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第349回 静嘉堂の「鎌倉大仏」にマニア心が騒ぐ-「あの世の探検」展②
”静嘉堂に、仏像ファンの視線が集まることと--”
音楽家で神仏研究家の宮澤やすみが、仏像とその周辺をブツブツ語る連載エッセイ。
こんにちは。週末のソロライブ満員御礼。楽しくやれました。江戸の小唄のみならず洋楽カバーも三味線弾き語りでお届けしました。
そんな中、東京・丸の内の静嘉堂文庫美術館の展覧会「あの世の探検―地獄の十王勢ぞろい―」では、仏像もよきものがいくつもありました。
今回は、私の仏友である仏像大好きアナウンサー・久保沙里菜(通称:さりーな)さんも同行。
写真は報道内覧会で許可を得て撮影したものです。
静嘉堂文庫美術館ホワイエ
なんといってもこれ、仏像ファンなら一発で誰だかわかる、あのお方ですね。
遠目にみてもすぐわかる、あの美形如来
ご存知「鎌倉の大仏」。大仏だけど小さい!この小ささがいい!
なぜ鎌倉の大仏さんがここ静嘉堂に?と思いますが、実物を忠実に再現した模刻です。
作者は近代の彫刻家・新海竹蔵。大正14年5月の作品。
そして、同年の9月には関東大震災が発生。破損した鎌倉大仏の修理に従事します。
なんというか、5月に作っておいてよかったですね。
下からのアングルで撮ると本物と見まごう迫力が伝わる
大きくて当然の大仏が小さいという、逆説的なインパクトが新鮮で、古典を引用して再構築する現代美術を見るような思いもしました。
この小ささだと、展示室で上から見下ろす格好になるのですが、それでも見てすぐに鎌倉大仏だとわかるのは、じつはすごいことなんじゃないでしょうか。
3Dスキャンでなく作家の目と手仕事による模刻だから、ただの機械的な縮小でなく鎌倉大仏ならではの表情や体勢や迫力を損なわない緻密な表現があるのだと思います。
仏像ファンの血が騒ぐ、さりーなもマニア心に火が付き、真剣に撮影
ずっと静嘉堂の所蔵になっていたものが、今回「初公開」とのこと。
なんで今まで黙っていた、いやともかく、仏画や茶わんのイメージが強かった静嘉堂に、仏像ファンの視線が集まることと期待します。
これも初公開。《木造兜跋毘沙門天立像 平安時代 10世紀》
このほかにも初公開あり(ほんとになんで今まで…)。
平安期の兜跋毘沙門天は、異国風であるはずの服制が和様化していて、平安仏の流れがわかります。
久保沙里菜さんも引き込まれていました。
毘沙門天を間近にして思わず笑顔のさりーな
また、静嘉堂自慢のコレクションのひとつ、北魏の古い金銅仏は飛鳥古代ファンにはたまらない展示です。
古代飛鳥の人もあこがれたか。《金銅観世音菩薩立像 北魏・正光2年(521)》
静嘉堂の仏像といえば、運慶の作風で話題の十二神将がよく知られますが、それだけじゃないということをアピールしてくださいました。
日ごろ美人女子アナとして活躍中の久保沙里菜さんも最後はこうなりました。
ガチブツオタクモード全開のさりーな
今回の「あの世の探検」展以外でも、何度でも展示していただけたらうれしいです。
それでは聴いてください。
ザ・ブッツで「一木造(いちぼくづくり)」。
(過去記事)
静嘉堂の「江口クン」は美人だった。「あの世の探検」展①
https://www.butuzou-world.com/column/miyazawa/20230822-2/
(参考)
静嘉堂文庫美術館
あの世の探検―地獄の十王勢ぞろい―
2023年8月11日(金祝)~9月24日(日)
詳細:
https://www.seikado.or.jp/
---おしらせ---
本コラム筆者・宮澤やすみ関連情報
1.
宮澤やすみがこっそり教える
【神楽坂の古民家で三味線つまびき体験】
観光では行かないとっておきの隠れ家古民家で、三味線に触れてみませんか。
路地裏の一軒家で、お茶飲みながら、三味線を実際につまびき体験してもらいます。
小唄の三味線はバチを使わず、さらさらっとラクに弾くのがコツ。そのコツを伝授します。
神楽坂の、路地裏の一軒家で特別な体験をどうぞ!
少人数限定。ご予約は宮澤やすみ事務所へ。
2023年9月30日(土)
14:45 東京・神楽坂毘沙門天前集合
ヒミツの会場(路地裏の一軒家)へお連れします。
問合せ・お申込はEメールで
yasumikouta@yahoo.co.jp
2.
仏像や古代史を歌ったザ・ブッツの新作アルバム『時の水辺』。
ご購入いただけると活動存続の助けになります。応援よろしくお願いいたします。
プレーヤー不要。スマホですぐ聴けるQRコード付きブックレットです(CDも付いてます)。
詳細のご紹介は
↓↓↓
http://yasumimiyazawa.com/buttz/tokinomizube.html
雅楽の笙や篳篥も入った独特のサウンドで、「聴いたことないけど、どこか懐かしい」大人むけのロックです
収録曲:
1.Fantastic Dystopia
2.一木造
3.Shami on The Water
4.川のほとりで
5.Benzai-Tennyo
6.Black Etenraku
7.北斗星
8.いけるとこまで
ほか、付録CDにボーナストラック
宮澤やすみ公式サイト:http://yasumimiyazawa.com
宮澤やすみツイッター:https://twitter.com/yasumi_m
音楽家で神仏研究家の宮澤やすみが、仏像とその周辺をブツブツ語る連載エッセイ。
こんにちは。週末のソロライブ満員御礼。楽しくやれました。江戸の小唄のみならず洋楽カバーも三味線弾き語りでお届けしました。
そんな中、東京・丸の内の静嘉堂文庫美術館の展覧会「あの世の探検―地獄の十王勢ぞろい―」では、仏像もよきものがいくつもありました。
今回は、私の仏友である仏像大好きアナウンサー・久保沙里菜(通称:さりーな)さんも同行。
写真は報道内覧会で許可を得て撮影したものです。
静嘉堂文庫美術館ホワイエ
なんといってもこれ、仏像ファンなら一発で誰だかわかる、あのお方ですね。
遠目にみてもすぐわかる、あの美形如来
ご存知「鎌倉の大仏」。大仏だけど小さい!この小ささがいい!
なぜ鎌倉の大仏さんがここ静嘉堂に?と思いますが、実物を忠実に再現した模刻です。
作者は近代の彫刻家・新海竹蔵。大正14年5月の作品。
そして、同年の9月には関東大震災が発生。破損した鎌倉大仏の修理に従事します。
なんというか、5月に作っておいてよかったですね。
下からのアングルで撮ると本物と見まごう迫力が伝わる
大きくて当然の大仏が小さいという、逆説的なインパクトが新鮮で、古典を引用して再構築する現代美術を見るような思いもしました。
この小ささだと、展示室で上から見下ろす格好になるのですが、それでも見てすぐに鎌倉大仏だとわかるのは、じつはすごいことなんじゃないでしょうか。
3Dスキャンでなく作家の目と手仕事による模刻だから、ただの機械的な縮小でなく鎌倉大仏ならではの表情や体勢や迫力を損なわない緻密な表現があるのだと思います。
仏像ファンの血が騒ぐ、さりーなもマニア心に火が付き、真剣に撮影
ずっと静嘉堂の所蔵になっていたものが、今回「初公開」とのこと。
なんで今まで黙っていた、いやともかく、仏画や茶わんのイメージが強かった静嘉堂に、仏像ファンの視線が集まることと期待します。
これも初公開。《木造兜跋毘沙門天立像 平安時代 10世紀》
このほかにも初公開あり(ほんとになんで今まで…)。
平安期の兜跋毘沙門天は、異国風であるはずの服制が和様化していて、平安仏の流れがわかります。
久保沙里菜さんも引き込まれていました。
毘沙門天を間近にして思わず笑顔のさりーな
また、静嘉堂自慢のコレクションのひとつ、北魏の古い金銅仏は飛鳥古代ファンにはたまらない展示です。
古代飛鳥の人もあこがれたか。《金銅観世音菩薩立像 北魏・正光2年(521)》
静嘉堂の仏像といえば、運慶の作風で話題の十二神将がよく知られますが、それだけじゃないということをアピールしてくださいました。
日ごろ美人女子アナとして活躍中の久保沙里菜さんも最後はこうなりました。
ガチブツオタクモード全開のさりーな
今回の「あの世の探検」展以外でも、何度でも展示していただけたらうれしいです。
それでは聴いてください。
ザ・ブッツで「一木造(いちぼくづくり)」。
(過去記事)
静嘉堂の「江口クン」は美人だった。「あの世の探検」展①
https://www.butuzou-world.com/column/miyazawa/20230822-2/
(参考)
静嘉堂文庫美術館
あの世の探検―地獄の十王勢ぞろい―
2023年8月11日(金祝)~9月24日(日)
詳細:
https://www.seikado.or.jp/
---おしらせ---
本コラム筆者・宮澤やすみ関連情報
1.
宮澤やすみがこっそり教える
【神楽坂の古民家で三味線つまびき体験】
観光では行かないとっておきの隠れ家古民家で、三味線に触れてみませんか。
路地裏の一軒家で、お茶飲みながら、三味線を実際につまびき体験してもらいます。
小唄の三味線はバチを使わず、さらさらっとラクに弾くのがコツ。そのコツを伝授します。
神楽坂の、路地裏の一軒家で特別な体験をどうぞ!
少人数限定。ご予約は宮澤やすみ事務所へ。
2023年9月30日(土)
14:45 東京・神楽坂毘沙門天前集合
ヒミツの会場(路地裏の一軒家)へお連れします。
問合せ・お申込はEメールで
yasumikouta@yahoo.co.jp
2.
仏像や古代史を歌ったザ・ブッツの新作アルバム『時の水辺』。
ご購入いただけると活動存続の助けになります。応援よろしくお願いいたします。
プレーヤー不要。スマホですぐ聴けるQRコード付きブックレットです(CDも付いてます)。
詳細のご紹介は
↓↓↓
http://yasumimiyazawa.com/buttz/tokinomizube.html
雅楽の笙や篳篥も入った独特のサウンドで、「聴いたことないけど、どこか懐かしい」大人むけのロックです
収録曲:
1.Fantastic Dystopia
2.一木造
3.Shami on The Water
4.川のほとりで
5.Benzai-Tennyo
6.Black Etenraku
7.北斗星
8.いけるとこまで
ほか、付録CDにボーナストラック
宮澤やすみ公式サイト:http://yasumimiyazawa.com
宮澤やすみツイッター:https://twitter.com/yasumi_m