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ご先祖様も困惑? コロナ禍のお墓参り
”ご先祖さまたちも、誰も来ないお墓のなかで、気が気じゃなかったんじゃないでしょうか……”
神仏研究家・音楽家の宮澤やすみが、仏像とその周辺をブツブツ語る連載エッセイ。
こんにちは。先日はひさしぶりにご先祖のお墓参りに、都内の霊園へ行ってきました。
本来お彼岸に行くのがウチの恒例なのですが、新型コロナウイルス禍によりまったく行けず、先日東京が自粛全面解除になったので行ってきた次第です。
そこで見た光景は、想像以上の「惨状」でした。
ウチの区画はまだいいほうで(写真この下に掲示)、周囲は草ぼうぼうのジャングル状態。
広い霊園で、見渡す限り、墓石が隠れてしまうほど伸びた雑草に覆われています。
それはまるで遥か昔に滅びた遺跡のようで、そこにぽつんと佇むわたくしは、不思議なタイムトリップ感覚に襲われたのでした。
忘れられた文明。その廃墟にわたくしは立っている。ここはかつて「トーキョー」と呼ばれていた土地。しかし住人は西暦2450年、火星へと移住したのだった……
そんなディストピアSFの世界を見るようで、ちょっと軽い興奮と寒気を感じたのでした。
ここでハタと我に返るわたくし。いやいやコレ、現代の今「現役」の施設だから、なんとかしなきゃ。
ウチのお墓はこの程度だったが、周りはもっと伸び放題でした
…いや、ちょっと妄想が過ぎましたけど、数カ月行かないだけで、こんなになってしまうとは驚きました。
古墳があんなに深い森になってしまうのもうなずける話です。
草刈りの道具など一切なかったので、手作業で雑草を抜き、枯れた花を活け替えて、線香をたいて(いつもは苦手な煙だがこの時は空気が変わって有用性を感じた)、とりあえずの応急処置をして、お墓参り完了。
ひとまずできるだけの掃除はして、線香あげてきました
思えば、新型コロナウイルスの惨禍は2月くらいから深刻度を増し、3月9日に「三密」を避ける提唱がされました。
そして3月12日WHO「世界的パンデミック」宣言。3月25日東京では外出自粛要請が出ます。
そしてこの原稿執筆時は6月22日。先週ようやく自粛要請が解除されたところです。
なんだか、この4か月ほどで世界はがらりと変わってしまった感がありますね。
(この原稿を10年後に読んだらどう思うだろうと、今から興味深いです)
この間、生きている我々も大変だったけど、ご先祖さまたちも、誰も来ないお墓のなかで、
「おいおい、いったい娑婆世界はどうなったんだよ!」
と、気が気じゃなかったんじゃないでしょうか。
「オレたちもマスクしなきゃだぞ」「そ、そうだな!」狛犬さんもしっかり感染対策。近くの石材店にて
日本は古来から祖霊信仰が盛んでありますが、祖霊のみなさん、まさかこんな疫病が流行るとはご存じなかったことでしょう。
「今ちょっと世の中大変なんで、しばらくご辛抱ください」
と、ウチの祖霊には、雑草を抜きながら伝えておきましたが、ほかの区画の墓地のみなさんも心配してるんじゃないかなあと、
ぜんぜん縁のないお隣さんのお墓にもひとつひとつ伝えて回りたい気持でした(スミマセン気持ちだけでした)。
そんなこんなで、お墓掃除でスッキリしたので、近くのそば屋で一杯。
思えばこうして外出してお店で飲食すること自体、今ではすごく特別なことのように感じます。
店で飲む瓶ビールのうまさ!外出で味わう至福。お通しのかっぱえびせんが渋いチョイス
まだ安全とはいえない世間ですけど、ひたすら自粛自粛も違うする気がします。
飲食店の営業はほぼ通常に戻り、ライブハウスも動き出しました。
うまく加減をみながら、外出や人に会ったりとか、人間らしい活動をする道を探っていきたいものですね。
●おしらせ
本コラム著者・宮澤やすみ出演
1.
【小唄かふぇ Vol.29】
都内のバーでの三味線ライブ。
ゲストは、神楽研究の第一人者・三上敏視さん。
音楽と研究活動をする両名による、神仏民俗ライブ&トーク
(三密対策で入場10名限定。安全に配慮して実施します)
詳細、予約は
http://yasumimiyazawa.com/koutacafe/
2.
本コラム筆者の”仏像バンド”ことThe Buttz(ザ・ブッツ)
新譜音源発売中
「日本書紀」成立1300年記念
飛鳥をテーマにしたミニアルバム『欣喜雀躍』。
ご購入いただけると活動存続の助けになります。応援よろしくお願いいたします。
↓↓↓
http://yasumimiyazawa.com/buttz/buybuttz.html
アルバムジャケットは飛鳥・橘寺の風景
宮澤やすみ公式サイト:http://yasumimiyazawa.com
宮澤やすみツイッター:https://twitter.com/yasumi_m
神仏研究家・音楽家の宮澤やすみが、仏像とその周辺をブツブツ語る連載エッセイ。
こんにちは。先日はひさしぶりにご先祖のお墓参りに、都内の霊園へ行ってきました。
本来お彼岸に行くのがウチの恒例なのですが、新型コロナウイルス禍によりまったく行けず、先日東京が自粛全面解除になったので行ってきた次第です。
そこで見た光景は、想像以上の「惨状」でした。
ウチの区画はまだいいほうで(写真この下に掲示)、周囲は草ぼうぼうのジャングル状態。
広い霊園で、見渡す限り、墓石が隠れてしまうほど伸びた雑草に覆われています。
それはまるで遥か昔に滅びた遺跡のようで、そこにぽつんと佇むわたくしは、不思議なタイムトリップ感覚に襲われたのでした。
忘れられた文明。その廃墟にわたくしは立っている。ここはかつて「トーキョー」と呼ばれていた土地。しかし住人は西暦2450年、火星へと移住したのだった……
そんなディストピアSFの世界を見るようで、ちょっと軽い興奮と寒気を感じたのでした。
ここでハタと我に返るわたくし。いやいやコレ、現代の今「現役」の施設だから、なんとかしなきゃ。
ウチのお墓はこの程度だったが、周りはもっと伸び放題でした
…いや、ちょっと妄想が過ぎましたけど、数カ月行かないだけで、こんなになってしまうとは驚きました。
古墳があんなに深い森になってしまうのもうなずける話です。
草刈りの道具など一切なかったので、手作業で雑草を抜き、枯れた花を活け替えて、線香をたいて(いつもは苦手な煙だがこの時は空気が変わって有用性を感じた)、とりあえずの応急処置をして、お墓参り完了。
ひとまずできるだけの掃除はして、線香あげてきました
思えば、新型コロナウイルスの惨禍は2月くらいから深刻度を増し、3月9日に「三密」を避ける提唱がされました。
そして3月12日WHO「世界的パンデミック」宣言。3月25日東京では外出自粛要請が出ます。
そしてこの原稿執筆時は6月22日。先週ようやく自粛要請が解除されたところです。
なんだか、この4か月ほどで世界はがらりと変わってしまった感がありますね。
(この原稿を10年後に読んだらどう思うだろうと、今から興味深いです)
この間、生きている我々も大変だったけど、ご先祖さまたちも、誰も来ないお墓のなかで、
「おいおい、いったい娑婆世界はどうなったんだよ!」
と、気が気じゃなかったんじゃないでしょうか。
「オレたちもマスクしなきゃだぞ」「そ、そうだな!」狛犬さんもしっかり感染対策。近くの石材店にて
日本は古来から祖霊信仰が盛んでありますが、祖霊のみなさん、まさかこんな疫病が流行るとはご存じなかったことでしょう。
「今ちょっと世の中大変なんで、しばらくご辛抱ください」
と、ウチの祖霊には、雑草を抜きながら伝えておきましたが、ほかの区画の墓地のみなさんも心配してるんじゃないかなあと、
ぜんぜん縁のないお隣さんのお墓にもひとつひとつ伝えて回りたい気持でした(スミマセン気持ちだけでした)。
そんなこんなで、お墓掃除でスッキリしたので、近くのそば屋で一杯。
思えばこうして外出してお店で飲食すること自体、今ではすごく特別なことのように感じます。
店で飲む瓶ビールのうまさ!外出で味わう至福。お通しのかっぱえびせんが渋いチョイス
まだ安全とはいえない世間ですけど、ひたすら自粛自粛も違うする気がします。
飲食店の営業はほぼ通常に戻り、ライブハウスも動き出しました。
うまく加減をみながら、外出や人に会ったりとか、人間らしい活動をする道を探っていきたいものですね。
●おしらせ
本コラム著者・宮澤やすみ出演
1.
【小唄かふぇ Vol.29】
都内のバーでの三味線ライブ。
ゲストは、神楽研究の第一人者・三上敏視さん。
音楽と研究活動をする両名による、神仏民俗ライブ&トーク
(三密対策で入場10名限定。安全に配慮して実施します)
詳細、予約は
http://yasumimiyazawa.com/koutacafe/
2.
本コラム筆者の”仏像バンド”ことThe Buttz(ザ・ブッツ)
新譜音源発売中
「日本書紀」成立1300年記念
飛鳥をテーマにしたミニアルバム『欣喜雀躍』。
ご購入いただけると活動存続の助けになります。応援よろしくお願いいたします。
↓↓↓
http://yasumimiyazawa.com/buttz/buybuttz.html
アルバムジャケットは飛鳥・橘寺の風景
宮澤やすみ公式サイト:http://yasumimiyazawa.com
宮澤やすみツイッター:https://twitter.com/yasumi_m