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仏像に向き合う先人達の心とは

おかげさまで『仏像の光と闇』の発売が始まりました。ありがとうございます。
表紙カバーを飾るこの仏像、誰だかわかりますか?


憤怒の形相をした明王

先日、ぼくが受け持つ仏像講座でもこの質問をしたら、最初誰も答えられなかった。
でも、帯をはずして足元を見せますと、だいたいの方がわかりました。


足下に二体の像を踏んでおります

これ、「降三世明王」ですね。
ヒンドゥー教の最高神である大自在天とその奥様である烏摩妃を踏んづけているポーズが特徴です。
なんでも、密教の優位性を示すポーズとも言われまして、なんとも強引ですが当時なりのポジティブな表現なんでしょうね。

前回ご紹介した四天王も邪鬼を踏むポーズをしますし、こういう表現は仏像界での定番ですよね。

これは魔物をやっつける意味がありまして、仏教用語で「降伏(ごうぶく)」といいます。

じゃあ魔物は何か? といいますと、ふつうは煩悩をもたらすものを魔物にたとえているのですが、
歴史の上では、いろんなものを魔物に仕立てて、秘密裡に祈祷が行われました。
仏像は、いろんな人の祈りを受け止めるもので、いろんな人の中には天皇とか貴族とか武士とか庶民とかいて、それぞれが自分の願いを込めるうちに、どんどん独自の解釈が広がります。

昔の人にとって、仏像はたんなる美術品ではなく、願いを届ける大事な像であったので、それはもう真剣に仏像と向き合ったことでしょう。

そんな様子を想像しながら、この本を読んでもらえたらうれしいです。

仏像を軸に、それをとりまく人間たちの心の動きを俯瞰した本になりました。



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宮澤やすみ・著『仏像の光と闇』水王舎・刊

---おしらせ---

本コラム著者・宮澤やすみ出演

宮澤やすみの「小唄かふぇ Vol.25」

三味線奏者で小唄師範でもある宮澤やすみの三味線ライブ。
江戸の小唄をわかりやすい解説トークと共にお届けします。
ゲストに短歌の大御所・福島泰樹さんを迎え一夜限りのセッションも。
寺山修司の世界を短歌で歌いあげます。

2月20日(水)19:00開場 20:00開演
ワロスロードカフェ
(JR御徒町、地下鉄上野御徒町・上野広小路・湯島)

http://yasumimiyazawa.com/koutacafe/