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第301回 北秋田-大湯環状列石のカワイイ土偶たち。「旬をいただく」縄文人の定住スタイル
”銀座の割烹で聴かれるような会話が、縄文人にはふつうだった－－”
神仏研究家・音楽家の宮澤やすみが、仏像とその周辺をブツブツ語る連載エッセイ。
こんにちは。誰も気づいてないでしょうが、この連載も300回を迎えました。2016年秋から丸6年になります。
そんな中ですが、先日は活弁公演の仕事で秋田県の鹿角市と隣の小坂町におじゃましてきました。
その一環で、縄文時代の遺跡として世界遺産に登録された「大湯環状列石」を見学してきました。
世界文化遺産に指定されている大湯環状列石
ひと目で見渡せないほどの大きな石の環があり（最大直径52m）、その中央に小さい円環も見えます。
脇には、縦長の石の周囲に石を並べた「日時計状列石」もありました（前回記事参照）。
これを使って一年の暦を把握していたとみられ、そこで祭祀が行われていたそうです。
暦を把握して神への祭祀があったというと、寺社ファンである我々は農作業の関連を思ってしまいます。
縄文時代なのに、すでに農耕が定着していたんでしょうか？
いえ、どうやらちがうようです。ここからが今週のお話になります。
隣接する大湯ストーンサークル館では出土品の展示と解説がある。これは土偶
キホンをおさらいすると、
縄文時代の前は新石器時代で、土器を用いたことで区別されます。
その後、農耕が定着すると弥生時代と言われます。
そんな縄文時代は約1万2000年も続きました。
比較対象を出すと徳川幕府から現代までが400年で、縄文のスケールからすると「ついこないだ」みたいなものです。
日本の歴史、ほとんど縄文時代。
今まで見たこと無いような土偶のデザインに思わず見入る
その縄文時代は「農耕はないけど定住していた時代」になるそうです。
村の周囲の森や川や海の恵みを取って、季節ごとの旬を食べていた。
現代の研究では、縄文人はかなりぜいたくな食生活だったと言われています。
「お客さん、今日は旬のキノコが採れたてですよ」
「アラ今年は早いわね。じゃあいただこうかしら」
なんて、銀座の割烹で聴かれるような会話が、縄文人にはふつうだったのです。ちょっとうらやましい。
これは「キノコ型土偶」。なかには松茸そっくりのおいしそうなキノコたちも！おいしかったんだろうなあと勝手な妄想を広げる
一年を通じて、旬のおいしいものがいただけたとしたら、それは感謝したくなりますよね。
それなら祭祀場が発展したのもわかります。
つまり、縄文人には「おいしいものをありがとう」という自然な気持ちがあったんじゃないでしょうか。もちろん飢える時もあったでしょうから「来年もおねがい」と祈る。
農耕が始まると「取れ高」とか「配分」とか「格差」とか、現代に通じるストレスが出てきちゃうんですが、
縄文時代は採れたものをみんなで分け合っていたと思われ、平和な時代です。
富裕層が何万円も払っておいしいものを独占しちゃうのとはちがいます。
我々庶民も旬の秋の味覚を食べたいものですが、現代は格差社会、縄文人がうらやましくあります。
そんなわけで連載300回、6年間も好きに書かせてもらって、私も感謝しています。
縄文人を見習って、お祝いに旬のマツタケなど分け与えてくださる方がいたら、感謝してありがたく頂戴します。祭祀します。
まあともかく、これからも誰にも気づかれずに細々書いていきたいと思います。
それでは聴いてください。
セルティック・フロストで「Circle Of The Tyrants（Celtic Frost）」。
（参考）
今年2022年夏からは地元の十和田タクシーさんで「タクシー半額助成」をやってます。
JR十和田南駅や大湯温泉郷などからタクシーを使うと半額（約1000円以下）になるという企画です。
現場で電話して呼べば適用されます（十和田タクシー 0186-35-2166）
筆者もとても助かりました。
【大湯環状列石二次アクセス事業】美の国あきたネット
https://www.pref.akita.lg.jp/pages/archive/66111
大湯ストーンサークル館
https://www.city.kazuno.akita.jp/kanko_bunka_sports/bunkazai/7/5593.html
大湯ストーンサークル館公式ツイッター
https://twitter.com/oyusc_jomon
---おしらせ---
（おしらせ）本コラム筆者・宮澤やすみ関連情報
１．
宮澤やすみ「仏像ブツブツ」連載300回記念
【ザ・ブッツ新作アルバムレコ発ライブ】
宮澤やすみの”仏像バンド”The Buttzの新作発表を兼ねたお祝いライブです。
配信視聴も可能。どなたもぜひお越し＆ご視聴ください。
（詳細）
http://yasumimiyazawa.com/live.html
２．
「如意輪のまどろみ」など収録したミニアルバム『欣喜雀躍』。
ご購入いただけると活動存続の助けになります。応援よろしくお願いいたします。
↓↓↓
http://yasumimiyazawa.com/buttz/buybuttz.html
３．
宮澤やすみソロアルバム発売中
『SHAMISEN DYSTOPIA シャミセン・ディストピア』
購入は「やすみ直販」で
http://yasumimiyazawa.com/direct.html
（ネット決済のほか、銀行振込、郵便振替も対応）
宮澤やすみ公式サイト：http://yasumimiyazawa.com
宮澤やすみツイッター：https://twitter.com/yasumi_m
神仏研究家・音楽家の宮澤やすみが、仏像とその周辺をブツブツ語る連載エッセイ。
こんにちは。誰も気づいてないでしょうが、この連載も300回を迎えました。2016年秋から丸6年になります。
そんな中ですが、先日は活弁公演の仕事で秋田県の鹿角市と隣の小坂町におじゃましてきました。
その一環で、縄文時代の遺跡として世界遺産に登録された「大湯環状列石」を見学してきました。
世界文化遺産に指定されている大湯環状列石
ひと目で見渡せないほどの大きな石の環があり（最大直径52m）、その中央に小さい円環も見えます。
脇には、縦長の石の周囲に石を並べた「日時計状列石」もありました（前回記事参照）。
これを使って一年の暦を把握していたとみられ、そこで祭祀が行われていたそうです。
暦を把握して神への祭祀があったというと、寺社ファンである我々は農作業の関連を思ってしまいます。
縄文時代なのに、すでに農耕が定着していたんでしょうか？
いえ、どうやらちがうようです。ここからが今週のお話になります。
隣接する大湯ストーンサークル館では出土品の展示と解説がある。これは土偶
キホンをおさらいすると、
縄文時代の前は新石器時代で、土器を用いたことで区別されます。
その後、農耕が定着すると弥生時代と言われます。
そんな縄文時代は約1万2000年も続きました。
比較対象を出すと徳川幕府から現代までが400年で、縄文のスケールからすると「ついこないだ」みたいなものです。
日本の歴史、ほとんど縄文時代。
今まで見たこと無いような土偶のデザインに思わず見入る
その縄文時代は「農耕はないけど定住していた時代」になるそうです。
村の周囲の森や川や海の恵みを取って、季節ごとの旬を食べていた。
現代の研究では、縄文人はかなりぜいたくな食生活だったと言われています。
「お客さん、今日は旬のキノコが採れたてですよ」
「アラ今年は早いわね。じゃあいただこうかしら」
なんて、銀座の割烹で聴かれるような会話が、縄文人にはふつうだったのです。ちょっとうらやましい。
これは「キノコ型土偶」。なかには松茸そっくりのおいしそうなキノコたちも！おいしかったんだろうなあと勝手な妄想を広げる
一年を通じて、旬のおいしいものがいただけたとしたら、それは感謝したくなりますよね。
それなら祭祀場が発展したのもわかります。
つまり、縄文人には「おいしいものをありがとう」という自然な気持ちがあったんじゃないでしょうか。もちろん飢える時もあったでしょうから「来年もおねがい」と祈る。
農耕が始まると「取れ高」とか「配分」とか「格差」とか、現代に通じるストレスが出てきちゃうんですが、
縄文時代は採れたものをみんなで分け合っていたと思われ、平和な時代です。
富裕層が何万円も払っておいしいものを独占しちゃうのとはちがいます。
我々庶民も旬の秋の味覚を食べたいものですが、現代は格差社会、縄文人がうらやましくあります。
そんなわけで連載300回、6年間も好きに書かせてもらって、私も感謝しています。
縄文人を見習って、お祝いに旬のマツタケなど分け与えてくださる方がいたら、感謝してありがたく頂戴します。祭祀します。
まあともかく、これからも誰にも気づかれずに細々書いていきたいと思います。
それでは聴いてください。
セルティック・フロストで「Circle Of The Tyrants（Celtic Frost）」。
（参考）
今年2022年夏からは地元の十和田タクシーさんで「タクシー半額助成」をやってます。
JR十和田南駅や大湯温泉郷などからタクシーを使うと半額（約1000円以下）になるという企画です。
現場で電話して呼べば適用されます（十和田タクシー 0186-35-2166）
筆者もとても助かりました。
【大湯環状列石二次アクセス事業】美の国あきたネット
https://www.pref.akita.lg.jp/pages/archive/66111
大湯ストーンサークル館
https://www.city.kazuno.akita.jp/kanko_bunka_sports/bunkazai/7/5593.html
大湯ストーンサークル館公式ツイッター
https://twitter.com/oyusc_jomon
---おしらせ---
（おしらせ）本コラム筆者・宮澤やすみ関連情報
１．
宮澤やすみ「仏像ブツブツ」連載300回記念
【ザ・ブッツ新作アルバムレコ発ライブ】
宮澤やすみの”仏像バンド”The Buttzの新作発表を兼ねたお祝いライブです。
配信視聴も可能。どなたもぜひお越し＆ご視聴ください。
（詳細）
http://yasumimiyazawa.com/live.html
２．
「如意輪のまどろみ」など収録したミニアルバム『欣喜雀躍』。
ご購入いただけると活動存続の助けになります。応援よろしくお願いいたします。
↓↓↓
http://yasumimiyazawa.com/buttz/buybuttz.html
３．
宮澤やすみソロアルバム発売中
『SHAMISEN DYSTOPIA シャミセン・ディストピア』
購入は「やすみ直販」で
http://yasumimiyazawa.com/direct.html
（ネット決済のほか、銀行振込、郵便振替も対応）
宮澤やすみ公式サイト：http://yasumimiyazawa.com
宮澤やすみツイッター：https://twitter.com/yasumi_m
