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第392回 新潟・弥彦神社の神仏分離-阿弥陀如来と毘沙門天-
”神仏習合/分離をものがたる興味深い仏像に出会いました--”
音楽家で神仏研究家の宮澤やすみが、仏像とその周辺をブツブツ語る連載エッセイ。
こんにちは。都内のミュージック・バーで江戸の小唄を演奏してきた宮澤やすみです。ロックやポップスの人たちも食い入るように聴いて楽しんでくれました。
そんな中、この連載では美術展の話が続いたので、たまには別の話題を。
昨年行ってきた、新潟県弥彦村の弥彦神社。
夜の雪景色がとてもきれいで、一度行ってみたかった神社です。
弥彦神社・本殿。背後は弥彦山
で、ここもやはり神仏分離により、かつて安置されていた仏像が近隣にあるというので、取材に行ったのでした。
わたくしのテーマであります神仏習合/分離をものがたる興味深い仏像に出会いました。
何度もこの連載に書いているように、神社に仏像を祀るのを禁じた「神仏判然令」が発布されたのが慶応四年(明治元年)のこと。
ここ弥彦村でもそれに従い、神社を管理していた神宮寺をはじめ境内の仏教寺院は廃絶します(明治2年)。ご祭神の本地仏であった阿弥陀如来も廃棄されそうになります。
本地仏とは、神の本体とされる仏のことで、明治より前まではカミとホトケは一対で関連づけられていたのでした。
宝光院の阿弥陀堂にある弥彦神社本地仏・阿弥陀如来坐像
なんとか廃棄を免れた本地仏ほかいくつかの仏像は、そこから紆余曲折あって、近隣で唯一存続した宝光院の先々代住職が一念発起して引き取ることになりました。大きな本地仏・阿弥陀如来の座像が阿弥陀堂に安置されたのが明治30年だそう。そのころの記録はもう残っていないそうです。
同じ阿弥陀堂の脇に安置された毘沙門天(鎌倉時代作)も破却を免れてここにある
毘沙門天は井戸の中に隠されたそうで、水に浸かった足元だけ腐り修復されている
こうした話は、宝光院のご住職にお話をうかがってわかったことで、宝光院のお寺のしおりにも書かれています。
明治の神仏分離については、当時のいきさつが語られることが少ないため、今のうちに聞いておかないと永遠にわからなくなってしまいますのでね、取材してよかったです。
弥彦神社の北側に位置する宝光院。神社のにぎわいから離れてとても静かな境内
こうした話は、早稲田大学オープンカレッジで画像(この連載には載せていないもの多数)を使って話していますので、もし興味あったらご聴講ください。
夏期の回は今週末からです。まだ間に合うんじゃないでしょうか。
「教員紹介」による割引制度もあるので、この記事下の「おしらせ」を見てみてくださいね。
弥彦神社自体もとても興味深いところだったので、タイミングみてまたご紹介します。
それでは聴いてください。
ザ・ブッツ(THE BUTTZ)で『むかえにきたよ』。
--おしらせ---
本コラム筆者・宮澤やすみ関連情報
1.
早稲田大学オープンカレッジ 夏講座(全3回)
一般受付開始。申込時「教員紹介」を選択で割引になります。
【神と仏 1300年の愛憎関係】
-神仏習合から廃仏へ-
https://www.wuext.waseda.jp/course/detail/61917/
2.
仏像や古代史を歌ったザ・ブッツの新作アルバム『時の水辺』。
ご購入いただけると活動存続の助けになります。応援よろしくお願いいたします。
プレーヤー不要。スマホですぐ聴けるQRコード付きブックレットです(CDも付いてます)。
詳細のご紹介は
↓↓↓
http://yasumimiyazawa.com/buttz/tokinomizube.html
雅楽の笙や篳篥も入った独特のサウンドで、「聴いたことないけど、どこか懐かしい」大人むけのロックです
収録曲:
1.Fantastic Dystopia
2.一木造
3.Shami on The Water
4.川のほとりで
5.Benzai-Tennyo
6.Black Etenraku
7.北斗星
8.いけるとこまで
ほか、付録CDにボーナストラック
宮澤やすみ公式サイト:http://yasumimiyazawa.com
宮澤やすみツイッター:https://twitter.com/yasumi_m
音楽家で神仏研究家の宮澤やすみが、仏像とその周辺をブツブツ語る連載エッセイ。
こんにちは。都内のミュージック・バーで江戸の小唄を演奏してきた宮澤やすみです。ロックやポップスの人たちも食い入るように聴いて楽しんでくれました。
そんな中、この連載では美術展の話が続いたので、たまには別の話題を。
昨年行ってきた、新潟県弥彦村の弥彦神社。
夜の雪景色がとてもきれいで、一度行ってみたかった神社です。
弥彦神社・本殿。背後は弥彦山
で、ここもやはり神仏分離により、かつて安置されていた仏像が近隣にあるというので、取材に行ったのでした。
わたくしのテーマであります神仏習合/分離をものがたる興味深い仏像に出会いました。
何度もこの連載に書いているように、神社に仏像を祀るのを禁じた「神仏判然令」が発布されたのが慶応四年(明治元年)のこと。
ここ弥彦村でもそれに従い、神社を管理していた神宮寺をはじめ境内の仏教寺院は廃絶します(明治2年)。ご祭神の本地仏であった阿弥陀如来も廃棄されそうになります。
本地仏とは、神の本体とされる仏のことで、明治より前まではカミとホトケは一対で関連づけられていたのでした。
宝光院の阿弥陀堂にある弥彦神社本地仏・阿弥陀如来坐像
なんとか廃棄を免れた本地仏ほかいくつかの仏像は、そこから紆余曲折あって、近隣で唯一存続した宝光院の先々代住職が一念発起して引き取ることになりました。大きな本地仏・阿弥陀如来の座像が阿弥陀堂に安置されたのが明治30年だそう。そのころの記録はもう残っていないそうです。
同じ阿弥陀堂の脇に安置された毘沙門天(鎌倉時代作)も破却を免れてここにある
毘沙門天は井戸の中に隠されたそうで、水に浸かった足元だけ腐り修復されている
こうした話は、宝光院のご住職にお話をうかがってわかったことで、宝光院のお寺のしおりにも書かれています。
明治の神仏分離については、当時のいきさつが語られることが少ないため、今のうちに聞いておかないと永遠にわからなくなってしまいますのでね、取材してよかったです。
弥彦神社の北側に位置する宝光院。神社のにぎわいから離れてとても静かな境内
こうした話は、早稲田大学オープンカレッジで画像(この連載には載せていないもの多数)を使って話していますので、もし興味あったらご聴講ください。
夏期の回は今週末からです。まだ間に合うんじゃないでしょうか。
「教員紹介」による割引制度もあるので、この記事下の「おしらせ」を見てみてくださいね。
弥彦神社自体もとても興味深いところだったので、タイミングみてまたご紹介します。
それでは聴いてください。
ザ・ブッツ(THE BUTTZ)で『むかえにきたよ』。
--おしらせ---
本コラム筆者・宮澤やすみ関連情報
1.
早稲田大学オープンカレッジ 夏講座(全3回)
一般受付開始。申込時「教員紹介」を選択で割引になります。
【神と仏 1300年の愛憎関係】
-神仏習合から廃仏へ-
https://www.wuext.waseda.jp/course/detail/61917/
2.
仏像や古代史を歌ったザ・ブッツの新作アルバム『時の水辺』。
ご購入いただけると活動存続の助けになります。応援よろしくお願いいたします。
プレーヤー不要。スマホですぐ聴けるQRコード付きブックレットです(CDも付いてます)。
詳細のご紹介は
↓↓↓
http://yasumimiyazawa.com/buttz/tokinomizube.html
雅楽の笙や篳篥も入った独特のサウンドで、「聴いたことないけど、どこか懐かしい」大人むけのロックです
収録曲:
1.Fantastic Dystopia
2.一木造
3.Shami on The Water
4.川のほとりで
5.Benzai-Tennyo
6.Black Etenraku
7.北斗星
8.いけるとこまで
ほか、付録CDにボーナストラック
宮澤やすみ公式サイト:http://yasumimiyazawa.com
宮澤やすみツイッター:https://twitter.com/yasumi_m