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大黒天供養の秘法「浴餅」とは?

”そんなむずかしい性格の大黒天を、お寺のご住職は丁寧に、そして秘密裏にお祀りします--”
神仏研究家・音楽家の宮澤やすみが、仏像とその周辺をブツブツ語る連載エッセイ。

こんにちは、コロナウイルス禍でイベント中止のニュースを聞き、自分のライブもどうなるか気がかりでしたが、先週の「小唄かふぇ」は店頭に消毒用アルコールを用意して開催。いつも通りの入場者数で盛況のうちに終わりました。ありがとうございました。

そんな中、先日うかがった目黒・大円寺(前回記事)でおもしろいお話を聞きました。

「やすみさん、ワタシ最近ね、ウチの大黒さんにヨクベイしてるんですよ」

「ヨクベイ?ってなんですか?」

ご住職がおっしゃるには、最近ご住職が密教の秘法「ヨクベイ」を習得したので、大黒天の縁日の前一週間に行なう法要として、これを行っているのだそう。

大円寺の実質的なご本尊は大黒天。
そもそもは、江戸初期に徳川家光の命で、江戸の裏鬼門守護のために祀られたのが由来です。


大黒天を祀る、大円寺護摩堂

大黒天は日本では福の神の一員ですが、インドの神話ではマハーカーラといって、破壊の神でもあり、恐ろしい面もあるという、なかなか複雑なキャラクターなんですよね。

そんなむずかしい性格の大黒天を、お寺のご住職は丁寧に、そして秘密裏にお祀りします。

ヨクベイとは、「浴餅」と書く。
比叡山天台宗に伝わる秘法で、誰もができるわけでない特殊な供養法です。
都心のJR目黒駅すぐ、決して広いとはいえない境内の小さなお堂で、人知れず秘密の法要が執り行われていたのでした。
なんといっても密教はヒミツが多い。そのへんが神秘的で、興味を引かれてしまいます。

具体的な作法は分かりませんが、なんでも、大黒天の像に、お米のお粥をかけて供養する儀式なのだそうです。
餅と書きますが、実際はどろどろのお粥を用います。
イメージとしては、4月に釈迦誕生仏に甘茶を掛けたりしますけど、あれに似た感じで、甘茶でなくお粥を使うようです。一般人のヘタな詮索はほどほどにして、実践はプロのご住職におまかせしましょう。


仏像ワールドの三面大黒天

これで大黒天が力を得て、功徳が増すということでしょうか。


ちなみに、天部に対する供養には、ほかにもあって、
弁才天には浴酒
毘沙門天には浴油
をするのだそうです(聖天さんも油を用いますね)。

そうすると、大円寺の大黒さまは、三面大黒天(弁才天、毘沙門天が合体した尊格)だから、おかゆのほかに、酒と油も掛けないといけないんでしょうか。
おかゆに酒とくれば、油のかわりに天ぷらでも差し上げたらおいしそう。
大円寺周辺の居酒屋で「天部晩酌セット」でも出したら繁盛しそうです。

大黒天の縁日は「甲子(きのえね)(かっし)」の日。

今年は子年だから、大黒さんの年でもある。浴餅もされたことだし、ぜひ江戸市中を疫病から守っていただきたいと思います。


(大円寺で開催)
行人坂大火250年忌供養
【五百羅漢石仏群 万灯会】

 松林山 大円寺にて
 令和2年2月29日(土)
 16時より境内で津軽三味線奉納演奏
 17時より万灯会供養大法要

 特別ご朱印・縁起物セット限定300部

チラシPDF(クリックで開く)