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第355回 消滅間近の昭和建築、渋谷駅の大改装
”東京の近現代史を彩った建築は、役目を終え--”
音楽家で神仏研究家の宮澤やすみが、仏像とその周辺をブツブツ語る連載エッセイ。
こんにちは。三味線の新しいお弟子さんが入り、三味線をふたつ持って稽古場に向かっている宮澤やすみです。分解できるのでキャリーケースに詰めてゴロゴロ運んでます。
そんな中、いつもとちょっと趣向を変えて、私が住んでる渋谷の歴史風景をご紹介しましょう。
東京・渋谷は若者だけの街と思われがちですが、じつは遺跡あり城跡あり街道あり、古代からの営みが積み重なっている歴史好きにおすすめの街なんです。
タモリさんがよくおっしゃいますが、坂道と川が織りなす地形の高低差に歴史が刻まれてきたもので、渋谷の坂道もそれにあたります。
そんな渋谷に、明治18年(1885)できたのが渋谷駅。
2022年撮影渋谷駅西口。西側から東方向へ眺める。旧駅ビル解体中。あと数年で新ビルが建つ
今、駅全体で”100年に一度”の大改装が行われていて、旧駅ビルは姿を消しつつあります。
東横デパートが入っていた旧駅ビル(東横百貨店西館、旧称玉電ビル)は昭和13年(1938)の建築。80年以上の営業を経て2020年閉館。
東京の近現代史を彩った建築は、役目を終え解体が進んでいます。お疲れさまでした。
2019年撮影渋谷駅西口。南側から北方向へ眺める。まだ解体前の旧駅ビルが見える。右が東横百貨店南館、中央が西館玉電ビル。その横を地下鉄銀座線が走っている
ただし、地下鉄銀座線の線路は今後も使用されるため、銀座線の通る箇所だけこのビルの構造が残っています。
上の写真で見えるように、地下鉄銀座線は東横デパートの中(3Fフロア)に乗り入れるという、特異なかたちだったのでした。
2022年撮影。上の写真の奥にみえる高層ビルからながめた光景。画面中心を斜めに伸びるのが銀座線。ここだけ昭和13年の建築がそのまま残されている
地上三階を地下鉄が通る光景が渋谷駅の特徴で、ホーム位置は変わりましたがその高さは維持されています。
画面左の旧駅ビルと一緒にリニューアルを待つ
JR山手線ホームも着々と工事が進んでますが、そのあちこちに古い駅ビルの名残が見えます。
山手線ホームからみると、その上を通る地下鉄銀座線の高架構造が見える。地下鉄なのに高架というのが渋谷ならでは
古いコンクリートが醸し出す廃墟感と真新しい鉄骨のコントラストが、廃墟好き、古い建物好きの心をわしづかみにします。
古いコンクリートと鉄骨が組み合わさっているように見える。2023年10月撮影
あまり公表してませんでしたが私が渋谷近辺の在住なので、街が変貌する歴史の1ページを写真に収めています。
銀座線旧ホームの構造と、スクランブルスクエア、ヒカリエ。新旧併存の光景が見られるのは今だけ
この連載をわざわざ読んでくださる人は、かなりニッチな存在の粋人でしょうから、たまにはこういう話題もいいんじゃないかと勝手に思いまして(笑)。
渋谷駅だけでも歴史が深いのでかなりの情報があるんですが、また整理するとして、次回は古代の渋谷へ飛びましょう。
それでは聴いてください。
ペギー葉山で「渋谷 愛の街」(渋谷区歌)
(参考)
廃線から半世紀以上、解体で見つかった「玉電の遺構」
https://www.shibuyabunka.com/report2022/remains.html
渋谷駅の銀座線と井の頭線に挟まれるように走っていた「玉電」の遺構の紹介です。
---おしらせ---
本コラム筆者・宮澤やすみ関連情報
1.
おかげさまで20周年
【小唄 in 神楽坂 2023】
宮澤やすみ一門総出で小唄の演奏会。
小唄ではめずらしい日本舞踊と鳴物が入って
にぎやかで特別な記念の会になります。
楽しい解説トークもあって、初めての人こそ
来てほしい、くつろぎの和のライブです。
お得な前売券購入はは宮澤やすみ事務所へ。
2023年10月29日(日)
14:30開場 15:00開演 16:20終演予定
東京・神楽坂毘沙門天1回書院
問合せ・お申込はEメールで
yasumikouta@yahoo.co.jp
2.
仏像や古代史を歌ったザ・ブッツの新作アルバム『時の水辺』。
ご購入いただけると活動存続の助けになります。応援よろしくお願いいたします。
プレーヤー不要。スマホですぐ聴けるQRコード付きブックレットです(CDも付いてます)。
詳細のご紹介は
↓↓↓
http://yasumimiyazawa.com/buttz/tokinomizube.html
雅楽の笙や篳篥も入った独特のサウンドで、「聴いたことないけど、どこか懐かしい」大人むけのロックです
収録曲:
1.Fantastic Dystopia
2.一木造
3.Shami on The Water
4.川のほとりで
5.Benzai-Tennyo
6.Black Etenraku
7.北斗星
8.いけるとこまで
ほか、付録CDにボーナストラック
宮澤やすみ公式サイト:http://yasumimiyazawa.com
宮澤やすみツイッター:https://twitter.com/yasumi_m
音楽家で神仏研究家の宮澤やすみが、仏像とその周辺をブツブツ語る連載エッセイ。
こんにちは。三味線の新しいお弟子さんが入り、三味線をふたつ持って稽古場に向かっている宮澤やすみです。分解できるのでキャリーケースに詰めてゴロゴロ運んでます。
そんな中、いつもとちょっと趣向を変えて、私が住んでる渋谷の歴史風景をご紹介しましょう。
東京・渋谷は若者だけの街と思われがちですが、じつは遺跡あり城跡あり街道あり、古代からの営みが積み重なっている歴史好きにおすすめの街なんです。
タモリさんがよくおっしゃいますが、坂道と川が織りなす地形の高低差に歴史が刻まれてきたもので、渋谷の坂道もそれにあたります。
そんな渋谷に、明治18年(1885)できたのが渋谷駅。
2022年撮影渋谷駅西口。西側から東方向へ眺める。旧駅ビル解体中。あと数年で新ビルが建つ
今、駅全体で”100年に一度”の大改装が行われていて、旧駅ビルは姿を消しつつあります。
東横デパートが入っていた旧駅ビル(東横百貨店西館、旧称玉電ビル)は昭和13年(1938)の建築。80年以上の営業を経て2020年閉館。
東京の近現代史を彩った建築は、役目を終え解体が進んでいます。お疲れさまでした。
2019年撮影渋谷駅西口。南側から北方向へ眺める。まだ解体前の旧駅ビルが見える。右が東横百貨店南館、中央が西館玉電ビル。その横を地下鉄銀座線が走っている
ただし、地下鉄銀座線の線路は今後も使用されるため、銀座線の通る箇所だけこのビルの構造が残っています。
上の写真で見えるように、地下鉄銀座線は東横デパートの中(3Fフロア)に乗り入れるという、特異なかたちだったのでした。
2022年撮影。上の写真の奥にみえる高層ビルからながめた光景。画面中心を斜めに伸びるのが銀座線。ここだけ昭和13年の建築がそのまま残されている
地上三階を地下鉄が通る光景が渋谷駅の特徴で、ホーム位置は変わりましたがその高さは維持されています。
画面左の旧駅ビルと一緒にリニューアルを待つ
JR山手線ホームも着々と工事が進んでますが、そのあちこちに古い駅ビルの名残が見えます。
山手線ホームからみると、その上を通る地下鉄銀座線の高架構造が見える。地下鉄なのに高架というのが渋谷ならでは
古いコンクリートが醸し出す廃墟感と真新しい鉄骨のコントラストが、廃墟好き、古い建物好きの心をわしづかみにします。
古いコンクリートと鉄骨が組み合わさっているように見える。2023年10月撮影
あまり公表してませんでしたが私が渋谷近辺の在住なので、街が変貌する歴史の1ページを写真に収めています。
銀座線旧ホームの構造と、スクランブルスクエア、ヒカリエ。新旧併存の光景が見られるのは今だけ
この連載をわざわざ読んでくださる人は、かなりニッチな存在の粋人でしょうから、たまにはこういう話題もいいんじゃないかと勝手に思いまして(笑)。
渋谷駅だけでも歴史が深いのでかなりの情報があるんですが、また整理するとして、次回は古代の渋谷へ飛びましょう。
それでは聴いてください。
ペギー葉山で「渋谷 愛の街」(渋谷区歌)
(参考)
廃線から半世紀以上、解体で見つかった「玉電の遺構」
https://www.shibuyabunka.com/report2022/remains.html
渋谷駅の銀座線と井の頭線に挟まれるように走っていた「玉電」の遺構の紹介です。
---おしらせ---
本コラム筆者・宮澤やすみ関連情報
1.
おかげさまで20周年
【小唄 in 神楽坂 2023】
宮澤やすみ一門総出で小唄の演奏会。
小唄ではめずらしい日本舞踊と鳴物が入って
にぎやかで特別な記念の会になります。
楽しい解説トークもあって、初めての人こそ
来てほしい、くつろぎの和のライブです。
お得な前売券購入はは宮澤やすみ事務所へ。
2023年10月29日(日)
14:30開場 15:00開演 16:20終演予定
東京・神楽坂毘沙門天1回書院
問合せ・お申込はEメールで
yasumikouta@yahoo.co.jp
2.
仏像や古代史を歌ったザ・ブッツの新作アルバム『時の水辺』。
ご購入いただけると活動存続の助けになります。応援よろしくお願いいたします。
プレーヤー不要。スマホですぐ聴けるQRコード付きブックレットです(CDも付いてます)。
詳細のご紹介は
↓↓↓
http://yasumimiyazawa.com/buttz/tokinomizube.html
雅楽の笙や篳篥も入った独特のサウンドで、「聴いたことないけど、どこか懐かしい」大人むけのロックです
収録曲:
1.Fantastic Dystopia
2.一木造
3.Shami on The Water
4.川のほとりで
5.Benzai-Tennyo
6.Black Etenraku
7.北斗星
8.いけるとこまで
ほか、付録CDにボーナストラック
宮澤やすみ公式サイト:http://yasumimiyazawa.com
宮澤やすみツイッター:https://twitter.com/yasumi_m