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庚申信仰は江戸のハロウィン?

先週に続き、わけのわからないタイトルかと思いますが、最近仕事で庚申塔(こうしんとう)の話題を追っていて頭の中これでいっぱいなもので。

各地のお寺や神社、ご町内のすみっこに残る庚申塔。これは江戸時代~明治くらいに流行った「庚申待ち」をするご町内の仲間(庚申講という)が建てたものです。写真は記事下に載せました。

庚申待ちとは、中国・道教由来の庚申信仰に基づいて、60日に一度の庚申(こうしん=かのえさる)の日の夜を寝ずに明かす行事、というのがタテマエです。

庚申信仰をざっと説明すると、まず、お腹の中にいるとされる三匹の虫(姿はヘンな妖怪的なやつ)が天に昇り・・・

ぼくが以前TV番組用に描いたイラストです

天帝というエライ神に人の行いを報告するんだそうで。

天帝の姿はテキトーです・・・

だから庚申の夜は虫が天に昇るのを防ぐため徹夜するというもの。

これが庚申信仰のあらましですが、調べてみると、ようするに夜明かしでパーティするためにもっともらしい理由付けをしていた、というのが実情のようです。
『枕草紙』にも「庚申待ち」行事の記述がありますが、夜はみんなで和歌を詠んで、「貴族のオールナイトパーティ、まったり楽しんじゃった♪」みたいな他愛ない日記です。

ただ夜遊びするだけより、海外(中国)からの思想が背景にあって、とかもっともらしい理由付けがあると、おおっぴらに夜遊びできるというもの。海外文化に弱い日本人らしい理屈だと思います。

江戸時代になると、庶民にもこの風習が広まって、いつまにか「青面金剛(しょうめんこんごう)」という忿怒相の仏像をご本尊として祀り、疫病退散や豊穣を祈る民間信仰と習合していくのですが、まあそれも形だけで、結局は宴会していたみたい。


完全にご本尊そっちのけです(笑)

これって、よく考えたら今も同じで、ハロウィンなんかは、西洋ケルト文化の風習や収穫祭の伝統が言われますが、その実際は、たんに夜通しバカ騒ぎするための口実であります。

クリスマスだってマジメにミサに行く人はごく限られてますし。

今も昔も、庶民にとって、宗教行事というのはそんなもんですよね。

仏教にも4月8日の「花祭り」がありますから、庶民のぼくらはこれを口実にして、パーティする日にしてしまえばよいと思うのです。

というわけで、ぼくのバンドThe Buttzでは4月8日にちょっとしたイベントをやろうと思っています(すみません最後告知になっちゃいました)。場所は都内・浅草と決定しています。

宮澤やすみ公式サイトやFacebook、Twitterでお知らせしますので、今後情報チェックをお願いいたします!


東京・広尾に残る江戸時代の庚申塔