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仏像を“テツガク”する会 第4回 イベントレポート(後編)


第4回「仏像への興味は、年齢や男女で異なるのか?」

2018年12月7日、東京 表参道で開催された、第4回「仏像を“テツガク”する会」
前編では、仏像を見るときの「年齢」や「時」をめぐる対話についてご紹介しました。
後編では、「仏像への興味は、男女で異なるのか?」という問いに関する対話をご紹介します。

参加者の男性からは、伐折羅など、十二神将の仏像をカッコいいと感じるとの意見が多数寄せられました。それはちょうど、ヒーローのカッコよさに似ていて、怖い感じさえも魅力だと言うのです。


「仏像の何を見るか?」という問いについては、男性陣が「どんな武器を持っているか」に注目すると答えたのに対して、女性の参加者たちは、武器には目が向かないと答えていました。
そして女性陣からは、仏像の「整った顔や肉体美」を見るのが好きという意見が多数寄せられました。アイドルを見る感覚に近く、帝釈天は、若いときの松平健さんや真剣佑さん(千葉真一さんの長男)に似ているとの意見も。すべての女性がそうとは限らないでしょうが、男性と女性とでは、仏像に注目する部分が違うようです。



では、人間のアイドルを見るのと、アイドルのような仏像を見るのとでは、何か違いがあるのでしょうか。

この問いについて最初に出た意見は、ファーストインプレッションは同じで、ヴィジュアルで見ているというものでした。しかし、人間の場合は、性格の良し悪しなど、見た目以外も気になるのに対して、
仏像は、無限で完璧な存在で裏切らないという点で、両者は違うのではないか
と考える方もいらっしゃいました。
今回は、年齢や性別の異なる多種多様な皆さまとともに、仏像の見方や感じ方の謎について問い、思索を深めました。子供から大人になるまでの間に、仏像の見方や感じ方がどうして変わってくるのか、
これまで考えてこなかったけれど、もっと深掘りしてみたくなった
という嬉しい感想も。


仏像について、多種多様な皆さまと直接対話し、哲学的に思索を深めることで、仏像の見方や感じ方は、より豊かになっていくのかもしれません。

こちらのコラムをご覧の皆さまも、「仏像を“テツガク”する会」にぜひ参加してみてください。
※ラジオパーソナリティーの佐藤理香さんが、今回参加された感想をボイスメディアで配信しています。こちらもあわせて、ご視聴ください。https://voicy.jp/channel/541/34561

進行役 & 執筆者 吉田幸司
博士(哲学)。日本学術振興会特別研究員PD(東京大学)を経て、現在、クロス・フィロソフィーズ(株)代表取締役。上智大学非常勤講師、哲学シンキング研究所センター長などを兼任。共著書にBeyond Superlatives(Cambridge Scholars Publishing)など。
Website: http://c-philos.com/