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下呂の温泉寺は奥書院がすごい

前回に続いて下呂温泉の温泉寺です。
湧き出す温泉の効能から薬師如来が祀られています。
山腹の斜面にあるお寺で、そんなに広くない境内ですが、奥にある建物がすごかったです。
本堂に上がってから廊下伝いに歩くと、急な階段が。がんばって上ると、急に広い木造の家屋になりますが、これが温泉寺の奥書院、その名も「医王閣」です。


頭上を人が行き交います

いわゆる数寄屋造りというんですかね、風情ある和風建築だけど、開放感いっぱいで、どこを見ても美しい。映画やCMで使ったら良い絵が撮れそう、と思わせる建物でした。
1階は大広間があり、ロビースペースは吹き抜けで2階が見えます。
2階に上がると、高級な旅館の部屋みたいな、寂びた風合いのなかに贅を凝らした茶室とでもいいますか、なんとも風雅な和室が3つ。

建築は詳しくないのですが、窓の造りや立派な柱、階段の意匠も凝っていて、並大抵の人が使う建物ではないなあと思いました。


きっと昭和のセレブが泊まったんでしょうね

じつはこれ、もともとは下呂温泉の水明館という旅館の建物だったそうです。
昭和26年、数寄屋造りの得意な粥川茂三郎氏が建築。その後、旅館のリニューアルに際して、京都・妙心寺に移築される話があったんですが、当時の妙心寺管長・梶浦逸外氏の指示により、下呂の温泉寺に移築されたそうです。


高所恐怖症の人は要注意(?)の渡り廊下が目を引きます

ここ温泉寺は、臨済宗妙心寺派のお寺。
だからでしょうか、庭も建物も禅寺らしい静謐でおだやかな雰囲気が感じられるお寺でした。


ここから見える下呂温泉と飛騨川の風景は、一枚の絵のよう

禅寺の仏像についてもいつかご紹介したいですね。

さて前回もお伝えしましたが、下呂には映画の撮影で出向きました。わたくし三味線弾きの役で出演です。
設定は大正時代、活動写真(サイレント映画)上映に生演奏を付ける「楽士(がくし)」の役です。
なぜ出ることになったかというと、日ごろ私が三味線で活動写真楽士を実際にやっているからです。現代でもそういう仕事、あるんですよ。
今回の映画は、周防正行監督の新作『カツベン!(仮)』という作品で、活動写真(無声映画)に語りを付ける弁士を主人公にした物語。
映画はフィクションですが、今現役で活動写真の仕事をしている弁士と楽士が作品に顔出しちゃう、という趣向なんですね。
弁士の片岡一郎氏をはじめ、日ごろ一緒にやっている仲間みんなで出演させていただきました。


大正時代の衣装で、弁士と楽士が大集合!左から山内菜々子(弁士)、上屋安由美(ピアノ、映画の役では篠笛)、坂本頼光(弁士)、山崎バニラ(弁士)、森田拳(子役)、宮澤やすみ(三味線)、田中まさよし(太鼓)、片岡一郎(弁士)(敬称略)

---おしらせ---

本コラム著者・宮澤やすみ出演の活動写真
【最古の『忠臣蔵』特別上映会】
12月14日(金)18:45開場 19:15開演
京橋・国立映画アーカイブ 長瀬記念ホール OZU

何度も映画化されてきた『忠臣蔵』。
その現存最古版(明治43年作品)を特別上映します。
弁士の語りと、楽士たちの生演奏付きでご鑑賞ください。
「赤穂浪士討ち入りの日」にふさわしいイベントです。
(13:00には弁士楽士がいない音無し上映があります)

出演:
映楽四重奏(弁士:片岡一郎、三味線:宮澤やすみ、ピアノ:上屋安由美、太鼓:田中まさよし)

詳細は↓
http://www.nfaj.go.jp/exhibition/chushingura2018/