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未公開写真でつづる仏旅傑作選 法隆寺編

”彼らは決して博物館に来ることはなく、現地に行かないと見られない……”
神仏研究家・音楽家の宮澤やすみが、仏像とその周辺をブツブツ語る連載エッセイ。

こんにちは。東京はいまだ緊急事態宣言解除ならず、ずっと自宅にいるので音楽のレコーディング仕事だけは進んでいる宮澤やすみです。三味線と歌はそんなに騒音にならず、自宅でできてしまうのでした。

そんな中、前回につづき、これまでの連載「神回」(仏だけど)から未公開写真をご紹介します。


昨年2019年10月に行った奈良の旅で、自分なりのブツ原点回帰として法隆寺を再訪しました。

みなさんお馴染みの建物と仏像群。
しかしながら、やはりどれも何回見ても本当にすごい仏像たちであります。

ここでは、素通りしてしまいがち(?)な中門の金剛力士、つまり仁王さんに注目。

驚くべきは、風雨にさらされる屋外ながら、粘土で作られた塑像なんですよね。

こちらは阿形。体をぐっと屈めて邪悪な者どもを見下ろす姿勢、塑像だからできる体勢ではないでしょうか。


法隆寺中門 金剛力士(阿形)

吽形は江戸時代の修復で上半身がほとんど木製になっているそうですが、それでも雄々しい存在感を発します。


法隆寺中門 金剛力士(吽形)

で、またも勝手な妄想なんですけどね、この目がですね、昔観た特撮ヒーローの、ジャンボーグAに似てるんですよね。
画像検索すれば出るので見てみてください。目と髻の感じが、似てるでしょ。
当時のデザイン担当者は法隆寺像をヒントにしたんじゃないか?とうすうす思ってしまいます。


この目、この髻の配置にピーンと来てしまう世代でスミマセン

それはともかく、この像は711年の奈良時代の作。仁王としては日本現存最古の像で、まさに天平文化が花開くころの古い古い仏像です。
奈良時代の終わりごろには大規模修復したといいますが(やっぱり塑像だから壊れやすい)、それでも本当によく現代まで残ってくれました。

仏像の宝庫である法隆寺では、境内に百済観音や夢違観音、金堂の釈迦三尊など見たい仏像が多すぎて、はやる気持ちで中門を横目に早歩き、すぐ拝観券を買って中に進んでしまいがちですが、もったいないですよね(ちなみに西円堂も忘れられがち)。


中門自体の建築も、五重塔や金堂と並んで飛鳥様式の貴重な建築

拝観料なしでも見える金剛力士ですが、彼らは決して博物館に来ることはなく、現地に行かないと見られない。
ぼくの場合は昨年10月に訪れ、肉眼で拝しましたが、現在の外出自粛の世の中では、なんと貴重な体験だったのかと思いを新たにしました。



今回は「未公開写真」といいつつ超有名な仁王さんでしたが、次回はあまり知られてない、なかなかカッコイイ仁王をご紹介したいと思います。

それでは、みなさま引き続きご無事でお過ごしください。

(過去記事)
仏像の殿堂・法隆寺で原点に帰る
https://www.butuzou-world.com/column/miyazawa/20191203-2/


●おしらせ

1.
本コラム筆者・宮澤やすみ出演

仏像を歌うバンド・The Buttz(ザ・ブッツ)
【無観客ライブ配信】

四谷アウトブレイクでの無観客ライブを、Youtubeで配信します。
5月30日(土)17:00から30分ほど。
ライブハウス存続のため、できるだけ投げ銭などご協力ください。
試聴URLは当日発表。宮澤やすみ公式サイトやツイッターにて。


2.
The Buttz(ザ・ブッツ)新譜発売中

「日本書紀」成立1300年記念
飛鳥をテーマにしたミニアルバム『欣喜雀躍』。
ご購入いただけると活動存続の助けになります。応援よろしくお願いいたします。
  ↓↓↓
http://yasumimiyazawa.com/buttz/buybuttz.html

(写真:kinkyjacket300.jpg )
アルバムジャケットは飛鳥・橘寺の風景



宮澤やすみ公式サイト:http://yasumimiyazawa.com
宮澤やすみツイッター:https://twitter.com/yasumi_m