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葛井寺の千手観音、東京に光臨-「仁和寺展」レポート

ついに葛井寺(ふじいでら)の秘仏本尊・国宝千手観音菩薩坐像が、トーハクの「仁和寺展」にお出まし!
360度ぐるりと動画撮影(記事末尾にあり)!

記者発表から8か月間、この日を心待ちにしてきました。
たとえ仏像を知らない人でも、これは驚くだろう。反応が楽しみでした。
果たして、報道内覧会では、展示室に「おぉ~~」という低いどよめきが響きました。


日本最古にして1041の腕をもつ葛井寺像

やっぱり、思わず声が出ちゃいますよね!

千手観音のなかで、本当に千本以上の腕をもつ例は本像しか確認されていません。
だいたいは省略して42本くらいに収めます。
しかし、千手観音信仰が伝わったばかりの奈良時代は、本当に律義に千本の腕を作りました。
その代表格が、この葛井寺像!
1041本の腕があります。

よーく見ると、一本一本の手のひらに、眼が描かれています。
だから眼も1041+正面の2眼で1043眼! もうこっちの目が回りそう。

千手観音は、観音菩薩が無数の人々を全員必ず救う、という意思から千の腕を授かったそうです。観音菩薩は、十一面観音などの変化形がいくつもありますが、その最終最強形態といった感じ。
眼も千あるから、助けを求める人々を見逃さないわけですね。


裏側まで見られる機会はもう無いかと

造型の特徴は、脱活乾漆(だっかつかんしつ)という、漆を多用する当時流行の技法で造られていて、微妙な表情造りが可能。※脇手は木心乾漆
厳しさと優しさが合いまった絶妙な表情、これぞまさしく天平の表情でございます。
奈良の東大寺法華堂に伝わる像との共通性がみられ、同じ工房が関わったといわれます。

葛井寺では、毎月18日にご開帳。とくに4月は境内に市も出てにぎわいます。
歴史の深さと造形の完璧さで、日本の仏像の白眉であるんですが、たんなる彫刻ではありません。
地元では日々の素朴な信仰の対象になっていて、1300年の間ずっと現役で拝まれているのがすごいんですね。

ところで、この葛井寺千手観音が歌詞に出てくるのが、私の「ご開帳ブルース」なんですけど、今回ご住職にお目にかかったら、歌をご存知でびっくりしました!

「ご開帳ブルース、なんやあの、ビルの屋上で歌ってる・・・」
「そうです!あれボクなんです」

ご覧いただいてありがとうございます!
まだ見ていない方はこちら↓をどうぞ

「ご開帳ブルース」宮澤やすみ and The Buttz

というわけで、特別に撮影した、360度ビューの動画を貼っておきます。
またとない機会、実ブツをぜひ!



ほかにも、仁和寺の通常非公開の秘仏、国宝薬師如来坐像(小さくて微細な装飾がすごい)が公開中です。

特別展「仁和寺と御室派のみほとけ-天平と真言密教の名宝-」
東京国立博物館 平成館にて
2018年1月16日(火)~3月11日(日)
(展示替えあり)
公式HP http://ninnaji2018.com

(告知)
宮澤やすみ同行「仁和寺展」夜間貸切鑑賞!
「仁和寺と御室派」展+東京大神宮特別昇殿参拝と神楽坂ぶらさんぽ