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閻魔に毘沙門、神楽坂の天部たち

先日は、東京・神楽坂のお寺をご案内する仕事をしました。
この町は、料亭や芸者のいる花街として栄え、今やテレビや雑誌でさかんに紹介される人気の街。
ぼくはここに20年以上住み、三味線の稽古場を開いていて、自分のホームグラウンドであります。


訪問先のお寺でお茶をいただきました

今回のお客さんは仏像ファンの方々。まず訪れたのは正蔵院という、神楽坂でもあまり知られない穴場的なお寺です。
ここにいるのが、閻魔大王の像。
江戸は地獄信仰がさかんでたくさんの閻魔像が安置されました。その名残で、現在は「江戸東京のお閻魔さま四十四ケ所を歩く」というパンフレット(1989年下町タイムス発行)が出回っています。
正蔵院は、見た目はふつうの民家みたいで、観光客が物見遊山で来るようなところではありません。しかし、この「四十四閻魔」のパンフに掲載されているので、閻魔マニアの人が時々訪れるのだそうです。


当初の像は焼失し戦後に安置された像

仏像マニア目線で言うと、閻魔って、天部のカテゴリに入るんですよね。

もともとはインド神話に登場するヤマという方だそうで、なんでも最初に死んだ人間、つまり死の世界に行った人ということだそうです。そこから、死の世界の住人、さらには死の世界の王様みたいなキャラクターに変わっていったようです(このへん謎が多いです)。

しかし、天部というと、毘沙門天とかああいう鎧をつけたカッコいい方々を想起しますが、閻魔はぜんぜんちがう。
これは、インドから中国に仏教が伝わったあと、中国の道教の影響を色濃く受けて、中国の道士の姿になりました。
ほら、香港映画で「霊幻道士」とかあるでしょ。ああいう路線になったわけです(分からない人は検索)。

日本の仏像は、発祥こそインドですが、伝来の途中で中華風味が加えられて、和風の味も付きました。
たとえて言うなら、カレー味のラーメンに海苔をトッピングしたような……。
いや、よく分からないたとえですみません。

ともかく、閻魔拝観のあとは、神楽坂の中心である善国寺、通称「神楽坂のびしゃもんさま」もお参りしました。
ここは雑誌やテレビでもさかんに紹介されるお寺。


以前私が描いた毘沙門天イラスト

天部の代表格である毘沙門天が有名。ただし秘仏なので、ふだんはお前立が見られます。
毘沙門天の眷属は虎とされるので、本堂前のいる石像は狛犬ならぬ狛虎。これを押さえれば、いかにも神楽坂らしい写真が撮れますよ。


本堂前で虎が見張っています


境内の浄行菩薩は水をかけて願掛けします

---おしらせ---

本コラム著者・宮澤やすみ出演
【小唄一本勝負】
11月15日(木)19:00開場 19:30開演
神楽坂キイトス茶房にて

”歌う神仏研究家”で神楽坂の小唄師範・宮澤やすみが、
小唄師範10周年を記念して独演会を開催。
初心者向けに気軽なトークを交えて、10年間の活動で
培った小唄の魅力を存分にお届けします。
昭和の雰囲気漂う人気カフェでの開催。くつろいで楽しめます。

詳細は↓
http://yasumimiyazawa.com/koutaippon.html