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「ひょっこり吉祥天」がかわいい 装丁の技

『仏像の光と闇』の発売以降、いろんな方にご注目いただいてます。
手に取るとわかるんですけど、表紙も中身も、写真がすごくきれいなんです。


この光沢が高級感を演出。降三世明王の怖さが引き立つ

出版物に仏像写真を載せるのは許可が必要で、いろんな大人の事情でむずかしいことがある。
それが今回、思いがけず多くの協力が得られて、珠玉の仏像写真が載せられました。
私自身が撮影したオリジナル写真もいくつか載せたので、見慣れた仏像も印象が変わるかもしれません。

せっかくの貴重な写真だから、見やすく美しく掲載したい。そんなわけで、出版社、編集者、デザイナーさんに印刷屋さん、それぞれががんばってくださいました。

だから、この本を手に取ると、いろんな職人の顔が浮かんできまして、いやお会いしたことはないんですけども、勝手な想像で、
深夜のオフィスでマックに向かう黒縁メガネのデザイナーさん(椅子は人間工学に基づいたすごいやつ)
とか、
工場で、スミに汚れた作業服姿で黙々と印刷機を動かす銀縁メガネの印刷屋さん(スマホの待ち受け画面は4歳の娘。残業続きで寝顔しか見ていない)
とか、
そういう人たちが浮かんできて、赤縁メガネの僕の頭のなかでは、NHK「プロフェッショナル」のテーマ曲が流れるのです。

印刷は、基本の4原色のインクを重ねることであらゆる色を表現するのですが、
写真画像のほうをこの基本4原色にあわせて「色分解」という処理を施しておくと、くっきりした印刷仕上がりになるそうです。


裏表紙はクリアな白に美しい十一面観音。裏と表で「光と闇」をイメージ

で、その4色を、寸分のズレ無く印刷する技術がまたすごいですね。
おかげで、表紙の降三世明王なんかは、生き生きとした存在感まで伝わって、迫りくる凄みが表現されています。

バックの黒は「リッチブラック」といって、高級感のある特別な深い黒。まるで漆で塗ったような光沢がステキです。


表紙をめくると……帯からひょっこり吉祥天


帯をはずすとこうなる。筆者撮影のオリジナル写真

モノクロ写真も、どうかすると黒く沈んでしまったりボケたりしがちなのですが、この本ではくっきりはっきり、ピチッと引き締まった画像になり、仏像の姿が引き立てられてます。

中身も大事ですけれど、装丁やデザインも本当に大事ですね。
多くの人のプロの仕事が感じられる一冊。
執筆者としてこんなにありがたいこともないものです。


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宮澤やすみ・著『仏像の光と闇』水王舎・刊

---おしらせ---

本コラム著者・宮澤やすみ出演

宮澤やすみの「小唄かふぇ Vol.25」

三味線奏者で小唄師範でもある宮澤やすみの三味線ライブ。
江戸の小唄をわかりやすい解説トークと共にお届けします。
ゲストに短歌の大御所・福島泰樹さんを迎え一夜限りのセッションも。
寺山修司の世界を短歌で歌いあげます。

2月20日(水)19:00開場 20:00開演
ワロスロードカフェ
(JR御徒町、地下鉄上野御徒町・上野広小路・湯島)

http://yasumimiyazawa.com/koutacafe/