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第417回 弁財天はなぜヘビ年の主役なのか
”なぜヘビ年に弁財天なのかというと、琵琶をもつ音楽神のイメージとは別の姿が--”
音楽家で神仏研究家の宮澤やすみが、仏像とその周辺をブツブツ語る連載エッセイ。
こんにちは。年末年始はずっと風邪をひいていた宮澤やすみです。
そんな中、令和7年明けましておめでとうございます。
今年は巳年で、仏像界隈では弁財天が主役に躍り出ている感があります。
弁財天というと、世間一般では琵琶を持った美女のイメージがありますが、あれは七福神として登場するときの姿。江戸時代くらいからそんなイメージができたようです。
そもそも、なぜヘビ年に弁財天なのかというと、琵琶をもつ音楽神のイメージとは別の姿があるんですよね。

竹生島・宝厳寺の弁財天
その姿は、弁財天の頭の上に蛇が載っている姿です。
このヘビは、日本古来の神(といっても出自は謎なのですが)である、宇賀神のこと。身体がヘビで頭がおじいさんという異形の神です。
それがとぐろを巻いて、弁財天の頭に載ってるんですが、これが登場したのが鎌倉時代くらいの琵琶湖の竹生島。
その宇賀弁財天の信仰が全国に広まって、海辺とか池とかの水辺に祀られます。
有名なのは広島県・宮島の厳島神社と、神奈川県・江ノ島の江島神社。
東京・上野の不忍池にも弁天堂がありますが、あれは琵琶湖竹生島を模して建てられたもの。
そんなわけで、弁財天は、インド由来の川の女神「弁才天」と日本の宇賀神が合体した、日本独自の神仏習合神なのでした。
いろいろ厳しい昨今ですが、仏教とも神道ともつかないいいとこどりの神サマに、今どき流行りの「多様性」とか「寛容性」というワードを想起してしまいます。
実際、弁財天は仏教由来なのに弁天堂に鳥居があったりしますもんね。そのあいまいさが面白い。
神仏習合を追っているワタクシとしては非常に大事な存在です。
東京には都心の各地にも弁天堂がありますね。新宿の歌舞伎町の中心は昔は池があったそうで、その名残で弁天堂が建っています。
井の頭公園の池にも弁天堂がありますね。カップルがボートに乗ると別れるという都市伝説は弁天様のしわざといわれます。

新宿・歌舞伎町弁財天境内の石像。歌舞伎町には美人の姿が似合う
というわけで、年明けの一曲目はわたくしの持ち曲「Benzai-Tennyo」をお聴きください。
それでは聴いてください。
ザ・ブッツ(The Buttz)で「Benzai-Tennyo」。
■あわせて読む(関連記事)
東京ディープエリアに潜む女神・歌舞伎町弁財天
https://www.butuzou-world.com/column/miyazawa/20230711-2/
仏像が神社に?弁財天のひみつ
https://www.butuzou-world.com/column/miyazawa/20180820-2/
檜原村の九頭竜神社で天河弁財天を思う
https://www.butuzou-world.com/column/miyazawa/20220802-2/
--おしらせ---
本コラム筆者・宮澤やすみ関連情報
1.
早稲田大学オープンカレッジ 冬講座(全3回)
早稲田大学エクステンションセンター中野校にて2025年2月から
【神と仏 1300年の愛憎関係】
-神仏習合から廃仏へ-
https://www.wuext.waseda.jp/course/detail/63518/
2.
東京長浜観音堂フィナーレイベント
「びわ湖・長浜の観音文化~これからもまもりつづけるために~」
令和7年2月22日(土)13時00分~16時00分(開場12時30分)
東京国立博物館 平成館大講堂(東京都台東区上野公園13-9)
前半は山本勉先生の講演、後半は宮澤やすみ含む仏像仲間で座談会
入場無料、事前申込制
詳細、申込は↓
https://www.city.nagahama.lg.jp/0000015119.html
Facebook:
https://www.facebook.com/photo/?fbid=1017417643754835&set=a.477011294462142
X(旧Twitter):
https://x.com/nagahama_kannon/status/1870662612054417508
宮澤やすみ出演情報(これからとこれまで)まとめ
https://yasumimiyazawa.com/live.html
宮澤やすみ公式サイト:https://yasumimiyazawa.com
音楽家で神仏研究家の宮澤やすみが、仏像とその周辺をブツブツ語る連載エッセイ。
こんにちは。年末年始はずっと風邪をひいていた宮澤やすみです。
そんな中、令和7年明けましておめでとうございます。
今年は巳年で、仏像界隈では弁財天が主役に躍り出ている感があります。
弁財天というと、世間一般では琵琶を持った美女のイメージがありますが、あれは七福神として登場するときの姿。江戸時代くらいからそんなイメージができたようです。
そもそも、なぜヘビ年に弁財天なのかというと、琵琶をもつ音楽神のイメージとは別の姿があるんですよね。

竹生島・宝厳寺の弁財天
その姿は、弁財天の頭の上に蛇が載っている姿です。
このヘビは、日本古来の神(といっても出自は謎なのですが)である、宇賀神のこと。身体がヘビで頭がおじいさんという異形の神です。
それがとぐろを巻いて、弁財天の頭に載ってるんですが、これが登場したのが鎌倉時代くらいの琵琶湖の竹生島。
その宇賀弁財天の信仰が全国に広まって、海辺とか池とかの水辺に祀られます。
有名なのは広島県・宮島の厳島神社と、神奈川県・江ノ島の江島神社。
東京・上野の不忍池にも弁天堂がありますが、あれは琵琶湖竹生島を模して建てられたもの。
そんなわけで、弁財天は、インド由来の川の女神「弁才天」と日本の宇賀神が合体した、日本独自の神仏習合神なのでした。
いろいろ厳しい昨今ですが、仏教とも神道ともつかないいいとこどりの神サマに、今どき流行りの「多様性」とか「寛容性」というワードを想起してしまいます。
実際、弁財天は仏教由来なのに弁天堂に鳥居があったりしますもんね。そのあいまいさが面白い。
神仏習合を追っているワタクシとしては非常に大事な存在です。
東京には都心の各地にも弁天堂がありますね。新宿の歌舞伎町の中心は昔は池があったそうで、その名残で弁天堂が建っています。
井の頭公園の池にも弁天堂がありますね。カップルがボートに乗ると別れるという都市伝説は弁天様のしわざといわれます。

新宿・歌舞伎町弁財天境内の石像。歌舞伎町には美人の姿が似合う
というわけで、年明けの一曲目はわたくしの持ち曲「Benzai-Tennyo」をお聴きください。
それでは聴いてください。
ザ・ブッツ(The Buttz)で「Benzai-Tennyo」。
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--おしらせ---
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早稲田大学エクステンションセンター中野校にて2025年2月から
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2.
東京長浜観音堂フィナーレイベント
「びわ湖・長浜の観音文化~これからもまもりつづけるために~」
令和7年2月22日(土)13時00分~16時00分(開場12時30分)
東京国立博物館 平成館大講堂(東京都台東区上野公園13-9)
前半は山本勉先生の講演、後半は宮澤やすみ含む仏像仲間で座談会
入場無料、事前申込制
詳細、申込は↓
https://www.city.nagahama.lg.jp/0000015119.html
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宮澤やすみ出演情報(これからとこれまで)まとめ
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宮澤やすみ公式サイト:https://yasumimiyazawa.com