- HOME
- 宮澤やすみの仏像ブツブツ
- 第299回 世界遺産の「花輪ばやし」と稲荷と伊勢の神
第299回 世界遺産の「花輪ばやし」と稲荷と伊勢の神
”つい神社の詳細が気になってしまうのですが……ちょっと気になる点がありました－－”
神仏研究家・音楽家の宮澤やすみが、仏像とその周辺をブツブツ語る連載エッセイ。
こんにちは。誰も気づいてないでしょうが、この連載も300回を迎えようとしています。2016年秋から丸6年になります。
そんな中ですが、先日は活弁公演の仕事で秋田県の鹿角市と隣の小坂町におじゃましてきました。
夏の秋田はさわやかな空気。演奏を終えた後は、鹿角で大きなお祭りにいきました。
祭りのハイライトである「花輪ばやし」は、なんとユネスコ無形文化遺産、さらに国指定の重要無形民俗文化財というものです。
きらびやかな装飾に光り輝く花輪ばやしの山車
JR鹿角花輪駅を降りると、向こうにはずら～っと屋台が並びます。そこで買ったやきそばがうまかった。
そうこうしていると、夜の闇に輝く巨大な山車が現われて、ゆっくりと進んでいくではないですか。
独特のハネるリズムが、見ている者の気持を浮き立たせます。
甲高い笛、はやし立てる三味線が加わって、もうやきそばどころではなくなります。
動画も撮ったのでご覧いただければ華やかさがお分かりいただけるでしょう。
山車の中では地元の老若男女がにぎやかにお囃子を奏でる
ここ鹿角は、秋田の最北端に位置し、青森県の十和田湖がすぐ近い、弘前の文化もなじんでいるようで、祭りには「ねぷた」も登場するそうです。この日は本祭の日にあたり、花輪ばやしの山車が連なりました。
市街にまっすぐ伸びた商店街を通り抜け、角で山車の連中が一旦とまり、山に向かって深々と礼をしているのが印象的でした。その先の神社に向けての礼でしょうか。
全体的にオラつく血の気の多い人もなく、あくまで品よく練り歩き、礼を尽くす姿勢に好感が持てました。
花輪の目抜き通りを何台もの山車が進んでいきました
この祭りは、地元の鎮守である幸稲荷神社の祭礼として発展しました。
「花輪ばやし」WEBサイトによると、「伝承されている（お囃子の）曲のいくつかは江戸時代前期以前の古い時代から伝えられてきたといわれています」とのこと。
幸稲荷神社の創建は不明ですが、1204年といわれています。
花輪市街の東側にある皮投嶽の山麓、鬱蒼とした山中に本殿があります。
私なんかは、何年も仏像ブツブツで小難しいこと（笑）書いてきたので、つい神社の詳細が気になってしまうのですが……ちょっと気になる点がありました。
それは、ご祭神についてです。
稲荷神社といいますが、ご祭神をみると
・豊受姫命（トヨウケ）
・猿田彦命（サルタヒコ）
・天宇受賣命（アメノウズメ）
とあります。
漢字表記は地域で異なるものですが、要するに伊勢の外宮（豊受大神宮）と周辺の神々になりますね。
いっぽう、稲荷神社の祭神といえば宇迦之御魂神（ウカノミタマ）なので、なぜ鹿角花輪の神社が「稲荷」という呼称なのか、ちょっと不思議に思いました。
ただ、どうも稲荷のウカノミタマも、伊勢外宮のトヨウケも、どちらも食物を司る神なので、同一視されることがあるのだとか。
前回記事でも、如意輪観音と弥勒菩薩がごっちゃになる話をしたばかりなので、まあ古い時代の宗教ではわりとこういう混同、混淆があるんだなと、理解することにしましょう。
ともかく、花輪ばやしは最高でした！
それでは聴いてください。
ジョン・スペンサー・ブルース・エクスプロージョンで、「Gadzooks!」。
（参考）
花輪ばやしの紹介
http://www.hanawabayashi.jp/hanawabayashi/
筆者が出演した「活弁映画祭」
https://sightseeing.jrnets.co.jp/detail/event/300476.html
---おしらせ---
（おしらせ）本コラム筆者・宮澤やすみ関連情報
１．
宮澤やすみ「仏像ブツブツ」連載300回記念
【ザ・ブッツ新作アルバムレコ発ライブ】
宮澤やすみの”仏像バンド”The Buttzの新作発表を兼ねたお祝いライブです。
配信視聴も可能。どなたもぜひお越し＆ご視聴ください。
（詳細）
http://yasumimiyazawa.com/live.html
２．
「如意輪のまどろみ」など収録したミニアルバム『欣喜雀躍』。
ご購入いただけると活動存続の助けになります。応援よろしくお願いいたします。
↓↓↓
http://yasumimiyazawa.com/buttz/buybuttz.html
３．
宮澤やすみソロアルバム発売中
『SHAMISEN DYSTOPIA シャミセン・ディストピア』
購入は「やすみ直販」で
http://yasumimiyazawa.com/direct.html
（ネット決済のほか、銀行振込、郵便振替も対応）
宮澤やすみ公式サイト：http://yasumimiyazawa.com
宮澤やすみツイッター：https://twitter.com/yasumi_m
神仏研究家・音楽家の宮澤やすみが、仏像とその周辺をブツブツ語る連載エッセイ。
こんにちは。誰も気づいてないでしょうが、この連載も300回を迎えようとしています。2016年秋から丸6年になります。
そんな中ですが、先日は活弁公演の仕事で秋田県の鹿角市と隣の小坂町におじゃましてきました。
夏の秋田はさわやかな空気。演奏を終えた後は、鹿角で大きなお祭りにいきました。
祭りのハイライトである「花輪ばやし」は、なんとユネスコ無形文化遺産、さらに国指定の重要無形民俗文化財というものです。
きらびやかな装飾に光り輝く花輪ばやしの山車
JR鹿角花輪駅を降りると、向こうにはずら～っと屋台が並びます。そこで買ったやきそばがうまかった。
そうこうしていると、夜の闇に輝く巨大な山車が現われて、ゆっくりと進んでいくではないですか。
独特のハネるリズムが、見ている者の気持を浮き立たせます。
甲高い笛、はやし立てる三味線が加わって、もうやきそばどころではなくなります。
動画も撮ったのでご覧いただければ華やかさがお分かりいただけるでしょう。
山車の中では地元の老若男女がにぎやかにお囃子を奏でる
ここ鹿角は、秋田の最北端に位置し、青森県の十和田湖がすぐ近い、弘前の文化もなじんでいるようで、祭りには「ねぷた」も登場するそうです。この日は本祭の日にあたり、花輪ばやしの山車が連なりました。
市街にまっすぐ伸びた商店街を通り抜け、角で山車の連中が一旦とまり、山に向かって深々と礼をしているのが印象的でした。その先の神社に向けての礼でしょうか。
全体的にオラつく血の気の多い人もなく、あくまで品よく練り歩き、礼を尽くす姿勢に好感が持てました。
花輪の目抜き通りを何台もの山車が進んでいきました
この祭りは、地元の鎮守である幸稲荷神社の祭礼として発展しました。
「花輪ばやし」WEBサイトによると、「伝承されている（お囃子の）曲のいくつかは江戸時代前期以前の古い時代から伝えられてきたといわれています」とのこと。
幸稲荷神社の創建は不明ですが、1204年といわれています。
花輪市街の東側にある皮投嶽の山麓、鬱蒼とした山中に本殿があります。
私なんかは、何年も仏像ブツブツで小難しいこと（笑）書いてきたので、つい神社の詳細が気になってしまうのですが……ちょっと気になる点がありました。
それは、ご祭神についてです。
稲荷神社といいますが、ご祭神をみると
・豊受姫命（トヨウケ）
・猿田彦命（サルタヒコ）
・天宇受賣命（アメノウズメ）
とあります。
漢字表記は地域で異なるものですが、要するに伊勢の外宮（豊受大神宮）と周辺の神々になりますね。
いっぽう、稲荷神社の祭神といえば宇迦之御魂神（ウカノミタマ）なので、なぜ鹿角花輪の神社が「稲荷」という呼称なのか、ちょっと不思議に思いました。
ただ、どうも稲荷のウカノミタマも、伊勢外宮のトヨウケも、どちらも食物を司る神なので、同一視されることがあるのだとか。
前回記事でも、如意輪観音と弥勒菩薩がごっちゃになる話をしたばかりなので、まあ古い時代の宗教ではわりとこういう混同、混淆があるんだなと、理解することにしましょう。
ともかく、花輪ばやしは最高でした！
それでは聴いてください。
ジョン・スペンサー・ブルース・エクスプロージョンで、「Gadzooks!」。
（参考）
花輪ばやしの紹介
http://www.hanawabayashi.jp/hanawabayashi/
筆者が出演した「活弁映画祭」
https://sightseeing.jrnets.co.jp/detail/event/300476.html
---おしらせ---
（おしらせ）本コラム筆者・宮澤やすみ関連情報
１．
宮澤やすみ「仏像ブツブツ」連載300回記念
【ザ・ブッツ新作アルバムレコ発ライブ】
宮澤やすみの”仏像バンド”The Buttzの新作発表を兼ねたお祝いライブです。
配信視聴も可能。どなたもぜひお越し＆ご視聴ください。
（詳細）
http://yasumimiyazawa.com/live.html
２．
「如意輪のまどろみ」など収録したミニアルバム『欣喜雀躍』。
ご購入いただけると活動存続の助けになります。応援よろしくお願いいたします。
↓↓↓
http://yasumimiyazawa.com/buttz/buybuttz.html
３．
宮澤やすみソロアルバム発売中
『SHAMISEN DYSTOPIA シャミセン・ディストピア』
購入は「やすみ直販」で
http://yasumimiyazawa.com/direct.html
（ネット決済のほか、銀行振込、郵便振替も対応）
宮澤やすみ公式サイト：http://yasumimiyazawa.com
宮澤やすみツイッター：https://twitter.com/yasumi_m
