちりやりましたよ)。

以前に取材で仏像写真を撮らせてもらったので、その美仏っぷりをお見せしたいんですが、ネットに上げるのは控えておきましょう。
ここに上げると、ご住職の思いを無視してしまうことになりますしね。
ま、検索すればいくらでも出ると思います…。

ぜひ現地に足を運んでください!

ここは、今でこそのどかな地域ですが、この観音像が造られた当時、都はすぐ近くの恭仁京(くにきょう)というところでした。
南にひと山越えると奈良、西へ行くと難波に出られるという位置関係。ここは重要なターミナル拠点だったようです。
東京で言うと、新宿みたいな?ところでしょうか。

そんな「都心近郊」の地だから、こんなに素晴らしい仏像が造られた。
高額な漆を多用する木心乾漆技法でできていますが、これは莫大な予算を投じないとできません。
街道の拠点に邪気が入らないよう、仏像のパワーで守護してもらう、そんな目的があったんでしょうか。
当時の仏像は、美術品ではなく、国家鎮護などの大事な役目を実行する役目があったんですね。


さて、前回記事でお伝えした、
4月8日の上野散歩イベント、満席近くなっています。
もし気になる方はお問い合わせください。

(告知)
”仏像バンド”宮澤やすみ and The Buttz と行くシリーズ
【4/8 江戸の鬼門・上野の歴史ミステリーさんぽ+ミニライブパーティ】
http://yasumimiyazawa.com/buttz/flowerparty.html


ご予約は、上記リンクの申込フォーム、または宮澤やすみのSNSから直接メッセージくださってもぜんぜんOKです。ゆるいやつですから。


上野でびわ湖の観音さまを迎える

2018年 3月 26日

びわ湖・長浜は「観音の里」。長浜市の貴重でステキな観音さまたちが、2か月交代で東京にやってきているのをご存知ですか?
場所は東京・上野の「びわ湖長浜KANNON HOUSE」。今回は展示入れ替え作業を見学させてもらいました。


長浜市の高月駅前にある「かんのん道」石標


展示を終えて、長浜に帰る片山観音堂の十一面さん。その頭部、足、腹部など主要部分を、ウスと呼ばれる薄い和紙で厚く包みます。
木枠に寝かせ、綿ふとんをクッションに挟んで、その上からさらしをぐるりと巻き、しっかりと締めます。その上から麻ひもを結び付ける。

こうして木枠にくくりつけたら、専用の箱に入れますが、これが段ボール製。
といっても、特殊な構造の固いものをうまく組み合わせていて、かなりの強度があるんだそうです。

観音像は木枠にしっかり固定されているので、緩衝材などは入れません。

あとは、特殊なサスペンションを搭載したトラックで、ヤマト運輸の専門ドライバーさんが慎重に運転。結局最後は人の技術がものをいうわけですね。長浜までの長旅ご苦労さまです。


長浜観音の里を代表する国宝・十一面観音がいる向源寺(高月町)

梱包を指揮する先生は、現地長浜からいらした「高月観音の里歴史民俗資料館」の佐々木悦也先生。ぼくが長浜で仏像講演させてもらった時もお世話になりました。
ほどよい緊張感の中で観音さんは無事きれいに梱包されました。東京での展示お疲れ様でした。


そして、新たに展示されるのは、長浜市の横山神社に祀られている馬頭観音さん!

じつはこの方、ぼくの仏像バンド”The Buttz(ザ・ブッツ)”が観音ハウスでライブさせてもらったときにも展示されていたんです。
なんでも、「再び会いたい観音さまリクエスト投票」で選ばれて、2度目の上京なのだそう。人気者です。

それにしても、思いがけない再会。いや~ご縁を感じます。


2017年出演時。馬頭観音さまとわたくし(撮影:やんにし)

この方が展示されている4月8日には、The Buttzの上野散歩イベントでここに立ち寄ります。
馬頭さんも、またThe Buttzに会う奇遇に驚かれるんじゃないでしょうか。
前回ライブで歌った「長浜春秋」も再演します。これもご当地ソングとして定着するといいな~と……。

観音ハウスでのライブ記事、このページ下に貼っておきます。
(今回のライブは近隣の別会場でやります)

横山神社の馬頭観音さん、もはやThe Buttzの守護神といってもよいかもしれない!?



(告知)
”仏像バンド”宮澤やすみ and The Buttz と行くシリーズ
【4/8 江戸の鬼門・上野の歴史ミステリーさんぽ+ミニライブパーティ】
http://yasumimiyazawa.com/buttz/flowerparty.html


ご予約は、上記リンクの申込フォーム、または宮澤やすみのSNSから直接メッセージくださってもぜんぜんOKです。ゆるいやつですから。


昨年のようす。今年は上野を歩きます!


(参考リンク)
びわ湖長浜KANNON HOUSE公式Facebook記事(2017/1/8)より:



びわ湖長浜KANNON HOUSE公式サイト
http://www.nagahama-kannon-house.jp




2017年The Buttz出演時のショット(撮影:やんにし)


春の仏像デビューおすすめスポットは?

2018年 3月 19日

延び延びになっていたNHKの生出演ですが3/20(火)に再決定しました。生放送で何が起こるか…ご覧ください!

さて、春から仏像デビューしたい!という人に向けて、初めて歩きツアーに出るとなると、定番コースはやっぱり東京では上野ではないでしょうか。
上野公園には、ブツあり古社あり古墳もあって、歴史のナゾをトータルで俯瞰できるのが楽しいんですよね。


公園内の重要文化財「清水観音堂」

まずよく知られた話は、徳川幕府が江戸城の鬼門(東北の方位)の守護として、上野を重要な拠点としたこと
(じつは正確な方位からはずれるのですが、重要視する理由が他にもありました。それはこんどまた)。

当時の都は平安京(京都)。この連載でも年末に書いたとおり、平安京の守りは比叡山と琵琶湖です。
そこで上野には、

●琵琶湖を模して不忍池を建設
●琵琶湖の竹生島を模して、弁財天が祀られ
●「東の比叡山」という意味の東叡山・寛永寺が建立
●清水寺を模した清水観音堂も建立

という話。
これは江戸時代の話だけど、それだけでなく、じつは古墳もあるんですよね。
ヤマトタケルゆかりの神社も謎めいて面白いし、だから、江戸時代だけでなく古代史の話もできちゃう。

だから深めるとなかなかヤバくて濃ゆい世界なんですけど、そんな深みがあるからこそ、初心者さんがちょっと味見だけして歩くのでも充分楽しめるんです。


そこでひとつお知らせさせてください。


我が仏像バンド The Buttz(ザ・ブッツ)でも、春に上野寺社さんぽ+ミニライブのイベントをやります。
マニアとか初心者とか一切関係なく、なにしろ釈迦生誕祭(花祭り)にかこつけて飲もう、というのが発端のゆるいやつでして、
私含むThe Buttzメンバー4人と一緒に、上野の仏像ほか神社、古墳もめぐり、
江戸の鬼門にあたる上野の歴史ミステリーを解いちゃう!? というテーマさんぽです。

後半は近隣のお店で飲んで、ちょっと生演奏いたします(アコースティック編成)。


”仏像バンド”宮澤やすみ and The Buttz と行くシリーズ
【4/8 江戸の鬼門・上野の歴史ミステリーさんぽ+ミニライブパーティ】
http://yasumimiyazawa.com/buttz/flowerparty.html


ご予約は、上記リンクの申込フォーム、または宮澤やすみのSNSから直接メッセージくださってもぜんぜんOKです。ゆるいやつなんで。


昨年のようす。みんなでかんぱ~い!

どなた様も、この機会にお会い出来たらうれしいです。


テレビ出演のほうは、最新情報以下の通りになってます。

3月20日(火)11:05~
NHK総合(首都圏)『ひるまえほっと』
後半の「てくてく散歩」コーナー 
(雑司ヶ谷鬼子母神、護国寺、目白不動尊)
※国会中継などで放送日が急に変更になる場合もあります



「上野大仏」も寛永寺のもの


仏像拝観に予備知識いる?いらない?

2018年 3月 12日

この数週間の間の仏像仕事で、ひとつ驚いたことがありました。

そんな時にインフルB型を発症。今も自宅療養中ですが、自宅PCで執筆仕事はできちゃうという、素敵な世の中でございます。

この時期は、春の行楽シーズン直前で、初心者むけ講演やツアーガイドを依頼されることが多く、全部新ネタ初出しですから、事前の仕込みが本当に大変。ほかの仕事にブッツや小唄の演奏出演も重なって疲れ切った身体に、インフルさんがひょっこり入り込んできちゃいました。

初心者向けに1から話をまとめるのって、意外とむずかしく、わりと労力使うんですよね。

それで、おどろいたことというのは、こうした初心者講座でお会いした多くのお客様の反応です。

多くの方が、あれだけ盛り上がった「仁和寺と御室派展」に行ってないとおっしゃるのです。思わず「えっ、なんで行ってないの行かなきゃ!」と言ったらみんなキョトンとした顔。


報道内覧会にて撮影。仏像ファンなら当然行くと思ったら……

あとでよく聞いてみると、
「なんとなーく仏像には興味はある、でもよく知らないから尻込みして……」
という、初心者ならではの心理状態なのだそう。

予備知識なしで見た仏像の感動ほど、一番深いものは無いはずなんですが……
(僕だってそんな無垢な頃に戻りたい)

しかし世の中、そういう知的冒険を好まない人たちもいらっしゃるのは確かであり、それをお助けするのが僕のような零細泡沫系仏像タレントの役目だろうと改めて感じました。

こういう方々に、実際に博物館や旅に行こうと思ってもらうことは、簡単にはいきませんね。
僕もなんだかんだで10年以上この仕事をしてきて(よく続いた)、効くツボみたいなものを会得しつつあるつもりではありますが。

その詳細はナイショですが、なにしろ参加者の目線でお話するのが一番ですね。

できれば尻込みする方々をまとめて博物館にお連れし、仏像を前にしてご説明できれば一番なんですが、展示室内で団体向けに解説するのはNGなんです。もちろん仲間内でしゃべるくらいはOK。
だから一番良いのは、僕を個人的に貸し切ってもらって、現場でずっと横について小声で解説すればいいんですがね、ご用命いただけたらやりますんでね。


ところで、前回お知らせしたNHK生出演(秘仏撮影)は3/19(月)の放送になりました。
この放送延期の連絡をもらった直後に自分のインフルが発覚。いや~よかった。もし予定変更がなければNHKは大変なことになってたかも(?)

これも鬼子母神さんでご祈祷してもらったからでしょうか。
ふだんあまり信心深くない私も、さすがに手を合わせましたよ。

というわけでテレビ出演、以下の通りになってます。

3月19日(月)11:05~
NHK総合(首都圏)『ひるまえほっと』
後半の「てくてく散歩」コーナー 
(雑司ヶ谷鬼子母神、護国寺、目白不動尊)
※国会中継などで放送日が急に変更になる場合もあります


(おしらせ)
”仏像バンド”宮澤やすみ and The Buttz と行くシリーズ
【4/8 江戸の鬼門・上野の歴史ミステリーさんぽ+ミニライブ花祭りパーティ】
http://yasumimiyazawa.com/buttz/flowerparty.html

ご予約は、上記リンクの申込フォーム、または宮澤やすみのSNSから直接メッセージくださってもぜんぜんOKです。バンド主催のゆるいイベントです。


すっかり人気者の「上野大仏」。ブッツイベントでも


テレビで秘仏撮影してきました

2018年 3月 5日

ひさしぶりのテレビの仕事。仏像ロケやってきました。
都内の某地域、池袋に近い墓地のそばで、散歩番組で定番のお寺(神社と思っている人も多いらしいけど、お寺)です。

このお寺、ご本尊のテレビ撮影はまずNGなんです。今回もまずダメだろうと思っていたのですが、なんと特別に許可をいただき、撮影敢行!

撮影ご協力誠にありがとうございます!


内陣奥の暗がりで、まずしっかり祈祷法要を受けまして、いよいよ照明を当ててご本尊撮影。
そこでコメント撮りもしましたが、なんか法要のリズムが心地よすぎて、フワフワした状態でうまくしゃべれませんでした。

祈祷を申し込めば内陣でご開扉に立ち会えますが、なにせご本尊は暗い中で離れた位置にあり、しかも小さいので肉眼でははっきり見えません。
テレビでどれくらい映ったのか、私もオンエアが楽しみです。

ご本尊・鬼子母神は、もともと人の子を食う鬼神だったのが、いろいろあって善神に。
仏教世界では、子供の守り神として信仰されてます。
(もう某地域のこと言っちゃってますねスミマセン)

ほかにも、近隣の名刹・護国寺、そして目白不動尊も訪れました。いずれもご本尊とご対面。

お昼前の情報番組「ひるまえほっと」で、後半のさんぽコーナーです。
首都圏のみの放送ですが、よかったらチェックしてくださいませ。


3月8日(木)11:05~
NHK総合(首都圏)『ひるまえほっと』
後半の「てくてく散歩」コーナー
※国会中継などで放送日が急に変更になる場合もあります


ラスボスは微細な秘仏-「仁和寺展」レポート

2018年 2月 24日

東博「仁和寺と御室派のみほとけ」展もそろそろ終盤。
第2会場の仏像ばかりでなく第1会場も興味深い展示がたくさんです。

後期展示でお出ましになったのは、こちらの秘仏・国宝《薬師如来坐像》(仁和寺蔵)。
写真ではわかりづらいけど、台座を含む高さが22センチほど。
小さな像なのに、その緻密な彫刻に目を見張ります! 正直申しまして、(私を含めて)老眼が来ている中高年には非常につらいサイズ(笑)でもがんばって凝視するとすごいです。


白檀でできた小像

一般的に、薬師如来をお寺で拝観すると、薬師さんを中心に、優美な日光&月光菩薩が脇に立ち、武装して威勢のよい十二神将がずらりと並ぶ光景がよく見られます。

それが、この小さな像では、背後に日光・月光菩薩立像、台座の4面に十二神将像が並んでいます。しかも光背には、七仏薬師(薬師如来の分身)まで。
薬師系列グループの全員が集結した、パーフェクトなラインナップが、22センチの一体に集結。

このミラクルな極小彫刻技術! 驚嘆に値しますね。


弓などの武器がちゃんと立体的に彫られている!

今しか見られない非公開仏像ですから、お見逃し無きよう。

第1会場では、このほか仏画や書も非常に貴重で見ごたえがあり、仁和寺と真言宗の歴史を感じることができます。


国宝「三十帖冊子」も展示の目玉!

ちなみに、薬師如来、とくに七仏薬師は天台宗で重用される信仰形態なのですが、なぜか真言宗の仁和寺で重要な仏像として安置されてます。
これは、図録収録の論文によると、創建当初は天台宗の寺院として建立したのだそうです。その後すぐ真言宗に宗旨替えしますが、昔は宗派の区別があいまいだし、いろいろ政治的な理由とか大人の事情があったみたい。
日本の宗教史に興味あるという方は、図録をどうぞ。


仏像をきっかけに、日本の歴史や信仰心がわかる。
人間のやることだから、良い面もダークな面もあって、日本人の心のルーツが見えてきて、ぼくら自身の生き方の指針にもなる。
今回の展示は、仏像から日本の”ふしぎ”が見えてくる、本当によい展示だと思いました。

自分の仕事の領域と重なる部分が多い内容なので、全力で紹介させていただきました。

そんな私の仏像仕事ですが、ひさしぶりにNHK「ひるまえほっと」に出る予定で準備中です。
来週更新の記事で、ご案内できると思うけど、たぶん3月8日(木)です!(言っちゃってる)
こちらも秘仏が!まさかの撮影成功!
首都圏のみの放送ですが、よかったらチェックしてくださいませ。


特別展「仁和寺と御室派のみほとけ-天平と真言密教の名宝-」
東京国立博物館 平成館にて
2018年1月16日(火)~3月11日(日)
(展示替えあり)
公式HP http://ninnaji2018.com



(告知)
宮澤やすみ同行「仁和寺展」夜間貸切鑑賞!
「仁和寺と御室派」展+東京大神宮特別昇殿参拝と神楽坂ぶらさんぽ


葛井寺の千手観音、東京に光臨-「仁和寺展」レポート

2018年 2月 17日

ついに葛井寺(ふじいでら)の秘仏本尊・国宝千手観音菩薩坐像が、トーハクの「仁和寺展」にお出まし!
360度ぐるりと動画撮影(記事末尾にあり)!

記者発表から8か月間、この日を心待ちにしてきました。
たとえ仏像を知らない人でも、これは驚くだろう。反応が楽しみでした。
果たして、報道内覧会では、展示室に「おぉ~~」という低いどよめきが響きました。


日本最古にして1041の腕をもつ葛井寺像

やっぱり、思わず声が出ちゃいますよね!

千手観音のなかで、本当に千本以上の腕をもつ例は本像しか確認されていません。
だいたいは省略して42本くらいに収めます。
しかし、千手観音信仰が伝わったばかりの奈良時代は、本当に律義に千本の腕を作りました。
その代表格が、この葛井寺像!
1041本の腕があります。

よーく見ると、一本一本の手のひらに、眼が描かれています。
だから眼も1041+正面の2眼で1043眼! もうこっちの目が回りそう。

千手観音は、観音菩薩が無数の人々を全員必ず救う、という意思から千の腕を授かったそうです。観音菩薩は、十一面観音などの変化形がいくつもありますが、その最終最強形態といった感じ。
眼も千あるから、助けを求める人々を見逃さないわけですね。


裏側まで見られる機会はもう無いかと

造型の特徴は、脱活乾漆(だっかつかんしつ)という、漆を多用する当時流行の技法で造られていて、微妙な表情造りが可能。※脇手は木心乾漆
厳しさと優しさが合いまった絶妙な表情、これぞまさしく天平の表情でございます。
奈良の東大寺法華堂に伝わる像との共通性がみられ、同じ工房が関わったといわれます。

葛井寺では、毎月18日にご開帳。とくに4月は境内に市も出てにぎわいます。
歴史の深さと造形の完璧さで、日本の仏像の白眉であるんですが、たんなる彫刻ではありません。
地元では日々の素朴な信仰の対象になっていて、1300年の間ずっと現役で拝まれているのがすごいんですね。

ところで、この葛井寺千手観音が歌詞に出てくるのが、私の「ご開帳ブルース」なんですけど、今回ご住職にお目にかかったら、歌をご存知でびっくりしました!

「ご開帳ブルース、なんやあの、ビルの屋上で歌ってる・・・」
「そうです!あれボクなんです」

ご覧いただいてありがとうございます!
まだ見ていない方はこちら↓をどうぞ

「ご開帳ブルース」宮澤やすみ and The Buttz

 
というわけで、特別に撮影した、360度ビューの動画を貼っておきます。
またとない機会、実ブツをぜひ!





ほかにも、仁和寺の通常非公開の秘仏、国宝薬師如来坐像(小さくて微細な装飾がすごい)が公開中です。


特別展「仁和寺と御室派のみほとけ-天平と真言密教の名宝-」
東京国立博物館 平成館にて
2018年1月16日(火)~3月11日(日)
(展示替えあり)
公式HP http://ninnaji2018.com



(告知)
宮澤やすみ同行「仁和寺展」夜間貸切鑑賞!
「仁和寺と御室派」展+東京大神宮特別昇殿参拝と神楽坂ぶらさんぽ


「はくたく」-うどんの元祖は奈良にあり?

2018年 2月 10日

しばらく重たい記事(?)が続いたので、今回は軽めの記事で、おうどんのお話。

日本でのうどんの起源は諸説ありまして、おおむね空海などの留学僧が遣唐使船で持ち帰ったのが起源と言われます。

で、こちらの写真ですけど、奈良の春日大社の2016年式年造替記念でいただいたもので、「餺飥(はくたく)」といいます。

巫女の装束をイメージしたパッケージ


このパッケージの説明によると、989年、藤原実資の『小右記』に、天皇の春日詣での際に餺飥を食べたという記録があるそうです。

名古屋のきしめんよりさらに太い、平打ちの麺。
ゆでるとぷるんぷるんした感触になりました。

材料を見たら、山芋の粉や葛のデンプンも入っている。だからぷるぷる食感なんですね。

同封のあご出汁パックでおつゆを作って、お昼に食べました。

自宅だと生活感まる出しで、朝廷に仕える貴族のようにはいかないけれど(笑)
飲みすぎた翌日のお昼にちょうどいい感じの、やさし~いお味でした。

だいぶ幅広の麺でした


小麦を練って作る、いわゆる麺は中国・唐から渡ってきて、福岡うどん、さぬきうどんなどになりますが、奈良では三輪そうめんが有名。そうめんの元祖は索餅(さくべい)といって七夕の節句に食べたそう。
この餺飥も、三輪の業者さんが作ってるので、ふだんはそうめん作りをしているのでしょうかね。
初めての餺飥でしたが、コレなかなかおいしいですね。また機会があったら食べたいと思います!


(参考)
奈良の食文化研究会HP
”うどんのルーツ「はくたく」を再現”
http://nara-shokubunka.jp/new_yamato/045.html


秘仏を間近で!「仁和寺と御室派展」

2018年 1月 27日

前回につづき「仁和寺と御室派のみほとけ」展のレポート。

ふだん見られない秘仏がいくつも展示されるのも今回の見どころです。


逢いたかった秘仏が眼前に!

1年に一度とか、中には33年に一度とか、なかなか拝観のチャンスがない秘仏。

しかも、ご開帳しても近づけずよく見えないとか、山深い寺でそもそもたどり着くのが大変とか、秘仏を拝むのもなかなか大変なんです。

それが、こうして目の前でまじまじと拝観できてしまうとは。
よくまあホント許可とれたもんです。これも御室派総本山・仁和寺のお力なのではないかと。ありがとうございます。

さて、数多い展示のなかで、「これは!」と来る2仏をご紹介。


まずは、兵庫県神呪寺(かんのうじ)の如意輪観音菩薩!

俗に「日本三大如意輪観音」というのがありまして、奈良の室生寺、大阪の観心寺、そして神呪寺の御三方です。

神呪寺さんは交通の便もあって行く機会がなく、私も今回はじめての対面です。


六本腕はあくまでリラックス

トロンとした目つきもよく見えます。
まどろんだ表情は展示室で!

脚の組み方が独特です。本来は両足の裏を合わせて座る「輪王坐」という座り方なのですが、


如意輪観音の例:イスム仏像より

神呪寺の如意輪さんは、右脚をだいぶムリして(?)組んでいます。
輪王坐から、足をくずしてあぐらに戻す瞬間をとらえた、ようなポーズ。

妄想ですけど、
最初はきっちり輪王坐をしていた如意輪さん、人がいなくなったのを機に
「あ~、よっこいしょ」「今日の仕事おわり~」
と、足をくずした・・・。
その瞬間をまさに見られちゃった、みたいな感じに思えます(笑)
あくまでも、個人の妄想ですのでね・・・スルーしてください。
良い仏像は、妄想も広がるものでございます。

如意輪観音は、功徳を与える玉「宝珠」と、教えを広める「輪宝」をもちます。そこから如意輪というワードがつきました。


ハンドスピナー的な輪宝の持ち方に余裕を感じる

古くは二臂(腕が二本)のシンプルな姿でしたが、空海が唐からマンダラを持ち帰ると、そこに描かれていた如意輪観音が上の写真のような姿だったので、以降は六臂(6本腕)に輪王坐の姿で造られるようになりました。


もう一体は、福井県中山寺の馬頭観音!
お寺では33年に一度の開帳(途中で中開帳もある)とされる秘仏!
実際、お寺で拝観すると、堂内奥の高い位置の厨子に収まっていて、ディテールは見えないんですね。
それが、ここではこんなに近くに!


三面六臂の馬頭観音。脇面も怒りの表情

精悍な顔立ちから、運慶の次くらいの世代の慶派仏師の作と言われます。慶派ファン必見ですね。

福井県の西端に位置する中山寺は、若狭の聖地・青葉山にありまして、ここはなぜだか馬頭観音を本尊とするお寺が集中しています。

しかし、おなじ観音ですが、如意輪はホンワカ、馬頭はオラオラ系、だいぶキャラがちがいますね。
観音菩薩は、慈悲の菩薩とされますが、時と場合によって、いろんな姿に変化するとされます。千手観音や十一面観音が有名。

歴史を追ってみると、人気の高まりとともに、いろんな観音のお経ができて、いわばヴァージョンアップ版の観音がどんどん作られたということみたいです。

ガンダムに例えると、最初はガンダムといえばファーストガンダム(そもそもファーストなんて付けなかった)しかなかったのが、別の物語ができるとZがついたりSEEDがついたりと、姿かたちが変わって、それでもガンダムであることは不変だという、あの感じに似ています。

観音さんも、ふつうの観音さんを千手や馬頭などの変化形と区別するために「聖観音」といいますもんね。
まさにガンダムを「ファーストガンダム」と言うのと同じです。


そんな仁和寺と御室派展(ガンダムは関係ない)、上記の神呪寺も中山寺も、真言宗御室派の寺院です。
仁和寺を本山とした御室派のお寺さんの大盤振る舞いに感謝しつつ展示を楽しみましょう。



特別展「仁和寺と御室派のみほとけ-天平と真言密教の名宝-」
東京国立博物館 平成館にて
2018年1月16日(火)~3月11日(日)
(展示替えあり)
公式HP http://ninnaji2018.com