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復興がテーマの「東大寺と東北」展

仙台の東北歴史博物館で開催「東大寺と東北」展が開催されています。
(写真は報道内覧会で許可を得て撮影)


快慶作の地蔵菩薩をはじめ東大寺の宝物を展示

東北は、奈良時代の大仏造りのときに金を提供するなど、東大寺に貢献した歴史があります。
現在は、東日本大震災の復興に東大寺さんが貢献していて、北河原公敬長老はじめ東大寺の方々と被災地との交流はさかんです。

この交流から、「東日本大震災の復興に取り組んでいる東北のためにと、東大寺の特別協力によって実現」(展覧会WEBサイトより)したのが今回の展覧会。

展示室に入ると、仏像ファンならよく知っている、かわいらしい東大寺の釈迦誕生仏がお出迎え。
髪の毛が伸びた姿の「五劫思惟阿弥陀」(通称、アフロ仏)も二体仲良くならんでいます(東大寺像と五劫院像)。このふたりについては来週あらためて紹介します。

慶派ファンの方は、快慶作の地蔵菩薩にご注目。快慶らしいキリッとした目つきに、華麗な装飾&微細な截金文様がひたすら美しいです。

東大寺自身も何度も火災に遭い、そのたびに復興してきました。
鎌倉時代の重源上人、江戸時代の公慶上人。
このお二方のおかげで、今わたしたちが大仏を拝めています。
天平の大仏建立から、鎌倉の再興、江戸の再興というステップをまとめて俯瞰できる展示になっています。
(公式サイトに、このお二方の写真が出ています)

また、二月堂「お水取り」で知られる「修二会」関連の、めったに見られない寺宝が展示されていたのもおどろきでした。
写真の「御正体(みしょうたい)」は、「懸仏(かけぼとけ)」ともいって、絶対秘仏である本尊・十一面観音の姿を模した像を、本尊の魂が宿る神鏡に付けたもの。

懸仏は、ふつうは神社で見られ、祭神の本地仏(昔は神社の神の本体が仏だとされていた)をとりつけて拝まれるものですが、二月堂の場合、本尊がご神体と同じく目に触れないため、こうした御正体を懸けたようです。
神仏習合世界では重要なアイテムです。

私が気になった仏像は、次回以降ご紹介いたします!


東大寺「お水取り」で使用される桶と二月堂の”御正体”

東日本大震災復興祈念特別展
「東大寺と東北-復興を支えた人々の祈り」
(東京展)
2018年4月28日(土)~6月24日(日)
東北歴史博物館
www.thm.pref.miyagi.jp/

公式サイト:
http://todaiji.exhn.jp