お問い合せ

営業時間:10:00~17:00 定休日:土日祝日

  • twitter
  • facebook
  • instagram
公式オンラインストア
お問合わせ メニュー
公式オンラインストア

国宝・東寺展! 降三世明王に見る「二番手」のカッコよさ

ついに始まりました! 東寺展。
報道内覧会に参加し、取材してきました。


特別展「国宝 東寺-空海と仏像曼荼羅」展示の最後を飾る仏像群

前回の記事でも書きましたけど、東寺の講堂の仏像群21体から、15体の仏像がずらり。
さらに五大虚空蔵菩薩や、羅城門の守護仏だった毘沙門天など、東寺の名仏像が一挙に展示。
東寺がスッカラカン状態で申し訳なくなるくらい(金堂の仏像が居残りで京都を守ってますが)。


広い展示室にあのブツ、このブツ、あんなブツ。
後姿はお寺では見られませんから、お見逃しなきよう

前回記事でも「きっとすごい光景になるでしょう」と書いたけど、いやもう想像以上の光景で、取材関係者一同興奮状態でしてね、写真を撮ったけど何をどう撮ったのか覚えてないくらいで。いや最低限必要なものは撮らせていただきましたけどね。

それにしても展示室でひときわ存在感を放っていたのが、明王のグループでした。

リーダーの不動明王は等身大パネルですが、その前に4体の明王たち。
その名も、
降三世(ごうざんぜ)明王
軍荼利(ぐんだり)明王
大威徳(だいいとく)明王
金剛夜叉(こんごうやしゃ)明王

お不動さんとあわせて「五大明王」といい、各地の密教寺院にいて各種展示でもよく見ますが、
東寺の像は日本で最初の作例で、まさに日本の明王はここからスタートしたのです。


白蛇が絡みつく腕をクロスさせる軍荼利明王

造形美としても多数の腕や頭部、憤怒の顔立ちなどが破綻なく造られていて驚異的な木彫技術だと思います。

なかでも注目したのは、自分の新刊の表紙を飾ってくれた降三世明王さんでした。
過去、現在、未来の三世において魔物(つまり煩悩)を降伏させる降三世。
足下に大自在天(シヴァ神)と奥様の烏摩妃を踏んづけているのが特徴です(これがまた深い意味がありまして)。

明王らしい奇怪な姿ではありますが、よく見るとシュッとした体つきでクールなポーズをキメて、世間をあざ笑うかのようなワルな笑みで、ニヒルなカッコよさを感じます。ダークヒーローってやつです。


降三世さんと筆者ご対面

五大明王のなかでは、リーダー不動明王の側近的な位置づけでもあるから、ガッチャマンで言うと(古い)コンドルのジョー。ゴレンジャーで言うと(これまた古い)アオレンジャーという位置づけ。
ローリングストーンズで言えばキース・リチャーズという位置づけでしょうか(話が飛躍)。

「二枚目」という言葉だって、歌舞伎で主役に次ぐ二番手のヒーロー(二枚目看板)を指していう言葉だったそうですし。
なにしろナンバー2はニヒルでちょっとワルな、カッコいいキャラクターなのです。

そんな降三世さん、足下のご夫婦がなんとも痛々しいのですが、そこで気づいた点がありました。
それは次週あらためて。

怖ろしい姿の明王は、まさに密教の伝来とともに日本に登場したものなんですけど、平安初期の都の人たちはさぞかし驚き、怖れおののいたでしょうね。
怖い反面、パワーってやつを感じたでしょう。時は平安初期、天変地異と怨霊におののく都人。新しモノ好きの平安貴族はさかんにパワーを信じて礼拝したんじゃないでしょうか。

これから何回かにわたって東寺展レポート続きます。おつきあいください!

特別展「国宝 東寺-空海と仏像曼荼羅」
2019年3月26日(火)~6月2日(日)
東京国立博物館・平成館にて
詳細は https://toji2019.jp


(クリックするとアマゾンの情報が出ます)
降三世明王が表紙を飾る、宮澤やすみ・著『仏像の光と闇』水王舎・刊

---おしらせ---

本コラム著者・宮澤やすみ出演

”仏像バンド”宮澤やすみ and The Buttzと行く
【目黒寺社さんぽ&フラワーパーティ】
目黒は江戸の裏鬼門。
謎めく仏像スポット・目黒の秘仏を特別に拝観します。
さらに「花祭り」ならぬ「フラワーパーティ」で仏像ファンの
交流も。ブツトーク&ライブで盛り上がりましょう。

4月6日(土)14時集合
詳細は、

http://yasumimiyazawa.com/buttz/flowerparty.html