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酉の市の謎を握るカミとホトケ 中編

11月の江戸の風物、酉の市。11/30の「三の酉」がラストです。
さて、前記事のつづきで、浅草吉原・鷲神社の原型である、長国寺の妙見菩薩(みょうけんぼさつ)をご紹介。


長国寺「鷲妙見菩薩」。鷲に乗る姿から、鷲神社の由来になりました

妙見菩薩は、北極星への信仰を仏像化したもの。
中国の道教という宗教の影響でできたものです。

もうね、仏像世界は神仏習合とかいいますけど、それだけじゃなく道教だとかいろんな信仰が入り混じっているものなんですね。

道教では北極星を「北辰(ほくしん)」といいます。
そこに、根源的な「太一神(たいいつしん)」がいると信じられた。
いっぽう、神道では八百万の神の根源である「天御中主命(アメノミナカヌシ)」と同一視されることがあります。

長国寺ご住職によると、北極星の信仰自体は、古代エジプトとか世界の古い信仰にもみられるし、古代信仰の原型といっていのでは、とのことです。

国や時代でスタイルはちがうけど、みんなお星さまを崇めていたんですね。

さて、長国寺の妙見さんは、鷲に乗った姿が特徴です。

不思議なことに、妙見菩薩と鷲=鳥のイメージからでしょうか。日本武尊(ヤマトタケル)の信仰と結びつきます(ここの経緯がはっきりしてないんですけどね)。


長国寺の隣に鷲神社。ここにもヤマトタケルが祀られている

ヤマトタケルは、鳥のイメージで表現されます。

というのは、自身の最期に白鳥に変化して飛んでいったというエピソードがあって、全国的にも白鳥神社や大鳥神社など、ヤマトタケル系の神社は鳥とつながります。このへん検索すればいろいろ出ますんで。

もともと長国寺は、浅草でヤマトタケルを祀る鳥越神社と並んでいたそうで、はじめから妙見とヤマトタケルの結びつきを匂わせています。

さらに、鳥越神社は平将門の呪いを封じる神社と言われまして、将門もからんで掘り下げるとじつにややこしくなってくるんですが、そこは省略ですみません。

もうひとつ、興味深い点があります。

それが風水です。

江戸の街は、方位の吉凶を綿密に考慮して、江戸の守護として有力な寺社を配した、という話があります。

そこで、いよいよ長国寺(鷲神社)と前記事の目黒不動尊がつながってくるんですけど、スミマセン次回までお待ちください!

(前編後編で終えるつもりが、終わらなかったので中編としちゃいました)

(お知らせ)

1.
筆者・宮澤やすみが仏像の謎をキホンから解説します
早稲田大学オープンカレッジ
【仏像の光と闇 ― 基本から学ぶ仏像秘話 ―】
2018年1月20日(土)15時から毎週土曜全4回
早稲田大学エクステンションセンター中野校
詳細:https://www.wuext.waseda.jp/course/detail/40790/



 

2.
鷲神社酉の市で幽玄な舞を奉納した「吉原狐舞」の大将、狐太夫・百合之介」と筆者・宮澤やすみ(歌う神仏研究家、小唄師範)が共演!
【宮澤やすみの小唄かふぇ】
2018年2月7日(水)
19時開場、20時開演
神楽坂キイトス茶房
詳細:http://yasumimiyazawa.com/koutacafe/