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奈良のスター仏像が東京に|特別展「大和四寺のみほとけ」
こんにちは。ここしばらく自分の仏像ソングアルバム(タイトルは『末法思想』に決定!)制作に没頭している引きこもりの宮澤やすみですが、都内の博物館取材やツアーガイド仕事で社会と接点をつないでおります。
前回に続いて東京国立博物館の取材ですが、先週から始まっているのが「大和四寺のみほとけ」展。
仏教伝来間もない飛鳥時代からの古刹に伝わる仏像がずらり。古代史ファン、仏像ファンともワクワクが止まらない展示になっています。
今回注目の四寺とは、長谷寺、室生寺、岡寺、安倍文殊院のこと。
仏像初心者の方も、どこかで見たことのあるはずの有名な仏像たちが目の前に。これは興奮しますよ。
展示のようす。内覧会にて許可を得て撮影
展示室の右側にちょこんと座っているのは、岡寺の菩薩半跏像。1300年くらい前にさかのぼる大変貴重な古仏ですが、小さくて童顔でほんとうにカワイイ。
そして、展示室奥のステージに立つのは、有名な室生寺の十一面観音菩薩さん。
ふっくらほっぺに小さなお口。唇の紅がしっかり残っていて女性的な美しさなのですが、目つきは厳しく、胸板も男性的。しかし腰のくびれぐあいはなまめかしい、という、性別を超越した美しさが間近で堪能できます。
筆者もこれまで何度もお目にかかった美仏ですが、あらためて眼前にいると、その圧倒的魅力にクラクラしますね。
室生寺の地蔵菩薩と十一面観音菩薩。光背の極彩色の絵がすばらしく歴史的にも貴重な史料となっています
ちなみに、以前はテレビ番組で、長谷寺と室生寺を案内させてもらいました(過去記事)。
その時は金堂内陣での撮影もあり、貴重な経験をさせていただきました。
室生寺金堂にて。女優・相武紗季さんとの奈良聖地めぐりでした
しかも女優の相武紗季さんとご一緒でき、あのロケは私の人生のハイライトでした(笑)
それはさておき、大和四寺の展示です。
室生寺の仏像ではもう一体、国宝の釈迦如来坐像もお出ましです。鋭い衣文線に注目。
前回東京で展示されたときはガラス越しでしたが今回はガラス無し。裏側も見やすく存在感がダイレクトに伝わります。
展示のようす。流麗な衣文線が美しい室生寺の釈迦如来坐像
長谷寺の仏像は、さすがに10mのご本尊はムリですが、こちらの十一面観音さんは、貫主さまの寝所に安置されている仏像。
安倍文殊院からは、本尊・文殊菩薩(快慶作)の胎内に収められていたという貴重な納入物が展示。
この四寺を軸に、基本をおさらいすると、仏教以前の日本、古代ヤマト王権の中枢は、奈良盆地の南端・三輪山が中心でした。
この山をご神体としてその西側に政治の中枢ができました。
箸墓古墳をはじめとする古墳群や、纏向遺跡で知られる場所です。
ここに仏教が伝来して、数々の寺院が建って、以降の歴史が動いていくのでありました。
安倍文殊院は、大化の改新があった645年の創建。岡寺も飛鳥の古いお寺。
長谷寺は、大和の政権中枢からみて三輪山の裏側、つまり東側に位置し、その先には伊勢神宮があるという重要地点です。
室生寺も大和-伊勢ラインの山中にある聖地がもとになって、寺院が開かれたのでした。
どれも、古い日本の時代をリードした重要な寺院です。
東京国立博物館の本館11室(正面入って右手)での展示です。
特別企画 奈良大和四寺のみほとけ
東京国立博物館 本館11室
2019年6月18日(火) ~9月23日(月・祝)
詳細は東京国立博物館のHP
https://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=1966
---おしらせ---
本コラム著者・宮澤やすみ出演
【復活!! 仏像ライブ】
7月27日(土)13時/15時 各回先着25名限定 入場無料
イスム表参道店にて
出演:宮澤やすみ and The Buttz
宮澤やすみ氏率いる仏像バンド、THE BUTTZ(ザ・ブッツ)の仏像トークとミニライブ。
テーマは「仏像の原点」海外文化だった仏像をどう受容したのか?
仏像ショップ・イスム表参道店でのイベントが、4年ぶりに復活!
詳細はWEBサイト
http://www.isumu.jp/info-contents/B-live2019/
前回に続いて東京国立博物館の取材ですが、先週から始まっているのが「大和四寺のみほとけ」展。
仏教伝来間もない飛鳥時代からの古刹に伝わる仏像がずらり。古代史ファン、仏像ファンともワクワクが止まらない展示になっています。
今回注目の四寺とは、長谷寺、室生寺、岡寺、安倍文殊院のこと。
仏像初心者の方も、どこかで見たことのあるはずの有名な仏像たちが目の前に。これは興奮しますよ。
展示のようす。内覧会にて許可を得て撮影
展示室の右側にちょこんと座っているのは、岡寺の菩薩半跏像。1300年くらい前にさかのぼる大変貴重な古仏ですが、小さくて童顔でほんとうにカワイイ。
そして、展示室奥のステージに立つのは、有名な室生寺の十一面観音菩薩さん。
ふっくらほっぺに小さなお口。唇の紅がしっかり残っていて女性的な美しさなのですが、目つきは厳しく、胸板も男性的。しかし腰のくびれぐあいはなまめかしい、という、性別を超越した美しさが間近で堪能できます。
筆者もこれまで何度もお目にかかった美仏ですが、あらためて眼前にいると、その圧倒的魅力にクラクラしますね。
室生寺の地蔵菩薩と十一面観音菩薩。光背の極彩色の絵がすばらしく歴史的にも貴重な史料となっています
ちなみに、以前はテレビ番組で、長谷寺と室生寺を案内させてもらいました(過去記事)。
その時は金堂内陣での撮影もあり、貴重な経験をさせていただきました。
室生寺金堂にて。女優・相武紗季さんとの奈良聖地めぐりでした
しかも女優の相武紗季さんとご一緒でき、あのロケは私の人生のハイライトでした(笑)
それはさておき、大和四寺の展示です。
室生寺の仏像ではもう一体、国宝の釈迦如来坐像もお出ましです。鋭い衣文線に注目。
前回東京で展示されたときはガラス越しでしたが今回はガラス無し。裏側も見やすく存在感がダイレクトに伝わります。
展示のようす。流麗な衣文線が美しい室生寺の釈迦如来坐像
長谷寺の仏像は、さすがに10mのご本尊はムリですが、こちらの十一面観音さんは、貫主さまの寝所に安置されている仏像。
安倍文殊院からは、本尊・文殊菩薩(快慶作)の胎内に収められていたという貴重な納入物が展示。
この四寺を軸に、基本をおさらいすると、仏教以前の日本、古代ヤマト王権の中枢は、奈良盆地の南端・三輪山が中心でした。
この山をご神体としてその西側に政治の中枢ができました。
箸墓古墳をはじめとする古墳群や、纏向遺跡で知られる場所です。
ここに仏教が伝来して、数々の寺院が建って、以降の歴史が動いていくのでありました。
安倍文殊院は、大化の改新があった645年の創建。岡寺も飛鳥の古いお寺。
長谷寺は、大和の政権中枢からみて三輪山の裏側、つまり東側に位置し、その先には伊勢神宮があるという重要地点です。
室生寺も大和-伊勢ラインの山中にある聖地がもとになって、寺院が開かれたのでした。
どれも、古い日本の時代をリードした重要な寺院です。
東京国立博物館の本館11室(正面入って右手)での展示です。
特別企画 奈良大和四寺のみほとけ
東京国立博物館 本館11室
2019年6月18日(火) ~9月23日(月・祝)
詳細は東京国立博物館のHP
https://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=1966
---おしらせ---
本コラム著者・宮澤やすみ出演
【復活!! 仏像ライブ】
7月27日(土)13時/15時 各回先着25名限定 入場無料
イスム表参道店にて
出演:宮澤やすみ and The Buttz
宮澤やすみ氏率いる仏像バンド、THE BUTTZ(ザ・ブッツ)の仏像トークとミニライブ。
テーマは「仏像の原点」海外文化だった仏像をどう受容したのか?
仏像ショップ・イスム表参道店でのイベントが、4年ぶりに復活!
詳細はWEBサイト
http://www.isumu.jp/info-contents/B-live2019/