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百済観音は百済から?スリムな体に秘めた謎

こんにちは。こちらまだまだ自分の仏像ソングアルバム『末法思想』制作に没頭中の宮澤やすみです。
仕事場にこもり人と交わらず、たまに交わるのはカワウソカフェでのカワウソさんたちという日々でしたが、7月に入りそろそろ社会復帰をめざします(できるのか)。

そんな中ですが、ついにイスムさんが新作を発表しましたね。
「百済観音」だそうで、大人気の美仏を、部屋に飾ることができるという時代がやってきました。すごいですね。

謎の多い仏像ですが、まずはなにより、この仏像の美しさを愛でるといたしましょう。

微笑をたたえる表情(アルカイック・スマイル)は飛鳥時代の古い仏像によくありますが、イスム百済観音でも忠実に再現していますね。
そして、飛鳥仏のなかで百済観音さんだけの特徴というと、澄んだ目つきというか、人間的な温かみを感じる目が印象的です。

身体のフォルムはすーっとしなやかな細身、ちいさな台座に乗った姿をみると、人間だったら「おっとっと」ってなりそうなんですけど、さすが観音さん、ふつうにリラックスして立っていらっしゃいますよ。かなり体幹が鍛えられているんじゃないでしょうか(妄想)。


すらりとした女性にも老成した男性にもたとえられる希有な存在

右手を前に出して、昔は手のひらに宝珠でも載せていたんでしょう。
じつは、この「右手を前に出す」というポーズが、仏像史において非常に重要なことなんですが、このへんは7/27(土)の「仏像ライブ」で触れますんで、スミマセン。

私の講義などで、よく聞かれる質問が、
「百済観音は、百済と関係があるの?」
というものです。

結論からいって、朝鮮半島の百済とは関係ないです。

百済観音の名称が登場するのは、けっこう最近、大正6年の『法隆寺大鏡』という書物だそうで、それをあの有名な和辻哲郎さんが引用したことで広まったようです。
過去には朝鮮半島との関連が示唆されたこともあったようですが、今では日本国内での作というのが定説です。

しかし、この仏像がどこから来たのか、詳細は謎に包まれたまま。
そもそも、明治の終わりごろまで、これが「観音」であることも解ってなかったんですよね。

その辺の話も、7/27(土)の「仏像ライブ」で、私が直接お話することにしますんで、ここではこれくらいでご勘弁を。

百済観音さんといえば、この華奢でリラックスした姿から、とても優しそうなお方、という印象をもちますが、どうなんでしょうか。
肩に目を向けると、ウネウネとした文様が見えます。これじつは髪の毛なんです。
菩薩の長髪は頭頂部で結い上げるのですが、後ろ髪は肩まで伸びて垂らしているんですね。

人間でも「やんちゃな人は後ろ髪を伸ばしがち」というあるあるネタがありますが、まさか百済観音さん、そっち系だったんでしょうか。だいぶワイルドな髪型、見つけたときは百済観音さんの一筋縄ではいかないキャラクターを感じずにはいられませんでした。

そんな百済観音をテーマにしたイベントが「仏像ライブ」。百済観音さんをイメージした新曲もやる予定です!

---おしらせ---

本コラム著者・宮澤やすみ出演

【復活!! 仏像ライブ】
7月27日(土)13時/15時 各回先着25名限定 入場無料
イスム表参道店にて
出演:宮澤やすみ and The Buttz

宮澤やすみ氏率いる仏像バンド、THE BUTTZ(ザ・ブッツ)の仏像トークとミニライブ。
テーマは「仏像の原点」。イスム百済観音を主役に、海外文化だった仏像をどう受容したのかをひも解く。
仏像ショップ・イスム表参道店でのイベントが、4年ぶりに復活!

詳細はWEBサイト
http://www.isumu.jp/info-contents/B-live2019/