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第2部 #彫刻刀屋さんとつながりたい 第7回 土田刃物店さんに行ってみた

こんにちは! 一笑仏工房の中の人、あんどぅ☆ななせです( ^ω^ )


・・・前回までのあらすじ・・・
未知の素晴らしい彫刻刀があるなら出会いたい! そして親しくお付き合い出来る彫刻刀屋さんと出会いたい! そんな思いを胸に、横のつながりが薄い彫刻界を横断して情報をゲットしようと右往左往。シドロモドロ工作所の田島享央己さんの本から土田刃物店にたどり着き…
・・・あらすじ終わり・・・


というわけで、行って来ましたよ! 土田刃物店@三軒茶屋~!


三軒茶屋駅を出て、アーケードになっている商店街を数分歩くとビルの隙間に土田刃物店さんを発見。この隙間っぷりは村上春樹に描写して欲しいぐらいだ!


店と言っても古くて狭い入り口は知らないおばあちゃんちのよう…
恐る恐る近づくと、中にいたおじいちゃんが引き戸を開けてくれました。

「あの~~彫刻刀が欲しいんですが…」

するとおじいちゃんが奥に声をかけてくれました。
「彫刻刀のお客さんだよー」

今から思うとおじいちゃんは常連の大工さんだったのかもしれません。なんかそんな格好でした(描写雑)。
奥から出て来たのがご主人の土田さん。


快く取材に応じてくださいました! ありがとうございます!! このごちゃ~っとした感じがたまらないです( ^ω^ )



で、事前のTwitter調べによると、土田刃物店さんは商品が並んでいるわけではないので、「こんなものが欲しい」と説明しなければいけないらしい!
そこで、今作っている狛犬の綺麗に出来ないところを相談してみました!



折しもこの日は横殴りの雨。作品を持ち歩くのは億劫だったので写真を見てもらいました。「こういう狛犬なんですが…」




「お腹の部分に刃が入りにくくて、曲がりの彫刻刀でどうにかこうにかやったんですが、無理があって。こういう部分が綺麗に彫り出せる彫刻刀ってありますか?」
と聞いてみました!
木の構造上、逆目になる部分なので、奥から手前に刃を引かないと綺麗に切れない部分なんですが、手足が邪魔で刃が入らないんです。
もう少し大きなものなら、手足を切って組み立て式にするんでしょうけどね。


すると土田さん、色々とお話をしてくださいました!
まず、「彫刻刀は扱ってないです。趣味でやってるようなものです。」とのこと!


な、なんですとー!
田島享央己さんの本で、田島さんがここの道具を使っているのを知って来たのですが…と伝えると、
「もともと大工道具が専門のお店で、鍛冶屋と多く付き合っているうちに遊びで彫刻刀も作るようになった。田島くんなど木彫家に使ってもらうことはあるけど売り物としては作ってないよ」ということでした!

で、田島さんの本にも載っているもう1つの刃物屋さん「小信」(このぶ)
のところならそういう注文を聞いてくれるから、行ってみるといいよ! とのことでした!
しかも「すごい良い人だから!」とのこと。

わかりました~~小信さんのところに行ってみます!!(^◇^;)


というわけなんですが、この土田さん、とても面白い方で、話が弾む弾む…!
私のような地下300階芸人にも丁寧にお話をしてくださって、木彫刻界のことなど、色々伺いました。船越桂さん、籔内佐斗司さん、田島享央己さんという三大売れてる木彫家の裏話など…(うしし)。



それはさておき、小信というのは代々続いている鍛冶屋さんで、大工道具も彫刻道具もひっくるめて、全刃物界でトップに君臨している刃物屋さんだそうで。
当代のサイトウさん(左小信)は70歳過ぎの方で、後継ぎはいません。
お弟子さんは以前いたものの、やはり食えない仕事なので続けられなかったんですね…。
今から弟子を取っても、基本の刃物で600種、それから特殊な刃物があるので、とても教えらません。
貴重な技術が消え去るしかない現実…残念ですね…。
これだけのためにも社会主義革命起こすべき(T . T)

以前こちらのコラムでご紹介した宗意刃物店さんや光雲さんに卸している職人さんも、みんな小信系なんですって!

「量販店で売っている〇〇さんの彫刻刀とか、機械で作っている彫刻刀ってどうなんですか?」と聞いてみましたが、やはり材料や手間の違いから、長切れしないので使いにくいそうです。それはあんどぅ☆の今までの結論と合致していました!


研ぎが苦手で~と言ったら、持ってくれば切れない原因を教えてあげられるよ! とのことなので、今度自分で研いだ刃を持って行って見てもらおうと思います~!


いや~~勉強になりました。
ところで最近、次回作の研究のために「ゲゲゲの鬼太郎」の原作漫画を読んでいるのですが。そこで思いましたね。
私も色々と貧困ネタを書いていますが、まだまだだな、と。
ねずみ男ぐらいになれないとダメだな、と!

という話を土田さんにしたら、(どういう話の流れだw)
「貧乏話なら松本零士の『男おいどん』が面白いよ!」
と教えてくれました!


何それ面白そう!!


というわけでw
次回は小信さんを訪ねてみようと思います。