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フリーランサー注目、運慶のサインから見えるプロ根性

仏像ファンでなくても、フリーで仕事している人なら、”運慶デビュー作”大日如来坐像はオススメです。

まだ20代だった運慶が造った、はつらつと若々しいお顔の大日さんです。


《大日如来坐像 円成寺蔵》特別展『運慶』取材時に許可を得て撮影

興味深いのは、運慶さんが仏像の内部に自分が造ったことを書き記しているんですね。
その細かい内容は展示でご覧いただくとして、かいつまんでいうと、「運慶がこの仕事受けました」と記したもので、日付と、なんとギャラまで書かれているんです。


運慶自筆の墨書、展示解説されています

その記述は、

「給料物上品八丈絹肆拾参疋也」

細かいことは省きますが、高級な絹をドンとたくさんいただいたようです。

運慶さんは、胎内に書いたギャラ情報が、まさか800年後に公開されるとは思ってなかったでしょうね(笑)

ここから私の妄想スイッチが入るのですが、デビュー当時の運慶さんがこんな情報まで書くその気持ち、わかる気がするんです。

フリーランスの人のボヤキでよく聞かれるのが、「タダでやって」と言われた、という話。

「宣伝になるから」とか「次につながるから」といった理由を並べられて、ボランティアで仕事をさせられることがある。

若手のカメラマンとか、イラストレーター志望の若い子たちとか、アマチュアとプロの境目で苦労している人にありがちな話です。

そこで、「ちゃんとギャラをもらって仕事してます」というのは「アマチュアではありません」というアピールになるんですよね。

運慶さんも、こういう気持ちがあったんじゃないかと思うわけです。

当時は、平安京で院派、円派の仏師が貴族からの注文を受けて、南都(奈良)の仏師はそこに入り込めなかった。まして運慶はまだ若かったから、自分の才能が生かせない状況に悔しい思いをしていたんじゃないでしょうか。

そこに舞い込んだ円成寺の仕事。
自分なりの仕事ができて、ギャラもちゃんと出る。
うれしかったでしょうねえ。モチベーションあがったでしょうねえ。
これでオレもプロの仲間入りだ! と思ったことでしょう。

その思いが、あの詳細すぎる墨書から伝わってくるようです。

こんな運慶をイメージしたオリジナルソングを私は歌っています。
このたびミュージック・ビデオが完成しましたので、ぜひご覧ください!


※動画に写っている仏像は運慶作ではありません

フリーランサーなら身に染みる、”運慶デビュー作”大日如来坐像。運慶と上野の居酒屋で、グチをこぼしながら飲んだくれたくなります。

特別展「運慶」
2017年9月26日(火)~11月26日(日)
月曜休館(10/9は開館)
東京国立博物館「平成館」にて
公式サイト
http://unkei2017.jp

仏像バンド「宮澤やすみ and The Buttz」
http://www.yasumimiyazawa.com/buttz/