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白鷺が導いた下呂温泉の薬師如来

突然ですがワタクシこんど映画に出ることになりまして、撮影に行ってきました。
なんとその映画とは、『Shall we ダンス?』『それでもボクはやってない』などでおなじみの、周防正行監督作品ですよ。
詳細は後として、撮影地は下呂温泉。撮影の前日に現地入りし、さっそく行ってきたのが温泉寺。
ここの連載で、以前に有馬の温泉寺をレポートしましたけど、やっぱり温泉地には、ありますね。

下呂の温泉寺は、飛騨川から急こう配でそびえる中根山の斜面にあります。
参拝者は、どなたも急な石段を上らなければなりません。


地元のおじいちゃんも元気に上ってました


飛騨川から山がせり上がるような地形。手前が「下呂富士」ともいわれる中根山

本堂の背後は、木々が色づき始め、緑、黄、紅のグラデーションがきれいでした。


温泉寺本堂

本尊は、有馬と同じく薬師如来。病を治す仏といえば薬師さんですね。
本堂内の像はあまりよく見えませんでしたが、基本的な薬師如来の姿をしていました。

かわりと言っちゃなんですが、本堂の横に石像の薬師さんがいます。通称「湯掛薬師」といいまして、柄杓でお湯をかけて供養します。


温泉を掛ける湯掛薬師。どおりで肌ツヤが良い!

肩が痛い人は薬師さんの肩、腰が痛い人は薬師さんの腰、というふうに、自分の身体の悪い個所と同じ場所にお湯をかけると具合がよくなるのだとか。
水を掛ける願掛けは、各地のお寺にありますけど、さすが温泉寺、ここでは温泉の湯を掛けるんですね。薬師さんの台座には、こんこんと下呂の源泉が湧き出しています。

この地は、天暦年間(947~957年)に温泉が湧出したという古い歴史がありますが、鎌倉時代に枯れてしまいます。
しかし、飛騨川にいた白鷺の導きで新たな源泉を発見。さらに中根山の中腹に舞い降りた白鷺を追うと薬師如来が光り輝いていた……という伝承があります。


本堂裏の散歩道は石仏がちらほら

ぼくも今回の旅では、飛騨川の河原に白鷺を何回か見ました。
優雅な姿の真っ白な鳥は、ちょっと神々しいですよね。

そんなに広くない下呂温泉エリアですが、温泉寺のほかに山岳信仰の名残を示す役行者堂や、湯殿山の分霊を祀る温泉神社、重要無形民俗文化財「田の神祭」で有名な森水無八幡神社、温泉郷北側の境には若宮神社など古い歴史を感じる寺社が点在しています。


役行者と不動明王を祀る行者堂

日本の三名湯は、有馬、下呂、草津というそうで、この連載では有馬と下呂の温泉寺をクリアしました。
となると、やっぱり草津も、となりますよね。
どなたか取材旅費出してもらえないですかねえ~……。

さて映画のほうは、三味線弾きの役で出演です。
設定は大正時代、活動写真(サイレント映画)上映に生演奏を付ける「楽士(がくし)」の役です。
なぜ出ることになったかというと、日ごろ私が三味線で活動写真楽士を実際にやっているからです。現代でもそういう仕事、あるんですよ。
今回の映画は、周防正行監督の新作『カツベン!(仮)』という作品で、活動写真(無声映画)に語りを付ける弁士を主人公にした物語。
映画はフィクションですが、今現役で活動写真の仕事をしている弁士と楽士が作品に顔出しちゃう、という趣向なんですね。
弁士の片岡一郎氏をはじめ、日ごろ一緒にやっている仲間みんなで出演させていただきました。
仏像の話題とはちがいますが、たまにはこういう話題もお許しを。詳細はまた。


周防正行監督と楽士。左から田中まさよし、周防監督、上屋安由美、そしてワタクシ宮澤やすみ

---おしらせ---

本コラム著者・宮澤やすみ出演の活動写真
【最古の『忠臣蔵』特別上映会】
12月14日(金)18:45開場 19:15開演
京橋・国立映画アーカイブ 長瀬記念ホール OZU

何度も映画化されてきた『忠臣蔵』。
その現存最古版(明治43年作品)を特別上映します。
弁士の語りと、楽士たちの生演奏付きでご鑑賞ください。
「赤穂浪士討ち入りの日」にふさわしいイベントです。
(13:00には弁士楽士がいない音無し上映があります)

出演:
映楽四重奏(弁士:片岡一郎、三味線:宮澤やすみ、ピアノ:上屋安由美、太鼓:田中まさよし)

詳細は↓
http://www.nfaj.go.jp/exhibition/chushingura2018/