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第一部 連載3回目 小出流・仏像との向き合い方(その1)

「学術的にどんなに間違っていてもいい。仏さまと向き合っているときの自分のこころの動きを、まずは全面的に信頼してみよう」。
そう決意した私は、全国の有名寺院を片っ端からたずね、御本尊をはじめとする諸尊、諸仏にご挨拶をして回る旅に出ました。
これ、「仏像鑑賞」の旅とは趣が異なるのです。
「鑑賞」ということばは、その頃の私の心持ちには、まったくそぐわなくて……。
仏像は「美術品」である以前に「仏」の「像」です。
私は、仏像に手を合わせながら、そのかたちの奥にある「仏」の姿を感じることに心身を集中させました。
以下に、その具体的な方法を書いてみます。
仏さまの前に立ったら(あるいは座ったら)まずは合掌して深々と一礼。
自分の名前と、こちらのお寺にお参りさせていただくご縁をいただいたことへの感謝を、こころの中でお伝えします。
そして、「これからお姿をじっくり拝ませていただきます」「よろしくお願いします」とご挨拶をします。
このあとが最大のポイントです!
ただ、真正面からお姿を拝するだけでなく、できる限り動いて、仏さまと自分の視線が合うポイントを探るのです。
目と目が合うと、その瞬間、目の前の仏像が、一気に「像」を超えたものとして感じられるようになります。
「かたち」の奥にある、真の「仏」の姿が見えてくると言いますか……。
あ! もちろん、「像に宿っているスピリチュアル的ななにか」が立ち現れるとか、そういうアヤしい話ではないですよ!(笑)
うまく言えないのですが、とにかく、目の前の仏像が、単なる「像」ではなくなって、ぐっと存在感を増す瞬間があるのです。
この瞬間に「すべて」がつまっています。
……長くなってきたので、今回はこの辺で。
引き続き「小出流・仏像との向き合い方」を書いていきます。
次回へ続きます!