仁王さんは筋肉の神？原型は東大寺の秘仏

さて年の瀬も迫る頃ですが、先日は、東大寺法華堂（三月堂）のご開帳がありましたね。
堂内裏の秘仏・執金剛神が、毎年12月16日だけ公開されて、毎年寒い中賑わうそうです。


仏像の書籍や写真集でもおなじみの国宝仏

画像は検索すれば出てくると思いますが、鎧を着て、右手に金剛杵という武器をもち、口をカッと開いて怒声を発しています。
仏像のカテゴリでは、天部の範疇に入る力強い像。役割としては仏法の守護神になります。
この像が造られたのは、約1300年前の天平時代。
粘土でできた塑像で、表面にまだ極彩色が残ってるんですよ。
遠い時代の像が、よくまあここまでキレイに残ったものです。年に一度しか外気に触れないからでしょうか。これからも大切に次の時代まで残してほしいです。

執金剛神という名前はあまりなじみがないかもしれませんが、あのお寺の門にいる仁王の原形、といえば親近感がわくでしょうか。


こちらは一般的な金剛力士（仁王）

仁王さん（金剛力士）は、二体の裸の守護神ですけど、もともとはちゃんと服を着て（鎧だけど）、一人での活動だったんですね。
なぜだかそれが、二人に分身します。
同じ東大寺法華堂の内陣に、2人組で鎧を着たスタイルの金剛力士がいます。
その後、なぜだか服をぬいじゃうんですね。やっぱり「力士」というと裸のほうがイメージがあうんでしょうかね。
現代でも、マッチョ自慢な人はすぐ服を脱ぎますもんね。


筋肉のためにはいっぱい食べなきゃね・・・宮澤やすみ文・絵『仏像にインタビュー』より

奇しくも今年2018年は、空前の筋トレブーム。
「筋肉は裏切らない」が流行語大賞にノミネートされました。
来年も、このブームは続くでしょうか。
金剛力士のご利益は、江戸時代から「健脚」の神とされましたが、平成後は「筋トレの神様」になって、流行るかも（？）しれませんね。

---おしらせ---

本コラム著者・宮澤やすみ出演
【仏像バンド「宮澤やすみ and The Buttz」ライブ】
12月30日（日）16:00開演
四谷アウトブレイク

ロックフォトグラファー「ヒズミ」氏の企画で
年の瀬を彩るさまざまなバンドが出演。
我々「宮澤やすみ and The Buttz」は３番目の出演（18:00ごろ）
音楽的にも成長を遂げた仏像ソングを愉しんでください。
演奏予定曲：
「ご開帳ブルース」
「寄木造」
「長浜春秋（びわ湖観音めぐりの歌）」
「Sunlight, Moonlight（薬師寺日光月光菩薩の歌）」
などなど、仏像好きにはたまらない楽曲ばかりです！

詳細は↓
https://www.facebook.com/events/744089745948180/


”仏像バンド”こと、宮澤やすみ and The Buttz（ザ・ブッツ）