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- 小出遥子のさとり探究記
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第二部 連載22回目 それも私のせいじゃない
泥のなかから
蓮が咲く。
それをするのは
蓮じゃない。
卵のなかから
鶏(とり)が出る。
それをするのは
鶏じゃない。
それに私は
気がついた。
それも私の
せいじゃない。
(金子みすゞ 「蓮と鶏」)
数年前にはじめてこの詩に出会ったとき、ほんとうに感動しました。
ここまで簡潔に、それでいて丁寧に、「仏のはたらき」を描き切った詩を、
私はそれまで知らなかったから。
花が開くのも、生命が誕生するのも、
すべて、大きないのち(=仏)の、「おのずから」なるはたらきの中にあって、
そこに「みずから」なるはたらきは、実はこれっぽっちも存在していなくて……。
さらに、その事実に「気づく」ことすら、
すでに「おのずから」のはたらきの中にあって、「私」はなにもしていなくて……。
なんだかもう、「降参です!」という気分になりますね(笑)。
その「降参です!」という思いすら、「私」が浮かべているものではないのですけれど……。
逃れられないなあ……。
この「逃れられなさ」に、やっぱり、ただただ「降参」です。
南無阿弥陀仏
次回へ続きます!