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第2部 #彫刻刀屋さんとつながりたい 第12回 小信さんとこ行ってみました(3)

こんにちは!一笑仏工房の中の人、あんどぅ☆ななせです( ^ω^ )

・・・前回までのあらすじ・・・
未知の素晴らしい彫刻刀があるなら出会いたい!そして親しくお付き合い出来る彫刻刀屋さんと出会いたい!そんな思いを胸に、横のつながりが薄い彫刻界を横断して情報をゲットしようと右往左往。刃物界のトップに君臨するという小信の彫刻刀を求め、西東京市の工房にお邪魔してみました!
・・・あらすじ終わり・・・

前回から引き続き、小信さんとこの取材レポートです!
今回は小信のおじいちゃんに伺ったお話をメインにお届けしたいと思いますが…

まずは見てください!この円盤の山!!








これ、「この大きさの彫刻刀・ノミが欲しい」というような注文に対応するために必要なんです。
宮大工さんなどは、ハガキにノミの刃先を押し付けて、「これと同じものを作ってくれ」と注文して来ます。
大量生産の機械では、一定の大きさで大量に作らなければ利益が出ず、頻繁に作る刃のサイズを変更することが出来ないので、サイズの種類が限られているんです。要は、デジタル。
アナログ対応できるのは、手打ちの職人のみ…っ!!



小信のおじいちゃんは語ります。
「若い人に、もっと作ること、木工などに親しんでもらいたいです。
日本は木の文化の国ですから。
今の人はネットで情報が溢れているけど、職人の仕事を目にすることが無く、本当のことを知らないですね。」


本当にそうですね…。
若い人がもっと木工に親しめば、彫刻刀の需要も増えるはずなんですが…。
この宝の山が失われてしまうのは、本当に勿体無いです。なんとかしたいです。

「年取ってから趣味で彫刻を始める方もいますが、せっかく彫刻刀を買っても研げなくて、離れていく人が多いです。」

そうなんですよね!研ぎは彫刻の最初の難関で…。私も悩みました!まだ苦労してます!(^_^;)
自分の場合、手研ぎが苦手で時間がかかるので、研磨機で荒研ぎから仕上げまでビビビとやってしまうのですが・・・

「手で研げなくては、研磨機の当て方も分からないです。研磨機に刃を付けるとどんどん減るし、熱を持って傷んでしまいます。
仕上げでちょっとバフに当てて、何回か切れ味を復活させるのに使う程度がいいですね」


ですよねー!(T . T)
やっぱり研磨機からは離れるべきなのかな・・・
(と思ったのですが、実はこの取材の後、ある方に研磨機と砥石の併用で刃が傷まない&時短で荒研ぎも出来る方法を伺ったので改めて記事にします!)

「昔は徒弟制度がありましたが、今は25歳とか30歳で入って来ても給料が払えないし、家族も養えない。
男が家族を養う時代ではなくなって来ていますが、まだ過渡期で、今の男性は力が無いですね。女の人の方が元気です。」


そうですね~。男って可哀想だなって思っちゃいます(;^ω^)
でも私なんて、イベントで出店していると、お客さんに「で、仕事は何やっているんですか?」って聞かれちゃうんですよ。
「え?これが仕事ですけど!?彫刻ですけど!?」って思いますけどね、それだけ、こういう仕事が成り立ってないし、世間的にもそう見られているってことですよね。
「女だから(家族を養わなくていいから)、趣味でこういうことも出来るんでしょ?」みたいに言われることもあります。

「女だから出来るんだなんて、そんな風に思わなくていいですよ。
みんなそれぞれ犠牲にするところはあるんです。

うぅ…ありがとうございます。(T . T)
なんだかすごく分かって頂いた上で応援してくれている、暖かい言葉だなぁと・・・泣けて来ました。







それにしても、このノミ・・・
この美しい刃が全て手仕上げとは・・・!
「仕上げも全てヤスリを使っています。時間がかかって儲かりませんが、そういう風にやって来たし、自分はそういう仕事しか出来ません。
ありがたいことに自分らがやっていくだけの注文を頂いて、どうにかやっていますがね」


心なしか、小信のおじいちゃんの目が潤んでいるように見えました。
私も儲からない仕事をしているので、僭越ながらすごく共感してしまいました・・・( > < )




今回で小信さんとこに行ってみた話は終わりですが、ぜひまた注文させて頂きたいです!
日常で木工に親しむ文化をもっと子供達に伝えたいな・・・なんて、モチベーションが上がる、貴重な経験でした!


次回は、とある大手彫刻刀メーカーさんにお邪魔する予定です!