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2021年丑年の「ウシ仏」その2:大威徳明王

”鎌倉時代には元寇に際し怨敵調伏の祈願がなされ、のちに農耕牛馬の守り神として村人に信仰され……”
神仏研究家・音楽家の宮澤やすみが、仏像とその周辺をブツブツ語る連載エッセイ。

こんにちは。東京は二度目の緊急事態宣言中ですが、ついに私のソロアルバムが発売になりました。
ひとくちに三味線音楽といっても、到底うまく説明できない内容ですが、関係者がサンプルを聴いた感想は「やすみワールド炸裂!(笑)」とのことです。

さて、今年の干支は丑(ウシ)ということで、前回は牛頭天王を紹介。
ほかに牛にまつわる仏像といいますと……

「うちのオカンがな、大好きな仏像があるというんやけど、その名前を忘れたて」

「なんか言うてなかったか?」

「水牛に乗っているらしいねん」

そらもう大威徳明王やないかということで、
これも牛にまつわる仏像ですね(すみません正月にミルクボーイのネタを見すぎました)。
角の生えた水牛にまたがる姿が特徴です。


水牛にまたがり、憤怒の形相の大威徳明王(写真:イスム)

そして、怪物のような忿怒の形相。
顔も腕も足も6つある、異形の姿。まさに666。
ちょっと怖いですね。
仏教のなかでも、密教の経典で登場する、独特な姿の明王です。

別名を降閻魔尊(ヤマーンタカ)といって、死の神の代表格「ヤマ」をも降伏(ごうぶく)する強大な尊格という性格があります。
そこから、邪悪な悪神を倒す強い神(=明王)として崇拝され、密教では五大明王のひとつとして信仰されています。

大分県の真木大堂にいる像は日本最大で、大迫力の威容です。
平安時代の古像で、鎌倉時代には元寇に際し怨敵調伏の祈願がなされたといい、国家の威信を背負う力強さを感じる像ですが、のちに農耕牛馬の守り神として村人に信仰されたそうなんですね(下記リンク参照)。
そこにはやはり「牛」の関連性があります。
昔、牛は田畑を耕すときに犂を引かせるための大事な家畜でした。その牛を象徴する仏像として大威徳明王が農村で信仰されたようです。
恐怖の戦争神といった存在だったのが、平和な時代には地元に貢献、おだやかな余生というか、仏像の役割も時代によって変わるものですね。


かつては大伽藍があった真木大堂

真木大堂も含めて、日本に残る大威徳明王像は、だいたい重量級の迫力があって怖い顔をしていますが、
そのいっぽう、大威徳明王ファン(そんなファンいるのか)のなかで人気なのが、醍醐寺の像です。

仔牛のような華奢な体格の水牛さんが、まんまるお目めを見開いて、すごくカワイイんですよね。
思わずナデナデして、餌をやりたくなります(もちろん手を触れてはダメ)。
上醍醐中院に安置されていたという像で、現在は霊宝館・仏像棟に安置。
博物館の特別展でも何度も登場して、ファンをほっこりさせてくれました。
写真が「そうだ京都いこう」のサイトに大きく出ています。下記のリンクのページ下部にあります。

これを見て、緊急事態でささくれだった気持ちを癒してください。


水牛の角でできた三味線の駒。独特の音色が出ます。筆者のアルバムでも演奏しているから、ぜひ聴いてほしい!

それでは聴いてください。
アイアン・メイデンで、「ザ・ナンバー・オブ・ザ・ビースト」。


(参考)
六郷満山の至宝 真木大堂の諸仏について 豊後高田市
 https://www.city.bungotakada.oita.jp/page/page_03646.html

「そう京」スタッフが感動した、京都の仏像[醍醐寺の明王編] ~そうだ 京都、行こう。~
 https://souda-kyoto.jp/blog/00838.html


●おしらせ
本コラム筆者・宮澤やすみ関連情報

1.
宮澤やすみソロアルバム
『SHAMISEN DYSTOPIA シャミセン・ディストピア』
2021年1月13日発売
やすみ直販
http://yasumimiyazawa.com/direct.html
(アマゾン、楽天などネット通販でも販売)


2.
【ひとりワロス Vol.4】
新型コロナで出番を失った宮澤やすみの、気ままなソロライブを配信。
三味線で洋楽カバーに懐かしポップ。お江戸の小唄も。
1月22日(金)19:30~配信。
※開演後いつでも見られます
https://youtu.be/5_ejEjit8g4

今回は無観客配信のみです。会場へは入れません。


宮澤やすみ公式サイト:http://yasumimiyazawa.com
宮澤やすみツイッター:https://twitter.com/yasumi_m