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春日大社と仏像

東博の「春日大社展」行ってきました。
(今回は内覧会の日が都合つかず、写真を撮れませんでしたが、画像はネットにいろいろ出てます)


東京国立博物館・平成館で開催中!

展示内容は多岐にわたりますが、仏像ファン目線でいうと、神仏習合の展示が面白いです。

奈良、平安時代から、神と仏は一体とされました(神仏習合)。
本来、神の姿は目に見えないとされましたが、やっぱり「この目で見たい!」と思うのが人情。
だから、神の姿も仏像みたいに彫像や画像で表すようになります。これが「本地垂迹(ほんぢすいじゃく)」。
「垂迹」というのは、変身した姿という意味。よく「●●権現」とかいうやつが垂迹身に相当します。
「本地」とは本体という意味で、ここでは仏像の姿で表現されます(このへんのややこしい話はWikipediaとかに出てるから)。

春日大社にも、ご祭神に対応した本地仏が設定されていて、梵字や像で表されました。

だから、神社がテーマの展示でも仏像がいるんですね。

というわけで、今回の展示で、ぼく自身がグッときた仏像ベスト3は…、

1.
十一面観音立像
円成寺の旧本尊。平安中期のウネウネした衣文がたまらない!
http://www.enjyouji.jp/treasure/index.html
(円成寺サイト)

2.
善円作:十一面観音菩薩立像
愛らしくもキリリとした顔立ちに、艶めかしいプロポーション!
(奈良国立博物館サイト)
http://www.narahaku.go.jp/collection/803-0.html

3.
康円作:文殊菩薩騎獅像および侍者立像
童子形ながら神々しく厳しいお顔。獅子に乗っておでかけスタイル!
(東京国立博物館サイト)
http://www.tnm.jp/modules/r_collection/index.php?controller=dtl&colid=C1854&t=type_s&id=8

です!(ほかにも地蔵菩薩などいました)

これらの仏像は、どれも神社の信仰(春日信仰)からできているわけです。
教科書どおりの神道、仏教ではわからない世界観ですね。
やはり、古い日本のようすを知るには、神社も寺も同時に見ていかないと。

春日大社は、奈良の平城京を見守る御蓋山(みかさやま)、春日山の信仰が原点ですが、そこに茨城・鹿島神宮の神が降り立ったとされ、社殿が建てられ、千葉・香取神宮の神など合わせて四柱(神を数える数詞は「柱」といいます)の神を祭ります。

それぞれの神と本地の対応は、




























神名 本地仏
第一神 武甕槌(タケミカヅチ)命 不空羂索(ふくうけんさく)観音
もしくは釈迦如来
第二神 経津主(フツヌシ)命 薬師如来
第三神 天児屋根(アメノコヤネ)命 地蔵菩薩
第四神 比売(ヒメ)神 十一面観音

そして、比売神の息子とされる若宮の神の本地を文殊菩薩として表現されます。

こうしたややこしい(?)話は、ぜひ博物館で確認してみてください。
説明パネルでわかりやすく解説されています。
それを見たうえで春日曼荼羅や仏像を見ると、感じ方もちがうと思います。

【特別展 春日大社 千年の至宝】
2017年3月12日まで
http://kasuga2017.jp/