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会社と同じ?毘沙門天と韋駄天の関係
さっそくですが、前回記事の仏像クイズの答え、いってみましょう。
問題は、
「毘沙門天と韋駄天、どっちが偉い?」
というものでした。
七福神としても有名な毘沙門天と、NHK大河ドラマのタイトルにもなっている「いだてん」。
どちらも仏像の分類では天部にあてはまりますが、その立場はだいぶちがうようですよ。
まず毘沙門天ですけど、インド神話ではクベーラという福神だったのが、仏法の守護神になったそうです。
毘沙門天の例:イSム
持物として、仏塔をもつというのが決まり。仏塔は舎利が入っているとされ、いわば釈迦の象徴みたいなものですから、釈迦をリスペクトして教えを守るという意味合いになる。「釈迦の教えをたくさん聞く」ということで、毘沙門天には多聞天(たもんてん)という別名もあります。
で、この多聞天という呼び名で、守護神4人組である「四天王」のメンバーとしても有名ですよね。しかも多聞天が4人のリーダーです。
この四天王は、4人で東西南北の四方を守る役目を担う将軍たちです。その配下には、それぞれ8神、つまり4人×8=32の部下がいるそうです。
さて、韋駄天ですが、こちらは四天王のメンバーのうち、増長天の部下8神のなかのリーダー、という位置づけなんですね。
画像はネットで検索してみてください。剣を持って合掌している姿がポピュラーです。
というわけで、毘沙門天と韋駄天では、会社組織でいえば、部長と主任くらいの格差があるというわけでした。
韋駄天は、お寺の門や、本堂前に立つことが多いです。
だから、私たちがお寺に行くと、仁王さんと同じくらい最初に会う仏像になります。
この立ち位置にも意味があるようです。
古いお寺は、正門が南にあって「南大門」といいますよね。
韋駄天の上司である増長天は、南方の守護神です。だから、南の最前線で守りを固めるのが韋駄天というわけです。
韋駄天はまだ主任クラスですから、現場に出向いて来客対応をするというわけ。
その「来客」は、善良な参詣者はもちろん、ときに邪悪な魔物、会社で言えば悪質クレーマーとか?も来るかもしれない。そこで対応するのが韋駄天さんというわけですね。
韋駄天主任、お仕事ごくろうさまです。
四隅に立つのが四天王。右奥にいるのが今回の主役
毘沙門天(多聞天)は、四天王のリーダーというポジションで、メンバーの広目天とともにお寺の本堂壇上、いちばん奥に立ちます。写真だと右奥になります。
ご本尊の背後に立つ感じで、バックから見張ってるわけですね。やはり上司はバックヤードで管理業務にあたる、という感じでしょうか。
こちらもお仕事ごくろうさまです。
ま、あとは仏像ワールドさんのサイトに詳細解説があるので、見てみてくださいね。
そんなかんじで、次の仏像クイズも出したいと思います。
問題!
四天王はどこに住んでいる?
とします。マニアの方はご存知だと思うけど、そこにちょっと面白いエピソードもあります。なぜか織田信長が登場します。
次週もチェックしてください。
そんな中、新刊著書の情報ですが、印刷工程に進んだようです。表紙画像も出ました!こちらです!
宮澤やすみ著『仏像の光と闇』表紙 水王舎・刊
東寺の降三世明王を前面に、裏面はあのお寺の国宝十一面観音。あとは隠れたところに吉祥天さんも。
アマゾンなどでは予約受付始まっています。タイトルは物騒(?)だけど入門者向けの意外にもゆるいかんじの本になりますんで、ご注目いただければ。
(参考)
仏像ワールド仏像辞典:韋駄天
https://www.butuzou-world.com/dictionary/ten/idaten/
仏像ワールド仏像辞典:毘沙門天
https://www.butuzou-world.com/dictionary/ten/bisyamonten/
---おしらせ---
本コラム著者・宮澤やすみ出演
宮澤やすみの「小唄かふぇ Vol.25」
三味線奏者で小唄師範でもある宮澤やすみの三味線ライブ。
江戸の小唄をわかりやすい解説トークと共にお届けします。
ゲストに「絶叫短歌」の大御所・福島泰樹さんを迎え一夜限りのセッションも。
寺山修司の世界を短歌で歌いあげます。
2月20日(水)19:00開場 20:00開演
ワロスロードカフェ
(JR御徒町、地下鉄上野御徒町・上野広小路・湯島)
http://yasumimiyazawa.com/koutacafe/
問題は、
「毘沙門天と韋駄天、どっちが偉い?」
というものでした。
七福神としても有名な毘沙門天と、NHK大河ドラマのタイトルにもなっている「いだてん」。
どちらも仏像の分類では天部にあてはまりますが、その立場はだいぶちがうようですよ。
まず毘沙門天ですけど、インド神話ではクベーラという福神だったのが、仏法の守護神になったそうです。
毘沙門天の例:イSム
持物として、仏塔をもつというのが決まり。仏塔は舎利が入っているとされ、いわば釈迦の象徴みたいなものですから、釈迦をリスペクトして教えを守るという意味合いになる。「釈迦の教えをたくさん聞く」ということで、毘沙門天には多聞天(たもんてん)という別名もあります。
で、この多聞天という呼び名で、守護神4人組である「四天王」のメンバーとしても有名ですよね。しかも多聞天が4人のリーダーです。
この四天王は、4人で東西南北の四方を守る役目を担う将軍たちです。その配下には、それぞれ8神、つまり4人×8=32の部下がいるそうです。
さて、韋駄天ですが、こちらは四天王のメンバーのうち、増長天の部下8神のなかのリーダー、という位置づけなんですね。
画像はネットで検索してみてください。剣を持って合掌している姿がポピュラーです。
というわけで、毘沙門天と韋駄天では、会社組織でいえば、部長と主任くらいの格差があるというわけでした。
韋駄天は、お寺の門や、本堂前に立つことが多いです。
だから、私たちがお寺に行くと、仁王さんと同じくらい最初に会う仏像になります。
この立ち位置にも意味があるようです。
古いお寺は、正門が南にあって「南大門」といいますよね。
韋駄天の上司である増長天は、南方の守護神です。だから、南の最前線で守りを固めるのが韋駄天というわけです。
韋駄天はまだ主任クラスですから、現場に出向いて来客対応をするというわけ。
その「来客」は、善良な参詣者はもちろん、ときに邪悪な魔物、会社で言えば悪質クレーマーとか?も来るかもしれない。そこで対応するのが韋駄天さんというわけですね。
韋駄天主任、お仕事ごくろうさまです。
四隅に立つのが四天王。右奥にいるのが今回の主役
毘沙門天(多聞天)は、四天王のリーダーというポジションで、メンバーの広目天とともにお寺の本堂壇上、いちばん奥に立ちます。写真だと右奥になります。
ご本尊の背後に立つ感じで、バックから見張ってるわけですね。やはり上司はバックヤードで管理業務にあたる、という感じでしょうか。
こちらもお仕事ごくろうさまです。
ま、あとは仏像ワールドさんのサイトに詳細解説があるので、見てみてくださいね。
そんなかんじで、次の仏像クイズも出したいと思います。
問題!
四天王はどこに住んでいる?
とします。マニアの方はご存知だと思うけど、そこにちょっと面白いエピソードもあります。なぜか織田信長が登場します。
次週もチェックしてください。
そんな中、新刊著書の情報ですが、印刷工程に進んだようです。表紙画像も出ました!こちらです!
宮澤やすみ著『仏像の光と闇』表紙 水王舎・刊
東寺の降三世明王を前面に、裏面はあのお寺の国宝十一面観音。あとは隠れたところに吉祥天さんも。
アマゾンなどでは予約受付始まっています。タイトルは物騒(?)だけど入門者向けの意外にもゆるいかんじの本になりますんで、ご注目いただければ。
(参考)
仏像ワールド仏像辞典:韋駄天
https://www.butuzou-world.com/dictionary/ten/idaten/
仏像ワールド仏像辞典:毘沙門天
https://www.butuzou-world.com/dictionary/ten/bisyamonten/
---おしらせ---
本コラム著者・宮澤やすみ出演
宮澤やすみの「小唄かふぇ Vol.25」
三味線奏者で小唄師範でもある宮澤やすみの三味線ライブ。
江戸の小唄をわかりやすい解説トークと共にお届けします。
ゲストに「絶叫短歌」の大御所・福島泰樹さんを迎え一夜限りのセッションも。
寺山修司の世界を短歌で歌いあげます。
2月20日(水)19:00開場 20:00開演
ワロスロードカフェ
(JR御徒町、地下鉄上野御徒町・上野広小路・湯島)
http://yasumimiyazawa.com/koutacafe/