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羅漢なのに女性像も?大円寺の五百羅漢

”五百羅漢ではありますが、じつはよーく見ると女性の姿もあります。なぜでしょう?--”
神仏研究家・音楽家の宮澤やすみが、仏像とその周辺をブツブツ語る連載エッセイ。

こんにちは、近ごろ私の音楽仲間たちから同時多発的にバンド解散や活動休止などのニュースが入ってきて寂しい思いをしている宮澤やすみです。自分はバンドも個人活動も変わらず継続中です。

そんな中、先日は目黒での節分会でみうらじゅん&いとうせいこうさんにお会いした(前回記事)後、いつもお世話になっている大円寺さんに寄りました。

ここは、江戸の裏鬼門守護のために創建されたというお寺で、大黒天を祀ります。
その大黒天の背後にとっても美しい平安時代の十一面観音がいまして、ぼくの著書やトークショー、この連載でも何度もご紹介してきました。

JR目黒駅のすぐそばにありながら、いろんな見どころがあるお寺です。


大円寺本堂の横に石仏が並ぶ

境内ですぐ目を引くのは、びっしりと並んだ石仏群。
五百羅漢ではありますが、じつはよーく見ると女性の姿もあります。羅漢は全員男性のはずなのに、なぜでしょう?


五百羅漢像がびっしり

じつはこれ、江戸の大火のひとつである「行人坂の大火」の犠牲者を弔うための石仏なのだそうです。

この行人坂とは、まさに大円寺の門前の坂道のこと。大火の原因はこのお寺からだったのでした。

この大火のおかげで大円寺は一度廃絶。その後、境内地に犠牲者の慰霊のため石仏が並んだといわれています。

だから、羅漢と銘打っているものの、男女関係なく庶民の姿を石仏に託して造られたわけですね。


画面中央の像が女性といわれる

行人坂の大火があったのは、明和9年2月29日。

今年、令和2年は大火からちょうど250年を数えるので、それを記念して「万灯会」が今月末に開催されます。

この石仏群に蝋燭を灯し、万灯会供養大法要が行われます。

江戸歴史散策、仏像めぐりのついでに、ぜひ寄ってみてください。


行人坂大火250年忌供養
【五百羅漢石仏群 万灯会】

 松林山 大円寺にて
 令和2年2月29日(土)
 16時より境内で津軽三味線奉納演奏
 17時より万灯会供養大法要

 特別ご朱印・縁起物セット限定300部

チラシPDF(クリックで開く)




江戸湾で拾い上げられ奉納された、通称「とろけ地蔵」は悩みを溶かすといわれる



(参考過去記事)
花祭り!目黒の秘仏は「清凉寺式」
https://www.butuzou-world.com/column/miyazawa/20190416-2/



---おしらせ---

■本コラム筆者・宮澤やすみ出演

2020年2月21日(日)20:00開演(19:00開場)
【宮澤やすみの小唄かふぇ Vol.28】

シックなバーで楽しむ江戸の小唄とおもしろゲスト。
今回はジャズピアノと弾き語りの名手がコラボ。
詳細、予約は↓
http://yasumimiyazawa.com/koutacafe

(出演)
宮澤やすみ(小唄、三味線)
岡田啓佑(a.k.a. センチメンタル岡田:ピアノ、ラップ、歌)