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出雲仏像の旅2 -大寺の四天王-

出雲まで旅してきました。

出雲大社とその周辺をめぐった翌日は、大寺薬師へ。

ここがなかなかすごかった。


こんなふうに睨まれたら身動きできません

薬師如来と日光、月光菩薩の三尊に、観音菩薩が2体。
そして、2mを超す四天王の存在感!

一木造で、ボリューム感たっぷりの彫刻は、平安時代前期、貞観様式とも言われるスタイルです。
重装備の甲冑を力強く彫刻しています。


多聞天・量感あふれる表現はこの時代特有

ところどころに見られる渦文もこの時代の特徴。


広目天・クールな顔にベルトの獣面がおしゃれ

持国天と増長天は、短い動画でどうぞ。より臨場感が感じられると思います。


(キャプション:持国天・高橋英樹みたいな?芝居がかった顔)


増長天・憤怒の威嚇。そしてボロボロに傷ついた身体に感涙!

大寺の正式名は万福寺といい、現在地より300mほど山奥に立地していたそうです。
しかし江戸時代の土砂崩れで崩壊、仏像だけが助け出され現在地へ。

そんなわけで、お寺の記録が残っていないので詳細はわかりません。行基創建の伝承もあって古いお寺ではありそう(伝承は鵜呑みにはできないけど時代背景の目安にはなるのです)。

しかし、これだけ立派な仏像があったということは、かなりの大伽藍だったのでは。
なお、この地域の北西には有名な古刹・鰐淵寺もあり、古くからヤマト王権と結びついていた地域ではあります(次回もそのへん触れます)。

なにしろ、詳しくわからないところが、かえって想像を掻き立てて、歴史ロマンの世界へ誘われるのですね。

そんな大寺ですが、写真のとおり、最寄り駅はこんな感じ。


これが駅前!ひなびた風景の中に大寺があります

ここを通る一畑電車の路線は、全区間乗りました(ワタクシ鉄道好きでもあるもので…)。
その中でも、もっともローカルな風景が見られるのが、ここ大寺を含む鳶巣(とびす)地区でした。

歴史を感じる旧道も残っていて、鉄道+徒歩でないと見落としてしまうような風景も堪能してきました。


祠のむこうに、何かありそう…

1000年以上前には、どんな様子だったんだろうと想像がふくらみます。

次回は、大寺の薬師如来と菩薩、その他をご紹介します!