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富士山五合目まで車で行ける深い理由と富士講の話 -その2-

こんにちは。お盆時期は中世ヨーロッパの音楽と歴史にどっぷり浸っていた(といっても都内ですけど)宮澤やすみです。和の仕事をする人あるあるで、趣味は洋風になりがちなのです。

さて、前回は8月の「山の日」にちなんで、富士山五合目の話をしました。

五合目まで車で行けてしまう深い理由は、仏教での世界観によるものでした。

仏教における「六道」のうち、下から五番目がわれわれ人間が住むとされる「人道」。

それになぞらえて、山の五合目までは俗界であり、そこから上は聖域になるという考え方です。

古代から、日本では山は聖域であり、修行の場でした。
なかでも富士山信仰は古くからあり、江戸時代は庶民が「富士講」を作って盛んに登山したそうです。


富士山巡礼者。1880年日下部金兵衛撮影。Wikipediaより

明治の神仏分離政策で、修験道がいったん廃止され(その後復興)、西洋のスポーツ登山が広まると、山を信仰の場とする考え方が急速に薄れていったのでした。

さて、山を仏教世界になぞらえた昔の人は、登山ルートを十分割して、頂上を十合目としました。

ところが、仏教の「六道」は、6階層までですよね。
そこから上は、どうなっているのでしょうか?

この、六道より上の世界を「四聖(ししょう)」といいまして、いよいよ仏に近づく段階になるんだそうです。

六道と四聖をあわせて、「十界」といいます。

ここで、ずらっと並べてみましょう。

【仏教の十界】

--四聖--
 ■仏(悟りに達した如来の世界)
 ■菩薩(他を救う菩薩の世界)
 ■縁覚(自己の悟りを得る羅漢の世界)
 ■声聞(仏法を学ぶ羅漢の世界)

--六道--
 ■天(天部の世界、いろいろある)
 ■人(人間の世界)
 ■修羅(争いが絶えない世界)
 ■畜生(本能の欲望むきだしの世界)
 ■餓鬼(飢えと渇きの世界)
 ■地獄(地獄の世界。いろいろある)

「いろいろある」のところは、いろいろあるので省略しますが検索すればいろいろ出ますので。

ともかくこれで、地獄から仏まで、仏教世界の最下層から最上層まで網羅できました。

山を登ることすなわち、十界を地獄から仏まで上り詰めてしまうという、大変なことなんですね。

実際に登ってみたい気もしますが、筆者のような体力に自信のない人間は、街の神社によくある「富士塚」で、10合目まで登頂して満足したいと思います。


東京・品川神社の富士塚から東海道を見下ろす


---おしらせ---

【宮澤やすみの”小唄かふぇ” Vol.27】
8/23(金) 20:00開演(19:00開場)
上野御徒町ワロスロード・カフェにて
ゲスト:バロン(ヴォードヴィリアン)

 昭和レトロな雰囲気いっぱいのカフェで、
 気軽に小唄と三味線を楽しむ「小唄かふぇ」。
 ゲストのバロンさんは、ウクレレを手に風刺の効いた小粋な歌とタップダンス。
 バロンさんが、小唄かふぇをモンマルトルの酒場に変えてくれることでしょう。
 いっぽう小唄も「粋」なら負けません。夏の夜、東西の小粋な歌で心をほぐしてください。

 詳細はWEBサイト
 http://yasumimiyazawa.com/koutacafe/