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神仏ファンにおすすめ「古代エジプト展」

”古代エジプトはわりと仏教や日本の神道にも間接的ながら影響を与えているように……”
神仏研究家・音楽家の宮澤やすみが、仏像とその周辺をブツブツ語る連載エッセイ。

こんにちは。最近は三味線のほかにギターの仕事もした宮澤やすみです。ある曲のレコーディングでした。

さて、江戸東京博物館では「古代エジプト」展が始まっています。内覧会に行ってきました。
撮影は一般の方もOKとのことです。


ナイルの神の像がお出迎え

この展示の特徴は「信仰」に焦点をあてていること。

図録を開くと、いきなり、
「古代エジプトと古代日本の創世神話について」(早稲田大学文学学術院教授・近藤二郎)
という論文があって、日本神話とエジプトの創世神話の共通性を紹介しています。


天平の観音像を思わせるようなアクエンアテン王の立像

つまり、この「仏像ブツブツ」連載をご覧の仏教ファンの方や、『古事記』『日本書紀』などにワクワクする神社ファンといった方に刺さるのではないかと思いました。


今から約3370年前のものとは思えない、写実の極み。ネフェルティティ王妃あるいは王女メリトアテンの頭部

特徴のひとつは、まず創世神話。

古代エジプトの創世神話は、かいつまんでいうと、
混沌とした原初の海「ヌン」に、まず創造神アトゥムが発生し、一本のロータス(蓮)が生えたというもの。

そして、ロータスは日の出とともに花が咲くことから、生命再生の象徴とされました。
仏教ではなじみ深い蓮ですが、エジプトが源流なのかもしれないですね。
狛犬もエジプトのスフィンクスが源流というし、古代エジプトはわりと仏教や日本の神道にも間接的ながら影響を与えているように思います。


見た目のインパクトが強烈。くわしくは展示を見てほしい《想像の卵を持つスカラベとして表現された原初の神プタハ》

ふたつめは、動物を神とした多神教世界。
空を飛ぶ鳥や、強大な力のライオン、ナイル川の定期氾濫の後に湧き出る虫(スカラベ:フンコロガシのこと)など、人間の力を超越したものを神としました。
今回の展示のキャラクターになっている冥界の神アヌビスは犬の姿をしています。
日本の神仏世界では、動物は神仏の「使い」という立場で神そのものはありません。そのへんは微妙にちがいますね。


王を守るセクメト神はライオンの頭の女神

ちなみに、新王国の一時代だけ一神教を推奨した時代があったそうですが長続きしなかったそうです。

そしてエジプトはなんといっても太陽信仰が盛んで、埋葬の時は方位に合わせて入念に行なわれたそうです。
写真の物体は「ピラミディオン」といって、お墓の頂点に置いたもの。


ヒエログリフ文字で東の神を崇めると書いてあり、こちらを東に向ける

我々がなじみ深い八百万の神や仏教世界となぞらえて人類の信仰の原点を知るよい機会になるんじゃないでしょうか。



特別展「国立ベルリン・エジプト博物館所蔵 古代エジプト展 天地創造の神話」
2020年11月21日(土)〜2021年04月04日(日)
江戸東京博物館1F
https://www.edo-tokyo-museum.or.jp/s-exhibition/special/


それでは聴いてください。
マイルス・デイヴィスで、「ネフェルティティ」。



●おしらせ
本コラム筆者・宮澤やすみ出演

1.
【ひとりワロス Vol.3】
新型コロナで出番を失った宮澤やすみの、気ままなソロライブを配信。
三味線で洋楽カバーに懐かしポップ。お江戸の小唄も。
12月11日(金)19:30~生配信。
※開演後いつでも見られます
https://youtu.be/yhKfbwVFm6M
※会場観覧も歓迎です(上野御徒町ワロスロードカフェ。18:30会場)



2.
本コラム筆者・宮澤やすみの”仏像バンド”ことThe Buttz(ザ・ブッツ)
新譜音源発売中

「日本書紀」成立1300年記念
飛鳥をテーマにしたミニアルバム『欣喜雀躍』。
ご購入いただけると活動存続の助けになります。応援よろしくお願いいたします。
  ↓↓↓
http://yasumimiyazawa.com/buttz/buybuttz.html


アルバムジャケットは飛鳥・橘寺の風景



宮澤やすみ公式サイト:http://yasumimiyazawa.com
宮澤やすみツイッター:https://twitter.com/yasumi_m