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法隆寺の釈迦三尊像が触れるって?

いま、東京藝術大学と富山県高岡市、南砺市のコラボで、法隆寺金堂の釈迦三尊像を再現するプロジェクトが動いています。

この3月に公開予定で、それに先駆け記者会見があり、取材してきました。

芸大の3D技術でスキャンし、高岡市の鋳物と南砺市の木彫職人が完全再現。
仏像、台座とも公開に向けて古色仕上げの作業中でした。


藝大の学生さんが仕上げを担当

今回強調されていたのは、文化財の「クローン」ということ。

似せて作った「レプリカ」ではなく、精巧にスキャンして、現物とまったく同じ造形で造り上げる。だから「クローン」。
そうすると、現物は外に持ち出したり、まして手で触れるなんて厳禁なのが、クローンなら自由に持ち出せて触ることも可能、未来にむけて古式の文化財のよさを継承できる、というのです。


脇侍の菩薩像も完成間近

神社の世界では、伊勢神宮の式年遷宮のように、まったく同じものを繰り返し作ることで技術や文化の継承を行ってます。それを仏像の世界でもやってみた格好ですね。
この先の文化の伝承を考えたとき、これはこれで良い事なんじゃないでしょうか。


飛鳥仏、古代の微笑

法隆寺金堂の本物は、あまりにも貴重で神聖ですから、とても近づけないです。本物は本物でお堂に鎮座してもらって、クローンさんは、外に出て大いにファンサービス(笑)をしていただきたいです。

じつは、僕の仏像人生の原点こそ、まさにこの仏像なんです。

小学生の時、金堂の奥の暗がりに鎮座するようすを見て、「秘密基地にいるマジンガーZみたい!」と大興奮したのが、すべての始まりでした。

私にとって思い入れのある仏像。クローンとはいえ、それに手を触れることができるんですよ。なんだかんだ言ってやっぱり興奮します!

触ると金属ながら柔らかい印象で、指で軽く弾くと「ボーーンォンォンォン…」と梵鐘のような音。やっぱり金堂仏も良い音するんです!ちょっとした発見ですね。
見るだけでなく、触感や音でも感じることができるなんて、これまでにない仏像体験。クローン文化財は、今後の美術界で大事なキーワードになっていくんじゃないでしょうか。


銅の厚みも本物と同じ


本物はこんなアップで撮れません(そもそも撮影禁止)

3/10から高岡市「ウイング・ウイング高岡」4階ホールで公開。現地でも触れる展示にするそうです。
金堂壁画のクローンも使い内陣を再現するそうです。


公開日には古色や錆など完璧に再現