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仙台の干支守り本尊信仰

さて、「東大寺と東北」展の帰りに仙台の街をさんぽしました。
仙台は、街のあちこちに小さいお寺や立派な神社もあって、信仰が生きている町ですね。
駅前の大きなアーケード街「クリスロード」は、すごく賑わうエリアで、大阪なら心斎橋、東京なら新宿あたり?といったような都会です。

しかし、その通りの真ん中に三瀧山不動院があって、その突然さに驚きます(いや、不動院のところに後から商店街ができたわけですが)。


クリスロードの途中に忽然と現れる不動院の参道


短い参道に入るとこんな感じ

こちらは柳町大日堂。大日如来を祀るお寺です。ちょうど管理の方にお話を聞けましたが、近隣の会社の方だそうで、地元の人によって守られている感じがいいですね。


本堂前の二体の像に注目。狛犬ではありません


猿(申)の像と・・・


羊(未)の像があります

申と未でお分かりのとおり、ご本尊は干支に対応して祀られています。
日本では、干支によって特定の「守り本尊」を拝む習慣がありまして、
干支(十二支)は、暦のほか方角にも関わっていますから、産まれ歳と方角の守護として特定の仏像が拝まれます。
その内訳は、

子 …北 …不動明王
丑寅…東北…虚空蔵菩薩
卯 …東 …文殊菩薩
辰巳…東南…普賢菩薩
午 …南 …勢至菩薩
未申…西南…大日如来
酉 …西 …不動明王
戌亥…西北…阿弥陀如来

なんでこういうメンバー構成なのか、は不明です。
いつの間にか決まっていましたが、密教系の人が考え出したような、そんなニオイはしますね。

「12支なのに、なんで8分類なんだ」という、素朴なギモンもあるかと思いますが、コレじつはなかなかややこしい話でしてね……

古代中国の占星術では9という数字が重要で、九星気学などが発達しました。これを基本にして、中心+8方位でものごとを捉える「八卦」というのができました。

東洋の占いでは、この八卦の思想を十二支に無理やり(?)当てはめていろいろやるわけですが、これが守り本尊のベースになっているようです。
仏教のなかでも特に密教では、こうした占星術のノウハウが入り混じっていて、じつに複雑でわけのわからない世界になっているんですよね(笑)

守り本尊の信仰は、仙台では伊達氏が推奨したことで、今でもさかんです。
仙台のあちこちに、上記の8仏が祀られていて、自分の干支に対応したお寺を参拝したり、今年は戌年なので阿弥陀如来を祀る大崎八幡宮をお参りしたりします(八幡宮になぜ阿弥陀如来なのかという話は、またじつにややこしいので後日)。

東京のお寺でもポピュラーな話で、守り本尊の御守袋なんかよく見かけますね。
関西などではどうでしょうか?

というところで、今回はこのへんで。