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第305回 富山・高岡の歴史スポット 大伴家持、源義経ゆかりの雨晴海岸

”菅田将暉が源義経を演じましたが、きっと大伴家持もイメージに合うんじゃ--”
神仏研究家・音楽家の宮澤やすみが、仏像とその周辺をブツブツ語る連載エッセイ。

こんにちは。この夏秋の「活弁映画祭」三都市ツアー。無事に終了しました。無声映画に弁士と楽隊の生演奏で上演してきました。この仕事で行った富山では有名な高岡大仏にも会えました(前回記事)。

そんな高岡からJR氷見線で海の方へいくとあるのが「雨晴海岸」。「あまはらし」と読みます。

おだやかな海に女岩(めいわ)が屹立し、その背景には雄大な立山連峰が見える。
富山の観光写真でよく見られる有名な光景です。


この日は波も少し荒かったけど、地元の友人によるとふだんはとても穏やかだそう

訪れた日が台風上陸直前で曇っていましたが、それでも生で観ると圧巻。立山連峰が迫りくるようでした。
まあ、晴れた日のパーフェクトな写真は検索すればいくらでも出るから。


背後の立山連峰には怖ろしさというか畏怖の念というものを感じる圧倒的存在感

絶景だけでなく、歴史上のヒーローゆかりの地でもあるのが面白いので、その話題をご紹介しましょう。

第一のヒーローは、奈良時代の大伴家持センパイです。
万葉集に473首もの和歌が掲載されている家持センパイ。筆者も歌を書く人間ですが、そうした人間すべてにとって彼は大先輩なのでございます。


高岡の駅前にある大伴家持銅像

奈良のエリート武家官僚だった大伴家持は、ちょうど東大寺で大仏造りが進んでいた頃、天平18年(746)に、越中の国守として赴任しました。
赴任先の越中国府は現在の富山県高岡市伏木というところで、雨晴の海岸はすぐ近く。

仕事も遊びも充実していた30代の家持センパイ(赴任時は29歳)、仕事のついでに海岸に立ち寄って、ふと見た光景に驚いたことでしょう。


氷見線は鉄道ファンにも人気。観光列車も出ているがこのしなびた風情のローカル車両もよい

山に囲まれた奈良とまったく異なる自然に魅了されて、たくさんの和歌を詠みました。

雨晴の海岸で大伴家持が詠んだ歌はこちら

 立山に振りおける雪を常夏に見れども飽かず神からならし

 (立山に積もった雪は、夏に見ても飽きることはない きっと神の山だから)

現代語訳、細かくはいろいろあるでしょうが、なにしろ大伴家持が、この海岸から見える立山に大感動して、
「立山、マジ神!」
といったことは確かなようです(語彙力の違い)。


味わいのある踏切も旅気分を盛り上げる

そしてもうひとり、この地ゆかりのヒーローが源義経です。

源平の合戦のあと、兄・頼朝に追われて北陸を逃げる源義経一行。
ここで弁慶が岩を持ち上げ、雨宿りをしたという伝説から「雨晴」の地名が付きました。
海岸線の岩が「義経岩」と呼ばれ、祠が建っています。

そんな伝承が残る海岸ですが、仏像や古代史ファンが押さえておきたいのは、この義経岩がじつは古墳なのではという説があることです。
現在は波に削られ石槨だけが残されたという説です。写真を見るとたしかに人工的に切った石が積みあがっているようにも見えます(下記参考リンク)。


富山名物「富山ブラック」ラーメン。強烈に塩辛すぎて私には無理でした

ただし、この地は古くから石切り場でもあったようで、実際の経緯は不明です。歴史ミステリーという程度で押さえておいてくださいね。

今年はNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で、菅田将暉が源義経を演じましたが、きっと大伴家持もイメージに合うんじゃないでしょうか。大伴氏はもともと武家のエリートなので。
立山を見て「マジ神!」と嬉々として叫ぶ菅田将暉を見てみたい気がします。


この旅は、私が加わってる「映楽四重奏」による、活動写真公演によるものでした。
メンバーは田中まさよし(座長、太鼓)、上屋安由美(ピアノ)、山内菜々子(活動弁士)、宮澤やすみ(三味線、小唄)でお送りしました。



それでは聴いてください。
ASKAで「はじまりはいつも雨」。


(参考)
義経岩・義経社│ニッポン旅マガジン
https://tabi-mag.jp/ty0177/


---おしらせ---

本コラム筆者・宮澤やすみ関連情報

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本業の小唄、年に一度の演奏会。今年で19年。
10/22(土)15時 
神楽坂・善国寺「毘沙門天」にて
https://machitobi.org/2022/227/



宮澤やすみ公式サイト:http://yasumimiyazawa.com
宮澤やすみツイッター:https://twitter.com/yasumi_m