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あんどぅ☆の奇妙な冒険 第5部 アダム・クーパーを作りたい! 第2回 アダム・クーパーは神というか踊る仏像

こんにちは!一笑仏工房の中の人、あんどぅ☆ななせです( ^ω^ )
前回は唐突に「アダム・クーパーが作りたいんです!」と泣きながら安西先生に訴えて終わりましたが(違う
あれから2週間。
時間がたてば私の中の熱も冷めるだろうと思いきや…
冷めないよぉおおお!!!
むしろ高まるばかりぃぃいいい!!!

 




もう本当に病気ですよ奥さん。
25年前の上半身裸の男たちのバレエ動画を夜な夜な見ては胸熱で泣きそうになっている41歳のオバさんをどうにかしてくれませんか。
旦那さんはどう思っているんですかね…逆の立場で、旦那さんが夜な夜な上半身裸の女のダンス動画を見ていたらちょっと引くかも。
上半身裸の男のバレエが好きだと堂々と言える!これが女の特権だ!w
なんてね~~もう仕事が手につかなくてしょうがありゃあせんや。
これも一種のコロナ禍ですよ。補償してくれコノヤローo(`ω´*)o
ああ、もう本当になんで25年前にアダム・クーパーに出会えなかったんだよぉおおおおお!!!!!
リアルタイムであの神のような踊りを目撃して熱狂した人が心底羨ましいです!!!

念のため言っておくと、私が熱狂しているのは1995年にロンドンで初演された、マシュー・ボーン率いるAdventures in Motion Pictures (現New Adventures)というコンテンポラリー・ダンスカンパニーの公演、アダム・クーパーが白鳥を演じた「Swan Lake」のDVDでございます。
前回はバレエと言ったかもしれませんが、正確にはバレエでは無いんですね。現代的な要素を取り入れたコンテンポラリー・ダンスというジャンルです。
特に病気のように見ているのが、2幕のパドドゥ。
古典的な「白鳥の湖」でも、2幕のパドドゥと言えば王子とオデットが物悲しいメロディにのせて踊る、いわゆる白鳥の湖!的なシーンです。
(パドドゥって言うのは、フランス語で pas de deux ってことで、要は2人の踊りってことです。単純!)
それがマシュー・ボーンの白鳥だと…もうすごいんです。
もともとこのシーンの音楽が大好きだったってのもあり、見れば見るほど心がえぐられる。
4分ぐらいのシーンですが、1日3回とか5回とか見てしまうので、ここ1ヶ月で100回ぐらい見ているんじゃないでしょうか。
どうしてこんなに魅了されるのか?
どうしてこんなに美しいのか?
何なの?これって何なの!?
と、見れば見るほど神秘的で謎に満ち、何度も何度も見てしまう!
さあ、あなたもこの沼に落ちてください!!



どうでしょう。え?そんなに心動かされなかった?
やっぱり私おかしいんでしょうか…(´・ω・`)
ま、まあ、最初から見ないとどうして王子がこんなに白鳥を求めているのか分かりませんしね!DVD買って最初から見てください!

でも、このSwanLakeが上演された当時、やはり観客は私と同じように熱狂したらしいんですよ、アダム・クーパーの踊りに。
当時の新聞記事「THE INDEPENDENT」(1996/9/15)によると、
「Adam Cooper's Swan... well to judge by the way he danced on Wednesday he's scarcely less than a god.」
scacely less than a god…英文法の試験問題かよ!って感じの文ですが、
要は「アダム・クーパーの踊りはほとんど神だった」ってことですよね!
そうなんです。アダム・クーパーは天部に入れていいと思います。アダム・クーパーの彫刻を作るってことは仏像を作るってことなんですよ(爆)

どうしてこんなに魅了されてしまうのか、全く謎なんですが、
100回も繰り返し繰り返し見ていて段々とわかって来たことがあります!
まず、

・アダム・クーパーは音楽と一体化していて体から音楽が鳴っているように見える

結構有名なバレリーナの踊りでも、音楽より僅かに遅れていることが多いんです。
音楽に合わせて拍子を取って踊っているからなんですかね。
でもバレエはテクニックがメインみたいな所があるから、超絶技巧で踊っていれば音楽とズレていてもあまり気にされないようですが。
私はけっこう気になっちゃうんですよね…。
それが、アダム・クーパーは本当に音楽と一体化して踊っているんです!音楽に合わせているわけじゃなくて、音楽そのものなんです!!
特に上の動画の3分58秒の所を見てみてください!よく分かると思いますから!!
そして、

・アダム・クーパーは素早い動きもバレエの綺麗な形になっていて美しい

さすがロイヤル・バレエのプリンシパルというところで、コンテンポラリー・ダンスを踊っていてもバレエの美しさが滲み出てしまうようです。
2012年版で白鳥を演じたリチャード・ウィンザーと比較してみると、同じ振りでも首の付け方とかが全然違うことがわかります!
リチャード・ウィンザーももちろん素晴らしくて、私の最初の白鳥は彼の白鳥だったわけだし十分衝撃だったんですが、でもアダム・クーパーはもう次元が違う感じなんです。
男性的な美しさと女性的な美しさを併せ持った、力強い気品。もはや観音様。
アダム・クーパー本人は自分は正統なバレエダンサーでは無いと言っているようですが…。

更に、

・アダム・クーパーはとても大きく見える

これ不思議なんですけど、最初は「アダム・クーパーは背が高くて迫力があるな」と思っていたんです。
でもよーーーく見ると、一緒に踊っている王子役のスコット・アンブラーと背の高さは変わらないんです。
何だろう、アダム・クーパーは舞台で大きく見える能力があるのか!?
ちなみに身長は公式データによるとアダム・クーパーが182cm、リチャード・ウィンザーが185cm。
アダム・クーパーの方が身長低い!でもアダム・クーパーの方が断然大きく見えるんです!!
舞台の大きさが違うのかな?と思ってそれもちょっと調べてみました。
アダム・クーパー版が撮影されたのはおそらくウェスト・エンドのPiccadilly Theatreで、プロセニウムという舞台枠の幅が9.7m。
リチャード・ウィンザー版が撮影されたのはおそらくSadler's Wellsという劇場で、プロセニムの幅が12.5mか15m。
やっぱりアダム・クーパーの方が舞台が小さいから大きく見えるのか!?
いやいや、それにしても大きく見えすぎなんですよー!!

更に更に!

・アダム・クーパーは何度でも新鮮に役を演じられる

これはダンサーと言うより役者としてすごい能力だと思うんですけど、DVDに収まっている公演って、もう初演から1年ぐらいたっているんですよ。
しかもウェスト・エンド(イギリスのブロードウェイ的な劇場街)に進出してから120公演やったっていうんですよ!
そしてその後何年も何百回も繰り返し踊ったわけですよね。
でも映像からは微塵も「慣れ」が感じられないんです!!
例えば2幕のパドドゥの出だし、後ろ向きに登場して王子を振り返るときの表情…!!!
鳥肌が立ちます。
演劇かじった人間として、またエセ評論になってしまいますが、役を新鮮に演じるには「スタニスラフスキーシステム」とか、それなりのメソッドがあるんすよ。
でもアダム・クーパーがそんな訓練したとは思えない…天性の役者なのかもしれません。

という所までは自分なりの分析だったのですが、更に調査を進めようということで、ネットを漁りまくりました。
すると見つけましたよ~~
20年ぐらい前にアダム・クーパーの大ファンだった女性のサイトらしきものを~~!!!
もうストーカーかよ!と思うほどの詳細に満ちたアダム・クーパーの経歴を書いてくれていました!!!

アダム・クーパーBIOGRAPHY

ものすごいボリュームで、まだ読み切れてません(笑)
が、非常に興味深い内容で…この中で私がやってきた素人分析に確信を持たせてくれる記述を見つけました!
例えば、演出家のマシュー・ボーンがアダム・クーパーをどう評しているか、なんですが…
「アダムは本当に、舞台上では、実際よりもはるかに背が高く見える。(『白鳥の湖』の)第二幕と第三幕、彼が舞台上に足を踏み入れるや、彼は巨大になる。だけど、彼が舞台から降りると、彼は僕と同じ身長で、6フィートもないんだ。僕にはさっぱりわけが分からない。」
やっぱり!!巨大化能力を持っているんだ!!ユミルの民なのかな!?

更には…
「アダムは音楽とともに演ずる、すばらしい方法を身につけている。彼が自分のやるべきことを知っている、という意味で、その音楽は、本当に彼の内側に存在する。だから、彼は音楽中の、あるコード、拍子、音を先取りすることもできれば、逆にためをきかせることもできる。彼は音楽を制御できている。なぜなら、彼はすばらしい技術的源泉を所有しているからだ。そうして踊りの個々の箇所に、一連の非常に強い、ダイナミックな要素をもたらす。」
なんだかよく分からないけど、あの音楽と一体化している感じのことを言っているんですよね!?
ほら~~!!マシュー・ボーンが言っているんだから私の分析もあながち間違ってないじゃんよ~~(嬉)

ああ、なんて素晴らしい作品なんだ「Swan Lake」。
私にとっては当然賞賛すべき芸術作品ですし、当時のイギリスでも観客に熱狂的に受け入れられて大ヒットとなったわけですが、上演前はやはりマシュー・ボーンやアダム・クーパーにも不安があったようです。
その不安とは、当然「ゲイの白鳥の湖」と評されること。
ダイバーシティだLGBTQだコンプライアンスだとうるさい現代に比べて、当時の世間の目は厳しかったと思います。
アダム・クーパーにとってはダンサー生命にも関わりますよね。
ちゃんと見ればそうでないことは分かりますが、先入観で批判する人はやはりいたでしょうね…。
DVDに入っていた解説の中に、マシュー・ボーンのインタビューがあったので少し紹介しますと、

Q:「これはゲイの白鳥の湖ですか?」
A:「そのように解釈されてもあえて否定はしないだろう。しかし僕たちは何かもっとシンプルで普遍的なものを表現したと言いたいんだ。AMPの「白鳥の湖」は自分の人生を愛せない男の物語だ。(中略)"白鳥"は王子にとって、こうありたいと願う理想像で、それは力強く、美しく、そして自由だ。"白鳥"は王子の心の状態や感じているムードを映している、もう一つの自我なのだ。しかしこの両者の関係は強烈なエロスに支配されている。"未知のもの" からの誘惑という点が重要なのだ(第二幕のパ・ド・ドゥは人間と鳥の踊りだということを忘れてはいけない)。純粋に視覚的には、"白鳥"が王子を子供のように抱き上げて翼で包む瞬間が両者の関係の頂点を表している。これが作品を通しての最も重要なイメージだ。これこそ、誰にでも理解できるシンプルで普遍的なイメージだから。」

よく、映画のDVDとかにも監督のインタビュー映像が入っていたりしますけど、欧米の方って皆さん作品のテーマとか解釈を結構ハッキリ言葉にしますよね。
こういう能力、欲しいなぁ…
強烈なエロス…何を言っているのかよくわからないけど、私があのシーンを見て感じたことそのものなんだと思います。
その衝撃、感動が当時の偏見に満ちた時代の人々の心をも動かしたと思うと、それ自体が感動です。

 

こんな分析をしているのも、アダム・クーパーを作るためなの!!
ただ単に動画見ているだけじゃないんだからね!!
平櫛田中の鏡獅子にも匹敵する…
アダム・クーパーを作るんだからぁぁあああー!!!
(それは言い過ぎでしょーーーーーーー)

(続く)