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第474回 3Dでじっくり見る宝物の裏表「デジタル法隆寺宝物館」

”指先でぐりぐりしながら、実物では絶対不可能なアングルや超拡大でつぶさに宝物を――”

音楽家で神仏研究家の宮澤やすみが、仏像とその周辺をブツブツ語る連載エッセイ。

こんにちは。先日、三味線二棹が長年の使用ですり減り、仕方なく修理に出した宮澤やすみです。急な出費を埋めるため出演仕事を求めています。どなた様も気軽にお声掛けください。

そんな中、春は美術展のシーズン。
今回は東京国立博物館の法隆寺宝物館に行ってきました。
この連載にたびたび登場する仏像仲間の久保沙里菜さんも同行です。


法隆寺宝物館


仏像好きアナウンサーとして講演もしている久保沙里菜さん(右)

日本美術の中でもとりわけ古い(正倉院宝物より古いらしい)法隆寺の宝物が見られるこの館ですが、
ここの中2階にある「デジタル法隆寺宝物館」は、最新のテクノロジーでこれら数々の宝物を間近に見られます。

このたびは新しいコンテンツができたとのことで報道内覧会に行ってきました。

新コンテンツのひとつは、

 デジタルウォール〈さわって楽しむ「法隆寺のたからもの」〉

もうひとつは、
 
 デジタルブック〈めくってみよう「御宝物図絵」〉

というものです。

デジタルウォールの「さわって楽しむ」は3Dで宝物を「いじくる」コンテンツです。
86インチの4K大型モニターに、いろいろな宝の球が現れて落ちてくるんですが、そのうち好きなものをタッチすると、その宝物が眼前に現れる。
これを指先でぐりぐりしながら拡大回転します。実物では絶対不可能なアングルや超拡大でつぶさに宝物を見ることができるというコンテンツ。


わきの下から釈迦を産んだという摩耶夫人像。その産まれ出るところを拡大


小さな像や宝物もとても大きく拡大。細かい凹凸までボケず鮮明に見える

壁面のレリーフも3Dプリンタなどで造られた宝物のコピーで、もちろん手で触ってみるといいですよ。
というのは、博物館や美術館では「見るだけ、触っちゃダメ」なのが普通なのですが、こんなふうに触れる体験は、博物館では新鮮です。

視覚以外の知覚で宝物を感じることができるわけで、そのうち音も感じてみたいですね。
金銅仏の胴を指先ではじいたら、どんな音が鳴るんでしょう(ちなみに銅鐸は鳴らせるコーナーが考古展示室にあります)。

担当された研究員さんによると、
――体験者が各コンテンツを通じて「知る喜びのワクワク」や「驚きのドキドキ」を体感できるよう、デザインしまし
た――
(文化財活用センター 開発・デザイン担当研究員 神辺知加)

つぎにデジタルブック。これは本のかたちをしたインタラクティブ・コンテンツです。
『御宝物図絵』という、天保13年に行われた出開帳(でがいちょう:秘仏や宝物を寺外で公開する)を記録した図録があるのですが、江戸時代だから図版は筆書きの木版です。
これをページをめくりながら見つつ、手をかざすと、木版の図から本物の画像が浮かびあがります。


実際にページをめくり、気になる宝物があったら手をかざす


木版図から本物の画像が出現。モノによってはさらに3D拡大もできる

物によっては、3D映像で拡大して見られたりもして、細かい装飾なんかもじっくり見られます。
手指のうごきをセンサーでキャッチしてうまいこと動作するしくみ。だから、ちびっこ兄弟が我先にと同時に手を出すとセンサーがうまく反応しないので、順番にひとりずつやってみてくださいね。

法隆寺宝物館は、東京国立博物館敷地の奥にあって、本館や平成館には行ってもここを素通りしてしまう人が多いのは残念。
とてもきれいな建物で、今後カフェレストランもリニューアルするそうなので、ぜひ足を運んでみてください。


筆者が大好きでマンガにも描いた日本最古級の小観音像(上半身アップ)。重要文化財《銅像観音菩薩立像》飛鳥時代・白雉2年(651)

なんといっても、私も大好きな飛鳥小金銅仏の愛らしさは抜群で、見逃す手はありません。


それでは聴いてください。
ザ・ブッツで「欣喜雀躍」
(仏教公伝をテーマにした仏像ロックです)



デジタル法隆寺宝物館―文化財活用センター
https://cpcp.nich.go.jp/modules/r_exhibition/index.php?controller=dtl&id=52

法隆寺宝物館―東京国立博物館
https://www.tnm.jp/modules/r_exhibition/index.php?controller=hall&hid=16



■あわせて読む(関連記事)
仏像の原点に向き合う「聖徳太子と法隆寺」その1飛鳥仏編
https://www.butuzou-world.com/column/miyazawa/20210720-2/


--おしらせ---
本コラム筆者・宮澤やすみ関連情報

1.
4/25土
古民家カフェで お江戸なカフェタイム(小唄と三味線と酒とつまみ)
https://kaguramura.jp/event/festival/1933/

2.
4/29水祝(見逃し配信も)
レクチャーコンサート
小唄で感じる江戸東京の文化 | 朝日カルチャーセンター横浜教室
https://www.asahiculture.com/asahiculture/asp-webapp/web/WWebKozaShosaiNyuryoku.do?kozaId=8697980
(オンライン受講可)


3.
宮澤やすみ出演情報(これからとこれまで)まとめ
https://yasumimiyazawa.com/live.html