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直立する観音のお話 -前編-

前記事で、東洋西洋にある身体をくねらせた像の話をしましたが、直立の像ももちろんありますよね。

日本だと、たとえば聖林寺の十一面観音菩薩。

聖林寺十一面観音像イメージ

前記事で紹介した、薬師寺の像は脇侍として本尊の横に位置してました。きれいなトリバンガ(身体をくねらせる)のポーズでした。
脇侍だとこういう姿勢がキマりますね。

しかし、ご本尊、つまり主役として真ん中に立つ仏像の場合は、直立ポーズがまず基本。

観音菩薩の例で見てみましょう。

飛鳥時代の法隆寺夢殿観音、奈良の法華堂の不空羂索観音などは、お堂のご本尊であり、しっかり両足を揃え直立し、正面を見据えています。威厳がありますね。
画像は検索すればすぐ出ます。

上記の聖林寺十一面さんと法華堂の像は、だいたい同じ時代(天平時代)の作です。

ところが、時代が変わると流行も変わるもので、とくに十一面観音については平安時代初期に変化がでる。密教の仏画の影響で、ご本尊でも動きのあるポーズをとるようになる。
代表例は、奈良・法華寺の十一面さま!


法華寺十一面観音像イメージ

脚を踏み出すポーズが素敵ですよね。助けに出向こうとする瞬間の姿、ですね。
この姿勢は、踊っているような古代のトリバンガ(前記事参照)とは異なる表現です。

こうして、ご本尊的な存在であっても動きのあるポーズが造られるようになり、ほかの仏像も変わっていく。
本来座っているのが基本だった不動明王が立ち姿になったり、阿弥陀如来が足を踏み出したり、快慶の「釘打ち阿弥陀」なんかはその足に釘が打たれたりする。
もちろん直立形だって変わらずたくさん造られるわけで、まさに立像いろいろな時代。


山を駆ける修験者は、立った姿の不動明王にアクティブな要素を感じた?

と、こんな感じで時代や信仰によっていろいろバリエーションが出てくるんですが、神社に祀られる仏像は、そんな中でも直立ポーズが基本のようです。

そうすると、神社の仏像ってナニ?って話になるのですが、そのへんはまた次週ということで、また!