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- 第387回 バーミヤン仏教遺跡への想い -平山郁夫シルクロード美術館-
第387回 バーミヤン仏教遺跡への想い -平山郁夫シルクロード美術館-
”タリバンによって爆破される前の姿で、今はもう見られません--”
音楽家で神仏研究家の宮澤やすみが、仏像とその周辺をブツブツ語る連載エッセイ。
こんにちは。6月のソロライブ、小唄のほかアラブやヨーロッパの曲も演奏準備中です。初めての人もこの機会にぜひご検討ください(詳細記事末ご参照)。
そんな中、先週に続いて平山郁夫シルクロード美術館訪問の話。
先週は、平山郁夫氏が集めたガンダーラの仏像を紹介しました。
ここでは2024年6月現在、開館20周年かつ地元の山梨放送開局70周年記念した
「平山郁夫 ―仏教伝来と旅の軌跡」展
が開催中です。
貴重なアフガニスタンの仏像群
なかなか評価を得られなかった若き平山氏が、ブレイクのきっかけをつかんだのが仏教伝来というテーマ。
平山の出世作《仏教伝来》1959年 が展示中
苦難の旅を経てインドから経典を持ち帰った玄奘三蔵の足跡をもとめて、実際に現地を旅しました。
そこで見た、中央アジアの風景と仏教の道が、数々の名作を生みました。
失ったものは戻ってこない。《バーミアン大石仏を偲ぶ》2001年
筆者が今回の展示で目に止まった絵画のひとつがバーミヤン大仏の姿。
これはタリバンによって爆破される前の姿で、今はもう見られません。
平山氏は、爆破後のバーミヤン遺跡の保全についての国際会議に参加し、現状保全を各国に訴えました。
過度な修復で作り変えるのでなく、後世に渡って宗教間の争いを考えていくため、この状態で残そうという考えがあったそうです。
元NHKプロデューサーで、平山郁夫氏と共にシルクロードを調査してきた井上隆史さんの解説で、このようなバーミヤンの魅力とその状況がよくわかりました。
秘蔵映像を用いてバーミヤンの歴史と意義を語る井上隆史氏
インドへ旅する僧たちを描いた《天山南路 夜》も並ぶ
いつの世も宗教の争いは歴史に傷を残すもので、僕が今勉強している明治日本の神仏分離、廃仏毀釈の歴史も、バーミヤンとはスケールも事情も異なるけれど宗教の摩擦による破壊がありました。
美術館館長の平山東子さん。「平山郁夫 ―仏教伝来と旅の軌跡」展は2024年3月23日(土)~9月9日(月)まで開催
また、京都で開催中の「文明の十字路・バーミヤン大仏の太陽神と弥勒信仰」展は秋に東京に巡回しますから、2024年はグローバルな仏教世界に目を向けるよいきっかけが得られそうですね。
それでは聴いてください。
ザ・ブッツで「川のほとりで」
平山郁夫シルクロード美術館
https://www.silkroad-museum.jp/
「平山郁夫 ―仏教伝来と旅の軌跡」展は2024年3月23日(土)~9月9日(月)
(前回記事)
ガンダーラ仏 菩薩の見分け方を知る
https://www.butuzou-world.com/column/miyazawa/20240521-2/
--おしらせ---
本コラム筆者・宮澤やすみ関連情報
1.
渋谷の大人エリア・松濤で再始動
【チルやすみ in SHOTO】
宮澤やすみの三味線ソロライブ。
ちいさなバーで、夕暮れ時にまったりと
疲れを癒す、心地よい三味線の音と歌。
三味線好きな方は至近距離で生音をお聴き
いただけるこの機会お見逃しなく。
会場はシックなバー。お茶やお酒とともに
くつろいでお過ごしください。
詳細、ご予約は
https://yasumimiyazawa.com/live.html
2.
仏像や古代史を歌ったザ・ブッツの新作アルバム『時の水辺』。
ご購入いただけると活動存続の助けになります。応援よろしくお願いいたします。
プレーヤー不要。スマホですぐ聴けるQRコード付きブックレットです(CDも付いてます)。
詳細のご紹介は
↓↓↓
http://yasumimiyazawa.com/buttz/tokinomizube.html
雅楽の笙や篳篥も入った独特のサウンドで、「聴いたことないけど、どこか懐かしい」大人むけのロックです
収録曲:
1.Fantastic Dystopia
2.一木造
3.Shami on The Water
4.川のほとりで
5.Benzai-Tennyo
6.Black Etenraku
7.北斗星
8.いけるとこまで
ほか、付録CDにボーナストラック
宮澤やすみ公式サイト:http://yasumimiyazawa.com
宮澤やすみツイッター:https://twitter.com/yasumi_m
音楽家で神仏研究家の宮澤やすみが、仏像とその周辺をブツブツ語る連載エッセイ。
こんにちは。6月のソロライブ、小唄のほかアラブやヨーロッパの曲も演奏準備中です。初めての人もこの機会にぜひご検討ください(詳細記事末ご参照)。
そんな中、先週に続いて平山郁夫シルクロード美術館訪問の話。
先週は、平山郁夫氏が集めたガンダーラの仏像を紹介しました。
ここでは2024年6月現在、開館20周年かつ地元の山梨放送開局70周年記念した
「平山郁夫 ―仏教伝来と旅の軌跡」展
が開催中です。
貴重なアフガニスタンの仏像群
なかなか評価を得られなかった若き平山氏が、ブレイクのきっかけをつかんだのが仏教伝来というテーマ。
平山の出世作《仏教伝来》1959年 が展示中
苦難の旅を経てインドから経典を持ち帰った玄奘三蔵の足跡をもとめて、実際に現地を旅しました。
そこで見た、中央アジアの風景と仏教の道が、数々の名作を生みました。
失ったものは戻ってこない。《バーミアン大石仏を偲ぶ》2001年
筆者が今回の展示で目に止まった絵画のひとつがバーミヤン大仏の姿。
これはタリバンによって爆破される前の姿で、今はもう見られません。
平山氏は、爆破後のバーミヤン遺跡の保全についての国際会議に参加し、現状保全を各国に訴えました。
過度な修復で作り変えるのでなく、後世に渡って宗教間の争いを考えていくため、この状態で残そうという考えがあったそうです。
元NHKプロデューサーで、平山郁夫氏と共にシルクロードを調査してきた井上隆史さんの解説で、このようなバーミヤンの魅力とその状況がよくわかりました。
秘蔵映像を用いてバーミヤンの歴史と意義を語る井上隆史氏
インドへ旅する僧たちを描いた《天山南路 夜》も並ぶ
いつの世も宗教の争いは歴史に傷を残すもので、僕が今勉強している明治日本の神仏分離、廃仏毀釈の歴史も、バーミヤンとはスケールも事情も異なるけれど宗教の摩擦による破壊がありました。
美術館館長の平山東子さん。「平山郁夫 ―仏教伝来と旅の軌跡」展は2024年3月23日(土)~9月9日(月)まで開催
また、京都で開催中の「文明の十字路・バーミヤン大仏の太陽神と弥勒信仰」展は秋に東京に巡回しますから、2024年はグローバルな仏教世界に目を向けるよいきっかけが得られそうですね。
それでは聴いてください。
ザ・ブッツで「川のほとりで」
平山郁夫シルクロード美術館
https://www.silkroad-museum.jp/
「平山郁夫 ―仏教伝来と旅の軌跡」展は2024年3月23日(土)~9月9日(月)
(前回記事)
ガンダーラ仏 菩薩の見分け方を知る
https://www.butuzou-world.com/column/miyazawa/20240521-2/
--おしらせ---
本コラム筆者・宮澤やすみ関連情報
1.
渋谷の大人エリア・松濤で再始動
【チルやすみ in SHOTO】
宮澤やすみの三味線ソロライブ。
ちいさなバーで、夕暮れ時にまったりと
疲れを癒す、心地よい三味線の音と歌。
三味線好きな方は至近距離で生音をお聴き
いただけるこの機会お見逃しなく。
会場はシックなバー。お茶やお酒とともに
くつろいでお過ごしください。
詳細、ご予約は
https://yasumimiyazawa.com/live.html
2.
仏像や古代史を歌ったザ・ブッツの新作アルバム『時の水辺』。
ご購入いただけると活動存続の助けになります。応援よろしくお願いいたします。
プレーヤー不要。スマホですぐ聴けるQRコード付きブックレットです(CDも付いてます)。
詳細のご紹介は
↓↓↓
http://yasumimiyazawa.com/buttz/tokinomizube.html
雅楽の笙や篳篥も入った独特のサウンドで、「聴いたことないけど、どこか懐かしい」大人むけのロックです
収録曲:
1.Fantastic Dystopia
2.一木造
3.Shami on The Water
4.川のほとりで
5.Benzai-Tennyo
6.Black Etenraku
7.北斗星
8.いけるとこまで
ほか、付録CDにボーナストラック
宮澤やすみ公式サイト:http://yasumimiyazawa.com
宮澤やすみツイッター:https://twitter.com/yasumi_m