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秘仏かつ古仏、その魅力を存分に!「仁和寺と御室派展」

「仁和寺と御室派のみほとけ」展のレポート第3回です。

仁和寺を本山とする、御室派(おむろは)寺院の秘仏が続々と東京へ。


御室派本山・仁和寺の阿弥陀三尊像

前回は中山寺と神呪寺の観音を紹介しましたが、ほかにも大注目の像があります。

それが、道明寺十一面観音と葛井寺(ふじいでら)千手観音!

どちらも仏像ファンに人気の高い、美麗&圧倒的迫力の仏像!

しかも、1200年以上昔に造られたという、古さにも注目。
古いのに古さを感じさせないといいますか、緻密かつ写実的、かつ深い神秘性も感じる、まさに仏像のおいしいところがギュッと詰まった必見の仏像なのです。

仏像といえば昨年の「運慶展」が話題となりましたが、その運慶の400年前。運慶が手本にしたのがこうした時代の古仏です。

仏像=運慶と思っている人は、この時代の仏像をゼッタイ見たほうがいい!

仏像への理解と愛情が深まりますよ。

まず、こちらは道明寺の十一面観音菩薩、
背面から拝観なんてお寺では絶対できません。


両腕から垂れる天衣(てんね)のひらひら加減に注目

道明寺の像は、カヤ材の一木造り。
仏像造りには、木そのものの霊性を尊重する考え方がありまして、だから一本の木だけで造るのですね。
たんなる彫刻作品ではないのです。
それでいて、やわらかい衣や肌の質感が伝わる、緻密な彫りが見事。

これが、今から約1200年前の作というから驚きですね。都が奈良から京都へ移ろうという「長岡京」の時代のころだそうです。

そして、後期展示の主役が、葛井寺の千手観音!

文字通り、「本当に千本の手(腕)がある」でおなじみ、葛井寺の像。
実際は1041本の腕があります。
びっしりと生えた細い腕(小手といいます)。これを作った仏師の執念みたいなものを感じます。

造りは、漆を使った乾漆造り。有名な阿修羅クンをはじめ、奈良の古仏に多い技法です。

この葛井寺の像も、奈良時代の早いころに造られたもので、日本で最初に千手観音が造られたころの作です。
だから、先ほどの道明寺の像よりさらに古い!

これがまあホントに、よくぞ平成末の世に残ってきましたね。しかも完全な姿で。

そう考えると、これが東京の博物館の展示室でまじまじと見られるなんて、とてつもない事態ですよ。


まさか東京でこの二仏に逢えるとは思いませんでした

葛井寺の像は、2月14日からお出ましになります!

ちなみに、仏教で「千」は「無限」を表します。千手観音は、観音菩薩が、衆生(この世の人々)を全てもれなく救う!とマニフェストを立て、その結果得た姿だそう。観音さんの意気込みを感じますね。
変化観音はいろいろありますが、その最終最強形態が千手観音です。
葛井寺では、毎月18日のご開帳。観音めぐりの人でにぎわいます。

じつはこの両仏像、私が歌っている「ご開帳ブルース」をご存知の方にはおなじみ。歌詞に出てくる方々なんですよね。ぜひ動画をごらんください。
ご開帳の日が覚えられる歌詞に注目です!



特別展「仁和寺と御室派のみほとけ-天平と真言密教の名宝-」
東京国立博物館 平成館にて
2018年1月16日(火)~3月11日(日)
(展示替えあり)
公式HP http://ninnaji2018.com