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日吉大社の目黒不動尊ー山の神と猿神のナゾ

前回に続き、びわ湖・大津の旅で訪れた日吉大社にて。
東京・目黒とのつながりが見えた話です。

目黒不動尊・瀧泉寺は天台宗のお寺で、天台宗の守護神である日吉大社と関係が深いというのが、前記事までのお話。

さて、目黒不動尊の本堂裏手にいくと、大行事権現という神をまつる祠があります。


こちらは東京・目黒。本堂の裏手の小さな祠

これも比叡山全体の守り神の一社にあたりまして、日吉大社の境内にりっぱなお社があります。
日吉大社の東本宮の、本殿裏手にありました。


こちらは日吉大社。東本宮の最奥部に鎮座

お社の名前は大物忌神社(おおものいみじんじゃ)。
祭神名は、大年神(おおとしのかみ)とあります。
大行事権現という呼称は、神仏習合時代の呼び方なので、神仏分離後は大年神なんですね。
明治を境に、祭神の呼び方が変わるのはよくあることです。


神社の看板の説明が参考になります

この大年神=大行事権現の姿が面白い。
猿の顔をしているんです。
上の写真のほか、検索すればいろいろ出ます。

日吉大社といえば猿とされて、境内のあちこちに猿の彫刻がありますし、神猿(まさる)が飼育されているそうです。

その由来ははっきりしないのですが、日吉大社=猿というイメージは、この大年神に由来するのでしょうか。単なる神の使いとなる獣ではなく、神の姿そのものというわけ。
そこから、京都では鬼門の方位除けや魔除けのアイテムに猿が用いられます。
大年神さま、社殿は小さいけれど、じつは主祭神を見守る「陰の主役」なのかもしれませんね。


日吉大社鳥居。右手前の「猿塚」は古墳の石棺なんだそうです。古代史むきだし!

さらに、猿を十二支の「申」と読むと、申の方位はいわゆる「裏鬼門」。
東京の目黒不動尊は、まさに江戸城の裏鬼門に位置するんですよね。
目黒不動尊は江戸城よりだいぶ古いのに、その地に猿神である大年神=大行事権現が祀られるのは、実にうまくできています。
うまく出来すぎているというか・・・これは推測ですが、徳川幕府が江戸守護のために祀らせたのでしょうか? このへんいつか取材してみましょう。

またまた、謎が謎を呼ぶ展開になってしまいました。

ちなみに、江戸の猿の話。江戸城の鬼門の方には上野や浅草が当たりますが、
浅草寺の五重塔の鬼瓦は、江戸城に向く方位のところだけ猿面になってます。
また、上野の下谷神社は主祭神が大年神。これも江戸城の鬼門に位置しています。

どこまでが意図的でどこまでが偶然なのかわかりませんが、どうやら都の守護には猿(申)が深くかかわっているようです。