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第304回 富山・高岡の誇り高岡大仏② 生き残った仏頭と昭和の活気を感じる活動写真
”地元の名士はさぞかし大仏が自慢だったことでしょう－－”
神仏研究家・音楽家の宮澤やすみが、仏像とその周辺をブツブツ語る連載エッセイ。
こんにちは。ザ・ブッツのライブを無事に終えましてほっとしている宮澤やすみです。新アルバム『時の水辺』も喜んでいただいているようでありがとうございます。
さて、前回につづいて富山の話。
この夏秋は活弁（活動写真）の上演仕事であちこち行かせてもらってますが、先日行った富山公演でのこと。
仏像ファンには有名な高岡大仏に会いにいってきました（前回記事）。
高岡は、古くから大仏とともに発展した町です。当初は13世紀に近くの山中に造られた大仏を、江戸初期1609年にこの地へ移設。
それから大仏は、ずっと高岡の発展を見守ってきました。
江戸末期と明治の２回、大火で焼け落ちましたがその都度再建。今に至っています。
その焼け落ちた、先代の大仏の頭だけが奇跡的に残っていて、台座内部の回廊に安置されています。
そのお顔もまた美しいものでした。
明治時代に造られた、木造の二代目大仏頭部。若々しくりりしいお顔は、奈良の古仏に通じるような風格を備える
大仏の背後には、現代の整備された車道とはちがう古びた道が伸びていて、きっと明治期はここがメインストリートだったのでしょう。そこには「大仏旅館」もあります。創業90年だそうだからちょうど今の大仏ができたころと同時代ですね。
大仏とともに90年！老舗旅館ではさまざまな宴会が開かれたことでしょう
高岡銅器など鋳物産業でにぎわう高岡は、経済の中心として大きく発展したそうで、よその土地から来た商人に、地元の名士はさぞかし大仏が自慢だったことでしょう。
現代も高岡銅器製造は盛ん。現代の業者が再現した高岡大仏。東京・日本橋とやま館にて
高岡が銅で”黄金時代”を築いていた時代、資金を集めて文化活動もさかんに行われました。その一環が「活動写真」です。
古いサイレント映画に弁士の語り（活弁）と生演奏をつける上演です。
今回の富山行きも活動写真の仕事のためだったんですが、ここ高岡で撮影された貴重な映画を上映する企画だったのでした。
タイトルは「輝く孝道」。
江戸時代の高岡で、必死に親孝行に励み、地元にも貢献した「孝子六兵衛」の物語です。
昭和初期、地元の市民団体が中心となって、高岡の新聞記者だった鍋島弘蔵氏（のちに地元の富山新聞社の社長を務めた）が監督を務めて制作したものでした。
写真右奥が「孝子六兵衛碑」。左手前は富山の名水「影無しの井戸
「孝子六兵衛碑」の解説案内板
ほかにも、高岡には泉鏡花の名作小説「義血侠血」の主人公が行き交った舞台でもありました、この作品は「滝の白糸」というタイトルで舞台化、さらに活動写真として映画化され、我々活弁演者にとっても大事なレパートリーになっています。
高岡散策中に偶然見つけた「滝の白糸」の碑を前に、三味線を弾くポーズで
仏像も活動写真にも縁がある高岡の街を堪能し、富山公演も盛況でした。文化度が高い街、ステキですね。
そんな我々、「映楽四重奏」と銘打った活動写真巡業隊の面々は、つぎは群馬へお邪魔します。
昭和初期の演芸場で、昭和レトロの雰囲気をたっぷり味わえます。東京から２時間ちょっと。小旅行がてらお越しください。
詳細は↓
https://www.jalan.net/event/evt_302353/
次回は10/8-9 群馬公演のポスター
それでは聴いてください。
L'Arc～en～Cielで「DIVE TO BLUE」。
---おしらせ---
本コラム筆者・宮澤やすみ関連情報
１．
新作アルバム『時の水辺』。
ご購入いただけると活動存続の助けになります。応援よろしくお願いいたします。
プレーヤー不要。スマホですぐ聴けるQRコード付きブックレットです（CDも付いてます）。
詳細、ご購入は
↓↓↓
http://yasumimiyazawa.com/direct.html
雅楽の笙や篳篥も入った独特のサウンドで、「聴いたことないけど、どこか懐かしい」大人むけのロックです
２．
宮澤やすみ「仏像ブツブツ」連載300回記念
【ザ・ブッツ新作アルバムレコ発ライブ】
宮澤やすみの”仏像バンド”The Buttzの新作発表を兼ねたお祝いライブです。
配信視聴は10/10まで受け付けています。
（詳細）
http://yasumimiyazawa.com/live.html
３．
宮澤やすみソロアルバム発売中
『SHAMISEN DYSTOPIA シャミセン・ディストピア』
購入は「やすみ直販」で
http://yasumimiyazawa.com/direct.html
（ネット決済のほか、銀行振込、郵便振替も対応）
宮澤やすみ公式サイト：http://yasumimiyazawa.com
宮澤やすみツイッター：https://twitter.com/yasumi_m
神仏研究家・音楽家の宮澤やすみが、仏像とその周辺をブツブツ語る連載エッセイ。
こんにちは。ザ・ブッツのライブを無事に終えましてほっとしている宮澤やすみです。新アルバム『時の水辺』も喜んでいただいているようでありがとうございます。
さて、前回につづいて富山の話。
この夏秋は活弁（活動写真）の上演仕事であちこち行かせてもらってますが、先日行った富山公演でのこと。
仏像ファンには有名な高岡大仏に会いにいってきました（前回記事）。
高岡は、古くから大仏とともに発展した町です。当初は13世紀に近くの山中に造られた大仏を、江戸初期1609年にこの地へ移設。
それから大仏は、ずっと高岡の発展を見守ってきました。
江戸末期と明治の２回、大火で焼け落ちましたがその都度再建。今に至っています。
その焼け落ちた、先代の大仏の頭だけが奇跡的に残っていて、台座内部の回廊に安置されています。
そのお顔もまた美しいものでした。
明治時代に造られた、木造の二代目大仏頭部。若々しくりりしいお顔は、奈良の古仏に通じるような風格を備える
大仏の背後には、現代の整備された車道とはちがう古びた道が伸びていて、きっと明治期はここがメインストリートだったのでしょう。そこには「大仏旅館」もあります。創業90年だそうだからちょうど今の大仏ができたころと同時代ですね。
大仏とともに90年！老舗旅館ではさまざまな宴会が開かれたことでしょう
高岡銅器など鋳物産業でにぎわう高岡は、経済の中心として大きく発展したそうで、よその土地から来た商人に、地元の名士はさぞかし大仏が自慢だったことでしょう。
現代も高岡銅器製造は盛ん。現代の業者が再現した高岡大仏。東京・日本橋とやま館にて
高岡が銅で”黄金時代”を築いていた時代、資金を集めて文化活動もさかんに行われました。その一環が「活動写真」です。
古いサイレント映画に弁士の語り（活弁）と生演奏をつける上演です。
今回の富山行きも活動写真の仕事のためだったんですが、ここ高岡で撮影された貴重な映画を上映する企画だったのでした。
タイトルは「輝く孝道」。
江戸時代の高岡で、必死に親孝行に励み、地元にも貢献した「孝子六兵衛」の物語です。
昭和初期、地元の市民団体が中心となって、高岡の新聞記者だった鍋島弘蔵氏（のちに地元の富山新聞社の社長を務めた）が監督を務めて制作したものでした。
写真右奥が「孝子六兵衛碑」。左手前は富山の名水「影無しの井戸
「孝子六兵衛碑」の解説案内板
ほかにも、高岡には泉鏡花の名作小説「義血侠血」の主人公が行き交った舞台でもありました、この作品は「滝の白糸」というタイトルで舞台化、さらに活動写真として映画化され、我々活弁演者にとっても大事なレパートリーになっています。
高岡散策中に偶然見つけた「滝の白糸」の碑を前に、三味線を弾くポーズで
仏像も活動写真にも縁がある高岡の街を堪能し、富山公演も盛況でした。文化度が高い街、ステキですね。
そんな我々、「映楽四重奏」と銘打った活動写真巡業隊の面々は、つぎは群馬へお邪魔します。
昭和初期の演芸場で、昭和レトロの雰囲気をたっぷり味わえます。東京から２時間ちょっと。小旅行がてらお越しください。
詳細は↓
https://www.jalan.net/event/evt_302353/
次回は10/8-9 群馬公演のポスター
それでは聴いてください。
L'Arc～en～Cielで「DIVE TO BLUE」。
---おしらせ---
本コラム筆者・宮澤やすみ関連情報
１．
新作アルバム『時の水辺』。
ご購入いただけると活動存続の助けになります。応援よろしくお願いいたします。
プレーヤー不要。スマホですぐ聴けるQRコード付きブックレットです（CDも付いてます）。
詳細、ご購入は
↓↓↓
http://yasumimiyazawa.com/direct.html
雅楽の笙や篳篥も入った独特のサウンドで、「聴いたことないけど、どこか懐かしい」大人むけのロックです
２．
宮澤やすみ「仏像ブツブツ」連載300回記念
【ザ・ブッツ新作アルバムレコ発ライブ】
宮澤やすみの”仏像バンド”The Buttzの新作発表を兼ねたお祝いライブです。
配信視聴は10/10まで受け付けています。
（詳細）
http://yasumimiyazawa.com/live.html
３．
宮澤やすみソロアルバム発売中
『SHAMISEN DYSTOPIA シャミセン・ディストピア』
購入は「やすみ直販」で
http://yasumimiyazawa.com/direct.html
（ネット決済のほか、銀行振込、郵便振替も対応）
宮澤やすみ公式サイト：http://yasumimiyazawa.com
宮澤やすみツイッター：https://twitter.com/yasumi_m
