宮澤やすみの仏像ブツブツ



庚申信仰は江戸のハロウィン?

2017年 3月 11日

先週に続き、わけのわからないタイトルかと思いますが、最近仕事で庚申塔(こうしんとう)の話題を追っていて頭の中これでいっぱいなもので。

各地のお寺や神社、ご町内のすみっこに残る庚申塔。これは江戸時代~明治くらいに流行った「庚申待ち」をするご町内の仲間(庚申講という)が建てたものです。写真は記事下に載せました。

庚申待ちとは、中国・道教由来の庚申信仰に基づいて、60日に一度の庚申(こうしん=かのえさる)の日の夜を寝ずに明かす行事、というのがタテマエです。

庚申信仰をざっと説明すると、まず、お腹の中にいるとされる三匹の虫(姿はヘンな妖怪的なやつ)が天に昇り・・・

ぼくが以前TV番組用に描いたイラストです

天帝というエライ神に人の行いを報告するんだそうで。

天帝の姿はテキトーです・・・

だから庚申の夜は虫が天に昇るのを防ぐため徹夜するというもの。

これが庚申信仰のあらましですが、調べてみると、ようするに夜明かしでパーティするためにもっともらしい理由付けをしていた、というのが実情のようです。
『枕草紙』にも「庚申待ち」行事の記述がありますが、夜はみんなで和歌を詠んで、「貴族のオールナイトパーティ、まったり楽しんじゃった♪」みたいな他愛ない日記です。

ただ夜遊びするだけより、海外(中国)からの思想が背景にあって、とかもっともらしい理由付けがあると、おおっぴらに夜遊びできるというもの。海外文化に弱い日本人らしい理屈だと思います。

江戸時代になると、庶民にもこの風習が広まって、いつまにか「青面金剛(しょうめんこんごう)」という忿怒相の仏像をご本尊として祀り、疫病退散や豊穣を祈る民間信仰と習合していくのですが、まあそれも形だけで、結局は宴会していたみたい。


完全にご本尊そっちのけです(笑)

これって、よく考えたら今も同じで、ハロウィンなんかは、西洋ケルト文化の風習や収穫祭の伝統が言われますが、その実際は、たんに夜通しバカ騒ぎするための口実であります。

クリスマスだってマジメにミサに行く人はごく限られてますし。

今も昔も、庶民にとって、宗教行事というのはそんなもんですよね。

仏教にも4月8日の「花祭り」がありますから、庶民のぼくらはこれを口実にして、パーティする日にしてしまえばよいと思うのです。

というわけで、ぼくのバンドThe Buttzでは4月8日にちょっとしたイベントをやろうと思っています(すみません最後告知になっちゃいました)。場所は都内・浅草と決定しています。

宮澤やすみ公式サイトやFacebook、Twitterでお知らせしますので、今後情報チェックをお願いいたします!



東京・広尾に残る江戸時代の庚申塔


宮澤プロデュース「仏像フレンチ」

2017年 3月 4日

わけのわからないタイトルかと思いますが、ときどきやっている企画が「仏像フレンチ」。

仏像をイメージしたオリジナル料理を提供していただく企画です。

わたくし宮澤やすみが、お店のシェフにお題を提示。それに基づきシェフの自由な発想で料理を作っていただきます。

自分がワインやフレンチが好きというのと、フランスって、「仏蘭西」と書きますから、”仏つながり”でやってもらおうというのが発端でして、ユーモアをわかってくれる大人のための企画ですね。
ユーモアとおいしさを楽しもうというわけです。

先日やったのは、東京・神楽坂での仏像フレンチ。


サーモンのミ・キュイ 海の幸入り金柑を添えて
神楽坂「ア・ポワン」さんでの、薬師如来をイメージした一品。金柑が薬壺ですね。中にはイクラがぎっしり。海の幸の滋養で元気になります。

過去の傑作をいくつか挙げますと、

毛ガニと秋野菜のエクラン サーモンのモザイク仕立て
東京・自由が丘「ラ・ビュット・ボワゼ」さんでの、阿弥陀如来(九品仏)をイメージした一品。右奥の盛り付けが阿弥陀印(OKみたいな手のポーズ)をイメージ。中央の白い泡は、如来の髪型をイメージしたソース!パンチパーマみたいな螺髪に見えますか?

仏像の本場、奈良からは2品。これは笑った!

冷製グリーンピースのスープ 玉眼コロッケ添え
奈良「クイーンアリス」さんでの、運慶仏をイメージした一品。「玉眼コロッケ」には笑いました!


牛フィレ肉の網焼き 十一面観音風
同じく奈良「クイーンアリス」さんのメイン、牛を中心に、付け合わせを十一面観音の小面に見立てたという、ナイスアイディア!さすが奈良のシェフは仏像も分かってらっしゃいます。
ディナーだったのでワインも心置きなく飲めて、仏像談義に花が咲きました。

最後にデザートの傑作

東京・神楽坂「ビストロ・ド・バーブ」さんの、大日如来をイメージした一品。見てのとおりまさに太陽神!という見た目ですね。


このほかにも、今までにいろんなお店の方が、趣向をこらして作ってくださいました。
これからも、ときどきやりたいと思います。企画実行してくださる方、ご連絡ください!

お腹が空いてきたので、今週はこのへんで!


法隆寺の釈迦三尊像が触れるって?

2017年 2月 25日

いま、東京藝術大学と富山県高岡市、南砺市のコラボで、法隆寺金堂の釈迦三尊像を再現するプロジェクトが動いています。

この3月に公開予定で、それに先駆け記者会見があり、取材してきました。

芸大の3D技術でスキャンし、高岡市の鋳物と南砺市の木彫職人が完全再現。
仏像、台座とも公開に向けて古色仕上げの作業中でした。


藝大の学生さんが仕上げを担当

今回強調されていたのは、文化財の「クローン」ということ。

似せて作った「レプリカ」ではなく、精巧にスキャンして、現物とまったく同じ造形で造り上げる。だから「クローン」。
そうすると、現物は外に持ち出したり、まして手で触れるなんて厳禁なのが、クローンなら自由に持ち出せて触ることも可能、未来にむけて古式の文化財のよさを継承できる、というのです。


脇侍の菩薩像も完成間近

神社の世界では、伊勢神宮の式年遷宮のように、まったく同じものを繰り返し作ることで技術や文化の継承を行ってます。それを仏像の世界でもやってみた格好ですね。
この先の文化の伝承を考えたとき、これはこれで良い事なんじゃないでしょうか。


飛鳥仏、古代の微笑

法隆寺金堂の本物は、あまりにも貴重で神聖ですから、とても近づけないです。本物は本物でお堂に鎮座してもらって、クローンさんは、外に出て大いにファンサービス(笑)をしていただきたいです。

じつは、僕の仏像人生の原点こそ、まさにこの仏像なんです。

小学生の時、金堂の奥の暗がりに鎮座するようすを見て、「秘密基地にいるマジンガーZみたい!」と大興奮したのが、すべての始まりでした。

私にとって思い入れのある仏像。クローンとはいえ、それに手を触れることができるんですよ。なんだかんだ言ってやっぱり興奮します!

触ると金属ながら柔らかい印象で、指で軽く弾くと「ボーーンォンォンォン…」と梵鐘のような音。やっぱり金堂仏も良い音するんです!ちょっとした発見ですね。
見るだけでなく、触感や音でも感じることができるなんて、これまでにない仏像体験。クローン文化財は、今後の美術界で大事なキーワードになっていくんじゃないでしょうか。


銅の厚みも本物と同じ


本物はこんなアップで撮れません(そもそも撮影禁止)

3/10から高岡市「ウイング・ウイング高岡」4階ホールで公開。現地でも触れる展示にするそうです。
金堂壁画のクローンも使い内陣を再現するそうです。


公開日には古色や錆など完璧に再現


春日大社と仏像

2017年 2月 18日

東博の「春日大社展」行ってきました。
(今回は内覧会の日が都合つかず、写真を撮れませんでしたが、画像はネットにいろいろ出てます)


東京国立博物館・平成館で開催中!


展示内容は多岐にわたりますが、仏像ファン目線でいうと、神仏習合の展示が面白いです。

奈良、平安時代から、神と仏は一体とされました(神仏習合)。
本来、神の姿は目に見えないとされましたが、やっぱり「この目で見たい!」と思うのが人情。
だから、神の姿も仏像みたいに彫像や画像で表すようになります。これが「本地垂迹(ほんぢすいじゃく)」。
「垂迹」というのは、変身した姿という意味。よく「●●権現」とかいうやつが垂迹身に相当します。
「本地」とは本体という意味で、ここでは仏像の姿で表現されます(このへんのややこしい話はWikipediaとかに出てるから)。

春日大社にも、ご祭神に対応した本地仏が設定されていて、梵字や像で表されました。

だから、神社がテーマの展示でも仏像がいるんですね。

というわけで、今回の展示で、ぼく自身がグッときた仏像ベスト3は…、

1.
十一面観音立像
円成寺の旧本尊。平安中期のウネウネした衣文がたまらない!
http://www.enjyouji.jp/treasure/index.html
(円成寺サイト)

2.
善円作:十一面観音菩薩立像
愛らしくもキリリとした顔立ちに、艶めかしいプロポーション!
(奈良国立博物館サイト)
http://www.narahaku.go.jp/collection/803-0.html

3.
康円作:文殊菩薩騎獅像および侍者立像
童子形ながら神々しく厳しいお顔。獅子に乗っておでかけスタイル!
(東京国立博物館サイト)
http://www.tnm.jp/modules/r_collection/index.php?controller=dtl&colid=C1854&t=type_s&id=8


です!(ほかにも地蔵菩薩などいました)

これらの仏像は、どれも神社の信仰(春日信仰)からできているわけです。
教科書どおりの神道、仏教ではわからない世界観ですね。
やはり、古い日本のようすを知るには、神社も寺も同時に見ていかないと。


春日大社は、奈良の平城京を見守る御蓋山(みかさやま)、春日山の信仰が原点ですが、そこに茨城・鹿島神宮の神が降り立ったとされ、社殿が建てられ、千葉・香取神宮の神など合わせて四柱(神を数える数詞は「柱」といいます)の神を祭ります。


それぞれの神と本地の対応は、

神名本地仏
第一神武甕槌(タケミカヅチ)命不空羂索(ふくうけんさく)観音
もしくは釈迦如来
第二神経津主(フツヌシ)命薬師如来
第三神天児屋根(アメノコヤネ)命地蔵菩薩
第四神比売(ヒメ)神十一面観音

そして、比売神の息子とされる若宮の神の本地を文殊菩薩として表現されます。

こうしたややこしい(?)話は、ぜひ博物館で確認してみてください。
説明パネルでわかりやすく解説されています。
それを見たうえで春日曼荼羅や仏像を見ると、感じ方もちがうと思います。


【特別展 春日大社 千年の至宝】
2017年3月12日まで
http://kasuga2017.jp/


午の日と千手観音

2017年 2月 11日
立春を過ぎたとはいえ、この時期都内は雪模様で寒いです。

そんなときに秘仏開帳されるのが、上野・寛永寺の清水観音堂。
上野公園の中にある赤いお堂で、戦火も震災も耐えて創建当初のまま残っている重要文化財です。

ここは、京都の清水寺を模して仏像を配置してますから、ご本尊は千手観音。毘沙門天と勝軍地蔵(地蔵なのに甲冑着て武器をもってる)がかっこいいです。
毎年、2月の初午(はつうま)の日に特別法要とともに開扉されます。


宮澤やすみ著『東京仏像さんぽ』(明治書院)より)

以前から、「なぜウマの日?」と思ってたんですが、調べたところどうやらご本尊にゆかりある武将の物語が関係しているようで。

時は平安末期、源平合戦の壇ノ浦の戦いに敗れた平氏一門。そのうちの平盛久(もりひさ)は捕えられ鎌倉へ護送。
由比ガ浜で首を斬られるはずが、刀が突然3つに折れてしまい、処刑できなくなるという奇跡が起こったそうです。
で、源頼朝が調べさせると、その因縁は清水寺にあったそうで。

合戦後、平盛久は京の都に潜伏。もともと清水寺に深く帰依していたので、清水寺金堂内陣の本尊の脇に自分の護持仏を安置。それから毎日清水寺に詣でていました。
そのおかげで身元がバレて捕まるんですが、そのかわり(?)処刑の日は観音の加護で奇跡が起きたのでした。(ちょうどその日、清水寺に安置した護持仏の手が折れたんだそうで)

頼朝がその話を聞き盛久を助命。旧所領を返還することにして馬を与えたそうです。

というのが、「平家物語」や謡曲でのおはなしなんですけど、この時代の高位の武家は深く仏教に帰依して仏像造ったり写経したりしていたそうですから、頼朝さんも盛久さんのような人の気持ちが理解できたんでしょうね。

で、「ウマの日」の話なんですが、この平盛久さん、通称を「主馬(しゅめ)八郎」といったそうで、主馬とは馬の管理役のこと。
そして、この主馬八郎が清水寺の本尊脇に安置したという仏像が、上野・清水観音堂のご本尊なんだそうです。
馬にゆかりのある平盛久の護持仏が清水観音堂の本尊。これでやっと馬とのつながりが、うっすらと見えてきましたね。

初午の日というと、一般的には伏見稲荷の縁日で、稲荷神社にお稲荷さんや団子をお供えします。
だから、清水観音堂と午の日の関係が見えなかったんですが、こうした平盛久の縁もあるのかもしれませんね。

ただ、干支と仏像の縁は、陰陽五行説にもとづいてかなり複雑な関係があるので、もしかしたらほかに深い理由があるのかも。もしほかに何かわかったらまたご報告します。

今年2017年の初午は、2月12日(日)。
特別開扉といっても、ご本尊の姿がはっきり見えるわけではないのですが(仏像ファンには残念)、でも特別な日にお参りしてみてはいかがでしょうか。


宮澤やすみ著『東京仏像さんぽ』(明治書院)より)

ケルン大聖堂 vs 東大寺

2017年 2月 4日

ヨーロッパツアーから帰国しました。
寺社好きの人に”ツアー”と言うと”観光バスツアー”かなにかと間違われがちですが(笑)、お仕事でございます。
仲間と一緒に、各都市での演奏旅行、それも無声映画(活動写真)を活動弁士と生演奏つきで上演するという演目でした。

さて、今日も旅の余韻にひたりながら教会話です。

ドイツ・ケルンにも滞在しましたが、ここには途方もなく大きい大聖堂があります。



ヨーロッパを代表する巨大な聖堂


ゴシック様式の建築物では世界最大。高さ150mを超えるふたつの塔。下から見上げてもよくわかりません。
外壁は細かい彫刻でびっしりと埋められいて、過剰ともいえる荘厳に圧倒されます。

教会の原形は4世紀というから非常に古いのですが、建築はまったく異なります。
現在の建物が作られたのは、1248年からのこと。日本風にいえば、鎌倉時代の建築といえます。

しかし、16世紀にいったん中断。完成は1880年というから、完成までじつに632年もかかってるのです。


ステンドグラスを透かしたピンク色の光がきれい。内陣には”ご本尊”がわりの聖遺物を安置

日本の寺社と比較しようとしても、こっちは木造だからすぐ火災に遭ってしまうし、考えられない時間の幅ですね。

しかし、比較できないこともない。よくよく考えれば、日本には東大寺があります。
東大寺創建時の仏塔は、高さ70mとも100mとも言われています。
最初の塔は、奈良時代の764年頃。
鎌倉期の再建(1227頃完成)では、さらに一回り大きく作られたというから途方もない木造建築です。

そう考えると、ケルン大聖堂より約1000年も前に、木造でこれだけの規模の建築を完成させたのだから、日本の宗教建築も大変なものです。

惜しむらくは、木造は燃えてしまうのが残念。鎌倉再建の塔も、完成から130年くらい後に落雷で焼失しています。
その点、石造りは後世に残るからいいですね。

最後に、ケルン大聖堂前で撮った動画を付けます。動画のほうが大きさが感じられると思います。


追伸:
ヨーロッパツアーは、無声映画(活動写真)を、弁士の語りと楽団の生演奏で上演したものです。
活動写真弁士・片岡一郎、ピアノ・上屋安由実、太鼓・田中まさよし、そして私の四人編成。帰国後は日本でも!


マリア像も仏像も

2017年 1月 28日


今週も音楽の仕事でヨーロッパ遠征中です。ドイツ各都市とベルギー、オランダを転戦。

仲間と共に三味線と歌で、各地で大好評いただきました!

さて、こちらはドイツ、フランクフルトの教会で見つけたマリアさん。


市内中心部の皇帝大聖堂(ドーム)にて

写真でどこまでつたわるか…
「だいじょうぶよ♪」と、
優しく言われているような……まさに慈悲の顔ですね。
ヨーロッパ各地での仕事にくたびれた私も、癒されます。

この姿、誰かに似ているなと思ったら、奈良、秋篠寺の伎芸天ですね。
写真は検索すれば出ると思います。

写真の伎芸天は、ちょっと太めに見えますが、実際にお寺で拝観するともっとスレンダーで若々しい印象です。

そして、上からこちらを見下ろして「だいじょうぶよ♪」と微笑むあのお顔!
あの感覚を、フランクフルトのマリアさんにも感じました。
宗教や国を越えて、みんな癒されたいってことは同じですね(笑)

古い教会は建築もいいし、マリア像も見ごたえありました。


荘厳な祭壇、お寺好きの人もワクワクしますよね

追伸:
ヨーロッパツアーは、無声映画(活動写真)を、弁士の語りと楽団の生演奏で上演するものです。
活動写真弁士・片岡一郎、ピアノ・上屋安由実、太鼓・田中まさよし、そして私の四人編成。帰国後は日本でも!


ドイツの教会

2017年 1月 21日

ただいま音楽の仕事でヨーロッパ遠征しています。
せっかくなので、このブログでも現地のようすを少し。

ヨーロッパツアー最初の滞在地はドイツ・ボン。
町の中心部にある、ミュンスター寺院(教会)はドイツのなかでもかなり古い教会です。


ロマネスク様式という古い建築スタイルが特徴

 

キリスト教では、偶像崇拝を禁じるのが建前ですから、仏像のような「ご本尊」はありません。

しかし、内陣奥は美しいモザイク画があります。


そして、堂内後方には、幼いキリストを抱いた聖母子の祭壇画が。

もともとは偶像NGのはずが、長い間のうちにやっぱり何かしら画像が欲しくなってしまう。
仏像ができる経緯と似ていますね。

現在の建物は11~13世紀に建てられたもの。
多くは修復されていますが、中庭の回廊部分は創建時のものだそうです。

中世そのままの雰囲気がたまりません

仏像もいいけど、古い教会もいいですね。

旅はまだまだ続きます!

 


室生寺の十一面さん

2017年 1月 14日

こんどTBSの特別番組に、女優の相武紗季さんと一緒に出させていただきます。

 2017年1月28日(土)ごご4:00から
 「君とボクの聖地巡礼
  神秘の奈良 国宝美仏めぐり」
 番組サイト:
 http://www.tbs.co.jp/shinpi-nara/


相武紗季さんの奈良の旅をサポートする役、いや、だいぶ邪魔する役かもしれない(笑)。
ともかく、相武さんとのロケ収録は本当に楽しいひとときでした。


室生寺内陣にて相武さんと ※許可を得て撮影


僕は長谷寺と室生寺の仏像をご案内。

なかでも室生寺では、普段入れない金堂の内陣裏まで入れていただきました。
そして、アレを見てしまったのです。

アレとは、室生寺の国宝・十一面観音菩薩の「暴悪大笑面」。

十一面観音は、頭上に小さい頭部が並びますが、真後ろ側にある面は、正面のやさしい顔とちがい、ちょっと奇怪な笑みをうかべています。これが「暴悪大笑面」(暴悪大笑相ともいう)。

相武さんと僕だけが見ることができた室生寺十一面さんの暴悪大笑面、オンエアで放送されると思います。

長谷寺でも貴重な収録させていただきました。

僕としては、今回の出演では、先生役ではなく「仏像バンド”The Buttz”の宮澤やすみ」という立場で扱っていただけたことがうれしい。
だから、ステージ衣装に三味線を持っての出演でした(寒かったw)。

このほか、相武さんは室生寺の奥のパワースポットとして知られる龍穴神社と神秘的な龍穴、室生寺像より古い天平の国宝美仏十一面さんがいる聖林寺、そして大神神社も訪れます。

どんなステキな旅になるか、ぜひ放送ご覧ください!

(残念ながら首都圏ローカル番組です)


仏像の原点・法華堂

2017年 1月 7日

明けましておめでとうございます!
年明けですし、原点に帰るという意味で、今一度東大寺へ。

前の記事にもあるとおり、東大寺の前身は金光明寺として建立された法華堂(通称:三月堂)で、天平の古仏がずらり。
本尊の不空羂索観音(ふくうけんさくかんのん)は、国家鎮護の祈りが込められています(これがなかなかイワクつきの仏像)。

ここは2009年に修理のため一度拝観停止になったことがありました。当時は伝・日光菩薩、月光菩薩や不動明王なんかも所狭しと安置されていたんです。あの「ずらり感」が壮観でした。

この光景を見るのはもう生涯最後。ということで、拝観停止のぎりぎりの日に観に行きました。
朝に一度みて、「夕方また来ますからね!」と受付のおっちゃんに念を押したものの、かなりギリギリの時間になってしまい、あせって丘を駆け上りました。
ふだん運動不足なくせに、この時ばかりは猛ダッシュの全速力でしたよ。人間やればできる。

ぎりっぎりで間に合って、汗だくでゼーゼーハアハアいいながらお堂の光景を見ると、朝のようすとまったく違う世界が広がっていました。

夕日がお堂の左側の窓からさーっと射しこんで、暗いはずの堂内がきらきら輝いてるんです。

天平の古仏はかなりいかめしい顔つきなんですが、光が当たっていつもとちがう、優しい顔に見えました。

「これで最後」という想いもあり、自然に涙がこぼれたものでした。

動かない仏像だけど、こちらの想いが向こうに乗って、語りかけてくれる”気がする”。それが仏像の魅力。
あらためて「仏像っていいな」と思った瞬間でした。

その時のようすを歌にしました。公式PVが公開されたので、どうぞご覧ください。


仏像バラード「夕焼けの法華堂 ~La La La 仏像めぐり~」



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