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第2部 #彫刻刀屋さんとつながりたい 第14回 道刃物工業さんの研ぎ機「ミニハイスケアー」の使い方~上手に研いで木彫りを楽しもう(2、荒研ぎ編)

こんにちは!一笑仏工房の中の人、あんどぅ☆ななせです( ^ω^ )

・・・前回までのあらすじ・・・
未知の素晴らしい彫刻刀があるなら出会いたい!そして親しくお付き合い出来る彫刻刀屋さんと出会いたい!そんな思いを胸に、横のつながりが薄い彫刻界を横断して情報をゲットしようと右往左往。
多くの素晴らしい彫刻刀に出会い、最後に満を持してといいますか、あんどぅ☆とは因縁浅からぬミニハイスケアーを攻略するべく、彫刻刀メーカーの道刃物工業さんに取材しました!
・・・あらすじ終わり・・・

と言うわけで、今回からはいよいよ道刃物工業さんの研ぎ機、ミニハイスケアーを使った研ぎ方のご紹介です!

念のため…道刃物工業ホームページ
http://www.michihamono.co.jp



■切れる彫刻刀とは!
早速実践…の前に、まずは座学です!
サッカー選手って、よく「そのときゴールのイメージが合って」とか言うじゃないですか!
彫刻刀も研ぐ前に、目指すゴールのイメージを思い描くことが大事なんです!



図1:これが「切れない彫刻刀」だ!



図2:これが「切れる彫刻刀」だ!




つまり!彫刻刀を研ぐということは、図1の「切れない彫刻刀」を図2の「切れる彫刻刀」の形にしてあげるってことです!
簡単かつ超シンプル!
なんですけど、目指すゴールのイメージをしっかり覚えておかないと、がむしゃらに研ぎ機に当てまくって、
「こんなに研いでるのになんで切れないのよーっ!ムキーっ!」ってことになります(;^ω^)


覚えておいてください。
「切れる彫刻刀は、刃表まっすぐ!刃裏まっすぐ!」
これだけです!


■わかったら、刃先を見てみましょう!
で、ですね…本来、最初に彫刻刀に刃をつけるときは裏研ぎをしっかりやらないといけないんですが、今回そこは省略しまして、
「買ったときは切れる状態だった彫刻刀(裏研ぎはしっかりされている)が、使っているうちに切れなくなってしまった」という、よくある設定で行きます!


まず、刃先をよ~く観察してみてください。
刃先の健康状態チェックです!
見た目はほとんど図2の「切れる彫刻刀」と同じ状態、でも切れない…。
そんなときは、目に見えないぐらいの細かい傷が刃先について、ちょっと元気がなくなった状態です。
先っちょを触ってみると、若干ザラつきがあるような?(刃先を触るのは危険なので自己責任でお願いします!でも触るとわかりやすいよ!)
そのぐらいなら、「病気レベル1」。研ぎ機(ミニハイスケアー)にササッと当てれば切れ味が回復します!(研ぎ機の使い方については次回詳しく書きます!)


そうではなく、砥石などに当てて刃先が図1のように丸くなっている、または激しくギザギザになっている状態だったら「病気レベル2」!
どちらか一方が発生しているだけでも切れ味は悪くなります。
刃が丸い状態の刃をいくら研ぎ機に当てたところで、刃が余計に丸くなるだけ!
また、激しく欠けた状態は刃先が鈍角になってしまっているので
荒研ぎして刃表まっすぐ!刃裏まっすぐ!の状態に戻さないといけません!


図3:彫刻刀の病気の進行




■病気レベル2だ!荒研ぎしよう!
で、今回は、刃先の病気がだいぶ進行している~!病気レベル2だ!荒研ぎしなきゃー!ということになったとします。
このとき、研ぎ機に円盤状の荒砥石をつけて研ぐ方法もあるんですが、ミニハイスケアーを使う場合、それはちょっとオススメできません!
円盤の径が小さいので「刃表まっすぐ!」に研ぐのが難しいし、刃が熱を持って傷みやすいんです。

そこで登場するのが、コレ。道刃物さんの荒砥石「ダイヤケアー」!
ちゃっちゃら~




砥石で刃の形を整えるってものすごく難しいイメージがあると思うんですけど、
このダイヤケアーだと刃の角度を一定に保つためのガイドが付いているので、ササッと短時間で荒研ぎ出来るんです!
ま、まぁ、多少の慣れは必要ですけども…
砥石だけで研げるように修行するよりかは、だいぶ楽だと思いますよっ!



ではでは。道刃物工業の鬼海さんにご協力いただき、ダイヤケアーを使った荒研ぎ方法の動画を撮影しましたので、ご覧ください!






この荒研ぎがきちんと出来ると、刃先の丸みやギザギザが取れて、刃表まっすぐ!そして刃裏に少しカエリ(バリ)が出来ている状態になります。
このままだと、まだ刃先が荒砥石の研ぎ跡で傷ついている状態。
ここからしっかり研ぎ機で仕上げ研ぎをすれば、切れるようになる、ハズ!



ボソッともうちょっと踏み込んだ話をすると…
実は切れ味や長切れ度合いには、刃の角度も重要。


うす~い刃だと木に入りやすいから切れ味は良くなるけど、傷つきやすいので長切れしなくなる。
あつ~い刃だと切れ味は悪くなるけど長切れ度は増す、というわけ。
道刃物工業さんの場合、刃の角度は20度にしているそうです!
道刃物さんのハイス鋼だとかなり硬度があるので、20度の薄い刃でも刃こぼれしにくいんでしょうね。
私の場合は大体25~30度ぐらいが長切れして使いやすい気がするんですよね~(計ったわけではないのであくまで感覚)
この辺は、自分の使いやすい刃の形を追求して行くのも面白いですよ!







次はいよいよ研ぎ機(ミニハイスケアー)に当ててみましょう~
果たして本当に切れるようになるの…か…!?

続く!