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第252回 早稲田大学で神仏のナゾをひもとく
”奈良時代後半、孝謙天皇のころになると木彫が増えます。それはなぜか?……”
神仏研究家・音楽家の宮澤やすみが、仏像とその周辺をブツブツ語る連載エッセイ。
こんにちは。結局誰も「連載250回おめでとう」のSNS書き込みが無いまま252回を迎え、いつにも増して人望のなさが露呈しました宮澤やすみです。まあこれはこれで、誹謗中傷やマウンティング合戦といった地獄絵図とは無縁の浄土世界で、好きに書くことができる孤高の遊戯三昧。ストレスが無くて良いものです。
さて、この夏は、早稲田大学オープンカレッジの講座が一年ぶりにオンラインで復活。全4回の短期講座をやりました。
オンラインなので、首都圏以外の遠方の方も、そして時間が合わない方も参加していただけました。
こういうところは、オンラインの良いところですね。
コロナ禍で学生がほとんどいない早稲田キャンパスに赴き、講座をします
講座の内容は、昨年出した著書『仏像の光と闇』にあるような、仏像とその歴史背景を辿るものです。
運慶の仏像が力強い造形で、快慶の像は静謐なたたずまい。それは、両者のアーティストとしての個性ではなく、発願の意図によるものと言えないか。
そんな話題から、日本人の信仰形態には「敬神観念」「鎮魂観念」の二系統あるということを理解し、古代中世の政治と宗教のあらましを見ていきます。
今回は、奈良時代の話題もおさらいしました。
講座スライドから抜粋。三輪山と十一面観音の関係をご紹介
奈良時代の仏像造りは、漆を使った乾漆造りがよく知られますが、奈良時代後半、孝謙天皇のころになると木彫が増えます。それはなぜか?
ひとつの説として、鑑真来日が関わっていることを紹介しました。
そして、この奈良時代の大きな事象が、神仏習合の深化でした。
宇佐の八幡宮にお寺ができ、神道と仏教が積極的に歩み寄り、時の天皇は仏教を軸に国造り、最後には天皇自ら出家します。
ここから、神と仏は同体となり、その後の平安時代には道教も交えて「ご利益あるならなんでも一緒」ともいうべき、現代人には非常にややこしい状況ができます。
からまった糸をほどくように、それらの神仏の実態をさぐるのが、この早稲田講座の毎回のテーマであります。
だから、毎回非常にエネルギーを消耗するんですよね。今回は一年のブランクがあったせいで、初回は口のまわりの筋肉が痛くなりました。
講座スライドから抜粋。仏像の影響でできた神像の傑作
早稲田の講座をまとめた拙著『仏像の光と闇』でも、「仏像」とありながら八幡、オオクニヌシ、アマテラスなどの神道側の神々もたくさん触れています。
神も仏も一緒に見ていってはじめて、日本の精神構造を理解できるというわけです。
今回の講座では三輪神と十一面観音、八幡神と奈良仏教、牛頭天王など紹介しました。
(八幡神の話をすると止まらなくなっちゃうんですが、今回はなんとか短めにとどめました)
過去にイラストの仕事をしていたこともあって、ゆるイラストも交えて解説してます。これは道鏡事件の解説スライド
ここで詳細を語ることはできませんが、次回の講座でまた触れることになると思います。
年明け1月からもやる予定でいますので、またオンラインでお目にかかりましょう。
オンラインだから自宅でもできるのですが、早稲田の設備をお借りしてお届けしてます。自宅でやるより気合が入る、かも…
それでは聴いてください。
ピチカート・ファイヴで「日の当たる大通り」
(おしらせ)本コラム筆者・宮澤やすみ関連情報
1.
宮澤やすみソロライブ「ひとりワロス」
9/17(金)18:30開演(19:40終了)
上野 御徒町 ワロスロード・カフェ
懐かしポップのカバーと江戸の小唄を、ゆるりと
感染防止対策準拠。飛沫の飛ばないとても静かなライブで疲れを癒してください
(イベント詳細ページ)
https://fb.me/e/1FFHGTYc9
[ネット視聴]
9/18 Youtube配信
宮澤やすみYoutubeチャンネルにて
https://www.youtube.com/c/YasumiMiyazawa/
2.
新作MV公開「寄木造」宮澤やすみアンド・ザ・ブッツ
宮澤やすみYoutubeチャンネル
https://www.youtube.com/c/YasumiMiyazawa/
3.
宮澤やすみソロアルバム発売中
『SHAMISEN DYSTOPIA シャミセン・ディストピア』
購入は「やすみ直販」で
http://yasumimiyazawa.com/direct.html
(ネット決済のほか、銀行振込、郵便振替も対応)
宮澤やすみ公式サイト:http://yasumimiyazawa.com
宮澤やすみツイッター:https://twitter.com/yasumi_m
神仏研究家・音楽家の宮澤やすみが、仏像とその周辺をブツブツ語る連載エッセイ。
こんにちは。結局誰も「連載250回おめでとう」のSNS書き込みが無いまま252回を迎え、いつにも増して人望のなさが露呈しました宮澤やすみです。まあこれはこれで、誹謗中傷やマウンティング合戦といった地獄絵図とは無縁の浄土世界で、好きに書くことができる孤高の遊戯三昧。ストレスが無くて良いものです。
さて、この夏は、早稲田大学オープンカレッジの講座が一年ぶりにオンラインで復活。全4回の短期講座をやりました。
オンラインなので、首都圏以外の遠方の方も、そして時間が合わない方も参加していただけました。
こういうところは、オンラインの良いところですね。
コロナ禍で学生がほとんどいない早稲田キャンパスに赴き、講座をします
講座の内容は、昨年出した著書『仏像の光と闇』にあるような、仏像とその歴史背景を辿るものです。
運慶の仏像が力強い造形で、快慶の像は静謐なたたずまい。それは、両者のアーティストとしての個性ではなく、発願の意図によるものと言えないか。
そんな話題から、日本人の信仰形態には「敬神観念」「鎮魂観念」の二系統あるということを理解し、古代中世の政治と宗教のあらましを見ていきます。
今回は、奈良時代の話題もおさらいしました。
講座スライドから抜粋。三輪山と十一面観音の関係をご紹介
奈良時代の仏像造りは、漆を使った乾漆造りがよく知られますが、奈良時代後半、孝謙天皇のころになると木彫が増えます。それはなぜか?
ひとつの説として、鑑真来日が関わっていることを紹介しました。
そして、この奈良時代の大きな事象が、神仏習合の深化でした。
宇佐の八幡宮にお寺ができ、神道と仏教が積極的に歩み寄り、時の天皇は仏教を軸に国造り、最後には天皇自ら出家します。
ここから、神と仏は同体となり、その後の平安時代には道教も交えて「ご利益あるならなんでも一緒」ともいうべき、現代人には非常にややこしい状況ができます。
からまった糸をほどくように、それらの神仏の実態をさぐるのが、この早稲田講座の毎回のテーマであります。
だから、毎回非常にエネルギーを消耗するんですよね。今回は一年のブランクがあったせいで、初回は口のまわりの筋肉が痛くなりました。
講座スライドから抜粋。仏像の影響でできた神像の傑作
早稲田の講座をまとめた拙著『仏像の光と闇』でも、「仏像」とありながら八幡、オオクニヌシ、アマテラスなどの神道側の神々もたくさん触れています。
神も仏も一緒に見ていってはじめて、日本の精神構造を理解できるというわけです。
今回の講座では三輪神と十一面観音、八幡神と奈良仏教、牛頭天王など紹介しました。
(八幡神の話をすると止まらなくなっちゃうんですが、今回はなんとか短めにとどめました)
過去にイラストの仕事をしていたこともあって、ゆるイラストも交えて解説してます。これは道鏡事件の解説スライド
ここで詳細を語ることはできませんが、次回の講座でまた触れることになると思います。
年明け1月からもやる予定でいますので、またオンラインでお目にかかりましょう。
オンラインだから自宅でもできるのですが、早稲田の設備をお借りしてお届けしてます。自宅でやるより気合が入る、かも…
それでは聴いてください。
ピチカート・ファイヴで「日の当たる大通り」
(おしらせ)本コラム筆者・宮澤やすみ関連情報
1.
宮澤やすみソロライブ「ひとりワロス」
9/17(金)18:30開演(19:40終了)
上野 御徒町 ワロスロード・カフェ
懐かしポップのカバーと江戸の小唄を、ゆるりと
感染防止対策準拠。飛沫の飛ばないとても静かなライブで疲れを癒してください
(イベント詳細ページ)
https://fb.me/e/1FFHGTYc9
[ネット視聴]
9/18 Youtube配信
宮澤やすみYoutubeチャンネルにて
https://www.youtube.com/c/YasumiMiyazawa/
2.
新作MV公開「寄木造」宮澤やすみアンド・ザ・ブッツ
宮澤やすみYoutubeチャンネル
https://www.youtube.com/c/YasumiMiyazawa/
3.
宮澤やすみソロアルバム発売中
『SHAMISEN DYSTOPIA シャミセン・ディストピア』
購入は「やすみ直販」で
http://yasumimiyazawa.com/direct.html
(ネット決済のほか、銀行振込、郵便振替も対応)
宮澤やすみ公式サイト:http://yasumimiyazawa.com
宮澤やすみツイッター:https://twitter.com/yasumi_m