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第2部 #彫刻刀屋さんとつながりたい 第13回 道刃物工業さんの研ぎ機「ミニハイスケアー」の使い方~上手に研いで木彫りを楽しもう(1、前振り)

こんにちは!一笑仏工房の中の人、あんどぅ☆ななせです( ^ω^ )

・・・前回までのあらすじ・・・
未知の素晴らしい彫刻刀があるなら出会いたい!そして親しくお付き合い出来る彫刻刀屋さんと出会いたい!そんな思いを胸に、横のつながりが薄い彫刻界を横断して情報をゲットしようと右往左往。小信の彫刻刀に出会ってその目的は達成出来たのか?次は…
・・・あらすじ終わり・・・


今回は、満を持してと言いますか、彫刻刀メーカーの道刃物工業さんに取材して参りました!
道刃物さんは、創業昭和54年。鎌の下請け工場から始まったそうで、彫刻刀界隈では比較的新しい企業さんなんじゃないでしょうか。

道刃物工業ホームページ
http://www.michihamono.co.jp

今では彫刻刀だけでなく、篆刻・消しゴムハンコの道具や、様々な彫刻道具、研ぎ機なども販売していて、初心者からプロまで彫刻に親しむ人の多くがご存知かと思います!


にっひさんイラストの仏はんこセット~!道刃物さんのショップで購入しました♪




ただ、私もそうなんですが、古くから仏像彫刻をやっている人たちから彫刻を教わったので、使っている道具も古くからの職人さんの道具が多くて、なかなか道刃物さんの道具に親しめないというか、「プロ用ではないかな…?」というような偏見があったんですよね!(ごめんなさい!)

でもよく調べてみると、学校や教室の教材として彫刻刀を提供していたり、木彫りワークショップをやっていたり…
日本の木彫り文化を支え、広めるために物凄く貢献しているじゃないですか!




小信さんのところでは、職人の未来を思い悲しい気持ちにもなりましたが、時代の流れの中で、道刃物さんのような新しい会社が今の世の中にマッチしたやり方で彫刻刀業界を支えてくれるのは、むしろ有難いことなのかもしれないですね!





道刃物さんの彫刻刀は「ハイス鋼」と言う硬度が高い素材を使っているのが特徴。長切れ度合いが通常の3倍!?
削ってみた感じは、切れ味の良し悪しと言うよりかは、なんとなく感触が違うな、と言う印象。
柄の中に十分な長さの刃が入っているし、桜材なので、重さが心地良いです!





で、今までの流れでさっそく道刃物さんの彫刻刀の切れ味を検証…と行きたいところなんですが、そうではなく、
今回は研ぎ機、「ミニハイスケアー」の紹介です!



狭い我が家にも置けるコンパクトボディが嬉しい。ミニハイスケアーちゃん。

と言うのも、実はわたくし、このミニハイスケアー野郎、じゃなかった、ミニハイスケアー様が使いこなせず、長いこと悩んできたと言う経緯がありまして!
ここでコヤツの使い方を徹底的にマスターし、この戦いに勝利して終わりにしたいので!




それに、様々な彫刻刀を見てきましたが、みんなそれなりに切れますし、あとはぶっちゃけ好みと慣れの問題かなと思ったんですよね(・∀・)。
私が「小信がいい!」「宗意がいい!」と言って見たところで、他の人にとって良いとは限らないし、出会って縁があった彫刻刀が、良い彫刻刀なのではないでしょうか。

「出会って縁があった彫刻刀が、良い彫刻刀」
名言出ました!脳にメモっといて!


むしろ、彫刻刀にとって重要なのは、いかに適切に研いであるかということ!
だから、#彫刻刀屋さんとつながりたい の旅はこれにて一旦終了し、最後に道刃物さんの研ぎ機「ミニハイスケアー」の使い方を紹介し、私も木彫り文化を広める一助になりたいと思います!
この研ぎ機、買ったはいいものの使いこなせていない人、結構いるらしいんですよね。






・・・ますます仏像ファンの皆様を置き去りにするニッチ過ぎる内容!
強いて言えば仏師がどうやって彫刻刀を研いでいるのか、想像する一助になるかも!?
余談ですが、稚児地蔵で高名な仏師の堀部幸男さんも、生前の若い頃、昼間は松久朋琳・宗琳の工房に通い、夜はアパートでシコシコ彫刻刀を研ぎ機で研ぎながら、観音様を彫っていたんですって。
仏師のいる場所に研ぎ機あり!
何の話か全然わからんという方、まずは道刃物さんのホームページで彫刻刀と研ぎ機を買って木彫りを始めましょう(・∀・)



木彫りは楽しいですぞ~


さて。
木彫りを始めた人の多くが、まず研ぎで躓きます。
彫刻刀を買って、最初はサクサク切れても、だんだん切れなくなってくるんですよね。
で、ネットや本で調べながら研いでみるんですけど、どうもうまくいかない…切れない…製作中断、となるわけです。

研ぎだけは、ネットや本の情報だけではなかなか分かりません。
上手くいかない原因が何なのか、誰かに直接見て指摘してもらわないと、わからないんですよね。



私自身は、仏像彫刻教室の先生に教わってようやく砥石と研ぎ機で研げるようになりましたが…
砥石は時間がかかるし、教室で使っている研ぎ機と同じものを買おうとすると、ウン十万かかるんです!(°Д°)



もうちょっとリーズナブルな研ぎ機は無いものか…




そこで出会ったのが、道刃物工業さんの研ぎ機、ミニハイスケアーでした!
値段が2万ちょいと手頃ですし、小型で持ち運び可能。知り合いの木工職人さんも使っていてオススメしてくれたので、購入してみたんです。

でも最初は何故だか上手く研げませんでした。
切れるっちゃ切れるんですけど、仏像の仕上げに使えるレベルの切れ味にはならない。その切れ味も3分ぐらいしかもたない。
(仏像を仕上げるときは表面を神業的に滑らかに輝かせるために、物凄くキレッキレの彫刻刀が必要なんです)
教室で使っている研ぎ機と同じように使っているはずなのに…なぜ!?

ある先生に聞いてみると、「回転数が速いし、円盤の径が小さいので刃の面が凹んでしまうから、プロとしてはオススメ出来ない」と言われてしまいました。
そうなるともう、研ぎ機に対する不信感が募って、それ以上は上手く研げない原因を追求する気が失せてしまいました。



そんな中、ひょんな所で道刃物工業の鬼海(きかい)さんという方と会って、直接話す機会がありました!
鬼海さん、私がミニハイスケアーを使いこなせずに苦労している話をブログに書いたら、見ていてくださって、
「あんどぅさんそれは違う!」と内心ツッコミ入れまくっていたようなのです!


そして使い方を直接見聞きして研いでみると…
なんと言うことでしょう!上手く研げたじゃないですかっっ!





何が間違っていたのか?振り返ってみると、私がミニハイスケアーで上手く研げなかった原因は、
1、今までに使った研ぎ機と同じやり方で研ごうとしていた(研ぎ方が間違っていた)
2、ミニハイスケアーではプロレベルの切れ味は出せないのかも、と不信感を持ってしまった


ということだと思います。
なので、どうすればいいかと言うと、

1、ミニハイスケアーに合った正しい研ぎ方で研ぐ!
研ぎ機には、それぞれ個性があります!
基本的には円盤状の砥石やバフが回転して、それに刃を当てるだけなんですけど、回転数や円盤の径の大きさ、バフの素材など、実は多種多様なんです。
刃をどれぐらいの強さで、どれぐらいの時間当てるのかなど、その機械の最適ポイントがわかるまでは、ある程度慣れも必要です。
他の研ぎ機ではない、「ミニハイスケアーに合った正しい研ぎ方」で研ぎましょう!
(私の場合、荒砥を砥石でやりたくなくて、円盤状の荒砥石をミニハイスケアーに付けてやっていたのが間違いでした)
「ミニハイスケアーに合った正しい研ぎ方」は、これからお伝えします!

2、ミニハイスケアーでもプロレベルの切れ味は出せます!
これはもう、そう信じてやってみてください!



というようなことを、ミニハイスケアーで上手く研げない人に直接伝えられればいいのですが、全員と会って話すのは無理ですよね。
どうしたら上手く正しい使い方を伝えられるのか…
道刃物さんのホームページにも使い方は載っていますけど、いかんせん、私のように直接教えてもらうまでは上手く行かない人も多いでしょう…

鬼海さん曰く、「せっかく彫刻刀と研ぎ機を買っても使いこなせずに木彫りから離れていく人が多いです。
正しい研ぎ方を広めるのは我々の使命!



おおおぉ~!
なんとかして正しい使い方を伝えたい!




と言うわけで、ミニハイスケアーを買ったけど上手く研げないという皆さん!
次回からは道刃物工業さんの荒砥石(ダイヤケアー)と研ぎ機(ミニハイスケアー)を使った正しい研ぎ方を、座学の理論と新たに作成した動画を交えて詳しく説明していくので、
よく理解して、まずその通~~~りにやってみてください!
手順を省略したり、小さなことだからと違うことをやってはいけません。
何か間違ったことをやっても直接間違いを指摘することは出来ないので、
とにかくその通~~~りにやってみてください!
その通~~~りにやれば必ず切れ味が復活します!信じて!
と言っても特別に難しいことはなくて、ごく簡単でシンプルなことなんですよ。

簡単に研げれば、木彫りは断然楽しいです♪


木彫りは楽しいですぞ~



続く!