お問い合せ

営業時間:10:00~17:00 定休日:土日祝日

  • twitter
  • facebook
  • instagram
公式オンラインストア
お問合わせ メニュー
公式オンラインストア

花祭り!目黒の秘仏は「清凉寺式」

先日は、釈迦の誕生日(4月8日)を記念して都内仏像めぐりイベントをやってきました。
行先は目黒。目黒は江戸城の裏鬼門にあたり、現在でも都内有数のブツスポットなのです。


主催は我々、仏像バンドこと“宮澤やすみ and The Buttz(ザ・ブッツ)”

まず伺ったのは大円寺。駅からすぐの立地ですが、こここそ、徳川家光の命により裏鬼門守護を担う大黒天が祀られたお寺なんですね。

お寺の創建は江戸時代はじめ頃だけど、ここにいる仏像はそれよりもっと古いのです。

まずは本堂、大黒天の真裏にいるのが十一面観音立像。なんと平安時代の一木造です。確認しますが、ここは東京都心。目黒駅前にいるんですね。


大円寺本堂の十一面観音。取材時に特別に許可を得て撮影

このスラリとしたプロポーションと、小顔でやさしい表情がすてきです。
さらに、朽ちかけた木の風合いがまた味わい深いですよね。力の強い大黒天をバックで監督する役目を負うとされます。


本堂は約170年前の建築。都心でこの空間は貴重

ぼくの著書や講座で何度も登場しているお方ですが、一般拝観は受け付けていないのでご了承くださいね。団体ツアーや法要などの機会にどうぞ。我々The Buttzもまた目黒ツアーやるかもです。

次は釈迦堂へ。ここにいるのが「最古の清凉寺式釈迦如来」。造立は1193年。鎌倉幕府ができたばかりの時ですね。

話すと長くなるけれど、鎌倉時代には原点回帰といいますか、釈迦回帰ブームがありまして(真言律宗)、そこで京都・嵯峨野の清凉寺の釈迦如来像を拝もう!というキャンペーンがあった。そのキャンペーンに乗じて、清凉寺の像を摸刻したのがこの像というわけです。めぐりめぐって大円寺に安置されている秘仏で、国の重要文化財です。


秘仏の扉がオープン!

その姿は、衣を身体にぴったり密着させて、髪の毛は縄目状。つまりふつうよく見るツブツブの頭髪ではないんですね。
清凉寺の像(詳しくは検索してみて)がこういうスタイルなのでマネしているのですが、頭髪はガンダーラ、服制はマトゥラーあたりの黎明期インド仏像を彷彿させますから、原点回帰キャンペーンにはうってつけのスタイルなわけです。


釈迦如来立像 鎌倉時代 大円寺蔵。記事下の動画に像の全身アップが登場します

60日に一度、「甲子(きのえね)」の日にご開帳される秘仏なのですが、今回は特別にご開帳してもらいました!

ぼくのバンド”宮澤やすみ and The Buttz”で歌にしている秘仏であります。
この連載で何度も登場しているおなじみ(?)の一曲「ご開帳ブルース」。その中で、この像のことを歌っているんですね。

動画で見られますので、貼っときます。大円寺釈迦の映像出てきます。


このあと伺ったのが目黒の人気寺、五百羅漢寺。そのもようは次週!

---おしらせ---

本コラム著者・宮澤やすみ出演

【日本伝統文化フェスタ】
4月26日(金)15時
4月27日(土)15時
上野公園、噴水広場前にて
”仏像バンド”宮澤やすみ and The Buttz出演
「東寺展」まっさかりの東京国立博物館をバックに仏像を歌うミニライブです。

イベント公式サイト
http://jtc-festa.com/